借り入れ

2018/06/20

設備投資とは?メリットとタイミングを解説

はじめに

会社を経営する上で投資する機会は大なり小なり様々ありますが、その中でも特に資金総額が大きいものとして設備投資があります。
現状では黒字経営をできている会社であっても、設備投資のタイミングを間違えたりその目的についてきちんと理解しないまま行うと資金繰りに苦労させられる羽目になります。
多額の費用を要する投資であるからこそ、設備投資を行う際には具体的な計画を立ててからでなければ意味がありません。

この記事では設備投資の概要を始めとした、そのメリットやタイミングについて解説します。
設備投資が必要な局面になってから勉強したのでは遅く、経営あるいは経理に関わる人間として知っておくべき知識の一つでもあります。
設備投資についてそれほど知らないという方は、この記事を読んで大まかにでも知識を身につけておくといいでしょう。

1設備投資のメリット

この章ではまず設備投資のメリットについて解説していきます。
設備投資はある明確な目的を達成するために行うべき投資ではありますが、実際に関与したことがなければそのメリットがどこにあるのかさえ分からないという方もいるかもしれません。
設備投資について理解を深める準備段階として、手始めにそこから得られるメリットについて考えていきましょう。

 

1ー1 貸借の場合のメリット

設備投資ではその設備自体を会社で購入する場合か、あるいは一定期間中に貸借する場合のどちらかを選択することができます。
どちらの場合を選択するかで得られるメリットが異なってくるため、まずは貸借の場合から具体的に確認していきます。

 

・少額での投資が可能になる

貸借の場合ではその設備自体を購入する場合よりも資金が安く抑えられるため、少額での投資が可能になるというのが一つ目のメリットです。
投資金額が少なければ少ないほど会社の収支に大きく響きにくいので、資金繰りに困るリスクが低減しやすくなります。

 

・途中で撤退することができる

設備投資を貸借する場合であれば、資金繰りが苦しくなった時点で撤退することも選択しやすくなります。
仮に設備を購入してしまった場合であれば、どれだけ資金繰りが苦しくなったところでその設備にかかった費用はどうにかして賄わなければいけません。

よほど資金繰りに余裕のある会社であれば設備を購入してもそれほど問題にならないかもしれませんが、中小企業のような規模であれば無理のない金額の範囲で設備投資を行う必要があります。

 

貸借の場合ではこうしたメリットが主に挙げられますが、対する購入の場合ではどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

 

1ー2 購入の場合のメリット

貸借の場合では主に資金面でのメリットがありましたが、購入の場合では以下のようなメリットが考えられます。

 

・長期間の利用で費用が削減できることも

貸借の場合では少額での投資が可能になることを前述しましたが、長期間の利用であれば総合的には費用が削減できることも実際にあります。
購入の場合では減価償却として投資にかかった費用と耐用年数とを参照して毎年の支出を計上することになります。
必ずしも貸借の場合の方が費用が安く抑えられるとは限らないので注意しましょう。

 

・会社としての信用につながる

会社を経営する上では自社の生産性向上のために設備投資をすることが必要とされますが、時として他社からの信用を買うのに一役買う場合があります。
取引先である他の会社からしてもその会社の経営状況を設備面からでも把握しておきたいと考えるため、設備自体を購入している場合であれば経営資金が潤沢であると判断されやすくなり、結果として会社としての信用につながりやすくなります。

 

・社員のモチベーション維持につながる

設備が最新のものに都度更新されていれば、自社で働く社員のモチベーション維持につながる可能性もないとは言い切れません。
自社で商品を製造していない会社でも、旧型の設備のままでは仕事の能率が下がってしまう場合があります。
社員からしても働きやすい労働環境であることが満足度を高めることにつながるため、社員をできる限り長く引き止める意味でも設備投資に貴重な資金を割く価値は十分あると考えられます。

 

