銀行融資

2019/02/27

ノンバンク融資のメリット・デメリット

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はじめに

会社の資金調達のための方法としては色々な種類のものがありますが、融資に関して言えば銀行や日本政策金融公庫と並んでよく聞くのがノンバンクによる融資です。ただノンバンクと聞くとマイナスのイメージを抱く経営者の方もいるのですが、活用法次第では会社の資金繰りを円滑にすることができます。
この記事ではそんなノンバンク融資のメリットとデメリットについて解説します。これまでノンバンク融資を検討したことのない方も、記事の内容を参考にして改めて検討してみてはいかがでしょうか。

1.ノンバンク融資の概要

ノンバンク融資のメリットとデメリットについて言及する前に、まずはノンバンクそのものについて触れておきます。このノンバンクとは預金業務を行わない融資専門の金融機関のことを指しますが、ノンバンクとして括られる金融機関にもいくつか種類があることはご存知でしょうか。ノンバンクの主な分類としては以下のようになります。

・信販会社
・銀行系のローン会社
・リース会社
・不動産金融専門会社
・消費者金融

上記の単語について簡単に説明しておくと、信販会社とは一般的にクレジットカードを発行する会社のことを指します。またノンバンクと言えば消費者金融を真っ先に思い浮かべる方も多いでしょうが、この消費者金融にも厳密には銀行の子会社であるものとそうでないものとがあります。ここにはCMでもよく見かける大手消費者金融も含まれれば、街金と呼ばれる小規模の消費者金融まで規模はさまざまです。
ノンバンクには以上のような種類がありますが、基本的には銀行融資よりも高金利が設定されています。また銀行とは違い総量規制が導入されているため、ノンバンクならではのデメリットがあることも確かです。この点については以降で詳しく解説します。

ノンバンク融資についてこれ以外でも知っておきたい知識として、ノンバンク融資では主に2種類あり、個人向けと事業資金向けとで大まかに分かれています。後者の種類のものはいわゆるビジネスローンと呼ばれるものなのですが、これは事業資金用としての用途で限定されるため、設備投資やつなぎ資金などの利用でなければ借りることはできません。
一方で個人向けローンの中には事業資金と生活費を兼用できるものもあります。ただしビジネスローンと比較すると限度額が低く、高額での融資を希望することはできないので注意が必要です。

ノンバンク融資の大まかなイメージを掴んだところで、次章からはノンバンク融資のメリット・デメリットについて解説していきます。

2.ノンバンク融資のメリット

それでは本題に移りましょう。ノンバンク融資では銀行融資にはないメリットとデメリットがそれぞれ存在します。この章ではまずノンバンク融資の主なメリットから見ていきましょう。

2-1.審査が早い

有名な大手消費者金融がCMで最短30分で融資可能なことを謳うように、ノンバンク融資はとにかく審査が早く終わります。銀行融資の場合では平均的に1ヶ月は審査待ちになり、時間に余裕のある時以外は利用しにくい側面があります。その点ノンバンク融資であれば緊急時でも短期間のうちに資金調達できるため、つなぎ資金の確保には有用です。

2-2.審査基準のハードルが低い

冒頭でも触れた日本政策金融公庫の融資や銀行融資ともなると、審査基準が厳しいためにあえなく審査落ちしてしまう会社も多々あります。それに対してノンバンクでは独自の審査基準を設けているため、それらの融資を受けられなかった場合であっても融資してもらえる可能性が高いです。また過去に赤字決算をしている、もしくは税金を滞納したことのある会社であっても柔軟に対応してくれることがあり、問題を抱える会社でも利用しやすい特徴があります

2-3.必要書類が少ない

銀行融資の場合では必要書類が多いため用意するのにかなりの時間や手間がかかります。しかしノンバンク融資であれば必要書類が少なく済み、以下のものだけ用意すれば審査を受けることができます

・確定申告書
・納税証明書
・決算書類

業績がまだ浅い会社であれば追加で事業計画書や収支計画書も併せて提出する必要がありますが、それでも銀行融資の場合と比較するとかなり少ないです。必要書類が少なければその分早く動けるため、ノンバンク融資はこの点でも利便性が高いと言えるでしょう。

2-4.金利の見直しが行われている

ノンバンク融資と言えば金利が高いというイメージも根強いですが、最近では一部の会社が金利を見直し銀行融資にも近い低金利で利用できるようになってきています
例えば銀行の子会社である消費者金融では最低金利を4%まで引き下げているところがあります。また大口融資については低金利を設定するなどして金利の引き下げを行うノンバンクもあり、以前よりも利用者の負担が軽減されつつあります

ノンバンク融資には上記のようなメリットがある一方で、考慮しておくべきデメリットもいくつか存在します。それでは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