貸借および購入のどちらの場合であっても、それ相応のメリットがあることが理解できたのではないでしょうか。
ただしその双方にメリットばかりある訳ではなく、それぞれの場合に応じたデメリットが少なからず存在します。
その詳しい内容については次章で解説します。

1-3設備投資のデメリット

前章では設備投資を行うことのメリットについて解説したので、この章ではそれと対をなすデメリットについて解説していきます。
設備投資をする上では、それぞれに存在するメリットとデメリットの双方を十分理解しておかなければ検討するための比較材料がないことを意味します。
それでは具体的にどのようなデメリットがそれぞれに存在するのか、以下で順を追って確認していきます。

 

 

1-4 貸借の場合のデメリット

少額での投資が可能となる貸借での設備投資ではありますが、以下のようなデメリットがあることは知っておいて損はありません。

 

・会社としての信用が落ちることも

設備を自社資金あるいは他社や銀行からの融資によって購入した場合であれば、その資金力を買われて会社としての信用につながることがあると前述しました。
しかしその一方で貸借によって設備を更新した場合では、自社の資金力を疑われ会社によっては信用が落ちることも時にはあります。
取引先となる他社からの信用を得るためだけに設備を購入する必要はありませんが、そのような観点から自社が評価を下される場合があることをあらかじめ念頭に置いておくといいかもしれません。

 

・長期的には購入するより高くつきやすい

基本的には短期間であれば貸借の方が費用が安く抑えられますが、その一方で長期間の利用であれば購入の場合よりも高くつきやすいことがデメリットとして挙げられます。
設備投資について考える際にはその設備自体の耐用年数と現状の設備の維持可能な年数とをあらかじめ考慮し、その上で貸借か購入のどちらの場合を選択するかを判断する必要があります。

 

短期間での利用ではメリットが多い貸借であっても、長期的な利用が前提であればかえって損する羽目になることも実際にあります。
また貸借の場合では他社からの評価が悪い方向に傾く可能性があることも併せて覚えておくといいでしょう。

 

1-5 購入の場合のデメリット

購入の場合では資金面以外でのメリットも見られましたが、対するデメリットについてはどのようなものが見受けられるのでしょうか。
その具体的な内容は以下のようになります。

 

・多額の資金が必要となる

設備自体を購入する場合ではどうしても費用がかさみやすく、多額の資金が必要となることがしばしばあります。
規模の限られた設備投資であれば資金繰りについても深刻な影響を及ぼさずに済みますが、大規模な設備投資ともなると多額の投資資金がなければ行えません。
そのため資金繰りが失敗してしまうと会社の経営さえ危ぶまれる状況に追い込まれることになります。

 

・途中で撤退しにくい

貸借の場合であれば設備投資の最中でも途中で撤退することも検討できますが、購入の場合であれば途中で撤退することが難しい側面があります。
設備自体を購入した場合ではその決まった金額の支払いを経営状況にかかわらず毎年行わなければならないため、資金繰りの状況次第では会社の経営さえだめになる可能性もないとは言い切れません。

 

・資金が凍結する

購入の場合には減価償却として毎年のように費用を計上する必要がありますが、その期間の長さだけ資金が凍結されてしまいます。
そうなれば分割した金額分だけ会社の資金が循環しなくなるため、資金繰りに少なからず響いてきます。

 

どちらの場合で設備投資をするにせよ、本来の目的を達成できるのであればどちらを選択しても構わない部分はもちろんあります。
ただ設備投資のメリットとデメリットを十分理解した上で判断したとしても、そのタイミングを見誤れば効果を発揮できなくなってしまいます。
設備投資を行うべきタイミングの判断基準については次章で解説します。

 

2いつ行うべきか

多額の資金を投資することになる設備投資だからこそ、いつ行うべきかをきちんと考えなければ経営が黒字から赤字へと傾くことにもなりかねません。
設備投資のタイミングをきちんと図るポイントとしては、事前のシミュレーションとリスク分析をどこまで緻密に行えるかが重要になってきます。

設備投資をする目的と言えば主に費用を削減するため、もしくは売上を上げるためのどちらかに該当するかと思います。
設備投資後の想定収益をなるべく甘い観念を捨てて設定することで、現状での設備投資が本当に必要であるかどうかを判断しやすくなります。
一昔前であれば設備投資にかかる費用を3〜5年以内に回収できればいいという考え方でしたが、最近は市場動向が急激に変化する傾向も見られるので2年以内の回収を目処にして設備投資の是非を問うようになっています。
投資資金の回収に2年以上の期間を要すると判断された場合には一時その計画を見送り、投資計画を再度練り直した方が賢明です。

 

設備投資のタイミングを決定する際にも会社の収支にかかわる数値を明確に示し、客観的な根拠とともに投資後のビジョンを描けるかどうかが重要となります。
ただ中には自社の資金だけでは設備投資がままならず、資金捻出するための手段を検討する会社もあるかもしれません。
2年以内の回収が見込める状況下で資金の調達方法に悩んだ場合、どのように対策すればいいのでしょうか。

 

3資金捻出の手段

 

この記事の締めくくりとして最後に、資金捻出の手段についていくつか紹介しておきます。
資金を捻出する方法でもかかる費用の金額やそのメリットがそれぞれで異なってきます。
簡単にその方法について紹介すると、以下のようなものが挙げられます。

 

4ー1 民間の金融機関などからの借り入れ

この方法であれば借入金で設備を購入できるため、会社の資産としてその設備を利用することが可能になります。
また自社資産で貸借、あるいは購入する場合よりも割安で購入できる場合があります。

ただそうしたメリットがある一方で、借り入れ前の審査が非常に厳しい、減価償却の煩雑な手続きが新たに増えるといったデメリットも同時に存在します。
また金融機関などから借り入れを行うと会社の経営状況が悪化した際には、貸付金の回収を滞りなく済ませる目的から経営に干渉される場合があります。
この方法で資金を調達したい場合には具体的かつ客観的な数値の記載された設備投資計画を示した上で、借り入れ可能な金額を相談していく他ありません。

 

4ー2 新株の発行

株式を発行している会社であれば新株を発行することで設備投資のための資金を捻出することもできます。
返済義務が生じないことが最大のメリットですが、上場を果たしていない会社では株式を取り扱ってくれる投資家を募ることが難しく、また株主に対しての配当金は損金扱いされないことがデメリットとして挙げられます。
新株発行を利用する場合では、資本金額が増額した際に法人税の課税率が上昇することも念頭に置く必要があるでしょう。

 

4ー3 社債の発行

金融機関などから借り入れるのではなく、社債を発行して資金を捻出するという方法もあります。
この方法であれば利息が発生するものの固定であるために、資金調達にかかる費用をあらかじめ計算することができます。
また満期に一括償還することも選択できるといったメリットがあります。その一方で発行可能な会社の適用基準が決まっているため、一定水準以下の会社ではそもそも利用することができません。
また利用できたとしても発行までにある程度の期間を要するため、すぐさま資金調達したい場合には不向きというデメリットが存在します。

 

いずれの方法で資金を捻出するにせよ、それぞれのメリットとデメリットを考慮した上で最適な調達方法を決定する必要があるでしょう。

 

 

まとめ

設備投資の資金繰りは会社の経営を圧迫しうるものではありますが、会社を成長させる意味でも非常に重要なものとなります。
ただ返済義務のある資金で設備投資を行うと後々になってその利息に苦しめられる可能性もあるので、なるべくならば返済義務のない資金で賄えるように金額を調整することも大切です。

資金調達の方法はさまざまですが、企業のおかれているフェーズや時期的なタイミング、業種、企業の規模など、多くの条件が最適な方法を選べるか否かに関わってきます。 

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