3.ノンバンク融資のデメリット

それに対するノンバンク融資のデメリットとしては以下のようなものがあります。

3-1.安全性を確認しにくい

一般的にノンバンクと呼ばれる金融機関は、貸金業を営むためにまず金融庁への登録を済ませなければなりません。そのため金融庁で登録されているノンバンクについては安全性が高いと判断することができます。ただし稀に好条件を謳うノンバンクの中に悪質な業者が混じっていることがあります
ノンバンク融資ではその業者の安全性を事前に確認する必要がある点は、デメリットと言わざるを得ません。安全性の確認には金融庁の登録を確認する以外でも、利用者の口コミを確認するという方法もあります。

3-2.金利設定が高い

ノンバンク融資の金利が見直されているという点をメリットとして挙げましたが、大半のノンバンク融資は未だに金利設定が高いのが現状です。特にビジネスローンでは金利が8〜18%で設定されていることが多く、高金利になればなるほど金利の返済に食われ元金が戻らないという深刻なデメリットが生じてしまいます。
ただし銀行系列の消費者金融では低金利ローンを用意しているところもあるため、利用する会社次第ではこのデメリットを回避できる可能性はあります。

3-3.総量規制の制限がある

銀行融資であれば高額の資金調達をすることも可能ですが、ノンバンク融資の場合では総量規制の制限があるため借入限度額が低いという特徴があります。この総量規制とは利用者が年間で年収の3分の1以上はお金を借りられないというルールのことで、例えば年収300万円の方では100万円までしかお金を借りることができません。
一般的には良くても300〜800万円程度が限度であり、大口融資を希望する方には不向きです

ここまでノンバンク融資のメリットとデメリットをそれぞれ確認してきましたが、審査基準が緩いからといって全ての希望者が融資を実施してもらえる訳ではありません。ノンバンク融資を利用する上でもふるいにかけられるため、審査落ちしないように注意すべき点は事前に意識しておくことで対策を検討することもできます
次章ではノンバンク融資を受けるための注意点について、簡単に紹介しておきます。

4.ノンバンク融資を受けるには

銀行融資よりも審査基準が緩いとも言われるノンバンク融資ですが、いいかげんなことをすればもちろん審査落ちする可能性は高いです。そのためノンバンク融資を確実に受けるためには最低限注意しておきたいポイントがあり、具体的には以下のようなことがあります。

4-1.書類の内容を誤らない

ノンバンク融資でも書類審査を通過する必要がある訳ですが、提出書類の内容に誤りがあってはいけません。例えば記載された情報に誤りがあるのは論外ですし、誤字脱字があるだけでもマイナスの印象を与えます。作成者であるあなた一人で内容を確認しても気付けない可能性もあるので、できれば別の方に頼み事前にダブルチェックするようにしましょう

4-2.日頃から滞納しない

会社を経営する上では税金の支払いはもちろん、以前に借り入れたお金の返済などさまざまな支払いが日常的に生じてきます。返済を滞りなく済ませているだけでも返済能力を認めてもらいやすくなりますし、反面で税金や返済を滞納してしまうと返済能力に関する信頼度が著しく減少します。事前に連絡を入れて支払いが遅れるのはまた別の話ですが、日頃から支払いを滞納しないことが融資を受けやすい土台作りにつながります

4-3.経営者としての人柄にも意識を向ける

会社を成長させる経営者の方の多くが仕事にひたむきに取り組みかつ誠実な人柄となります。ノンバンク融資の場合でも経営者の人柄で信頼してお金を貸せるかどうかを判断している部分もあるため、融資を希望する際には自身の振る舞いにも注意しておかなければなりません。
例えば審査を申し込む際には正装で身なりを整え、かつ担当者と会話することがあれば会社の窮状を伝えた上で真摯に対応していくことが求められます。融資の可否は結局のところ人間が決めることを理解して経営者として信頼を得ることが大切です。

ノンバンク融資の審査基準が緩いからといって油断していると、いいかげんなことをしてしまい審査落ちすることも十分考えられます。会社の資金調達をする上では常に経営者としてどう在るべきかを意識し、細心の注意を払うことが要求されます

まとめ

会社の緊急時にも早急に対応できる可能性のあるノンバンク融資ですが、実際に利用するのであればなるべく低金利で済ませられる会社を探すのが一番です。いくつか見過ごせないデメリットも確かにあるもののノンバンク融資ならではのメリットも多いため、スピード重視で資金調達したい場合には一度ノンバンク融資を検討してみることをおすすめします。

もちろん時間的に余裕がある場合には、資金調達の方法としてノンバンク融資一択に絞る必要はありません。ノンバンク融資はあくまでも資金ショートしないための最終手段であり、常に最良の選択肢であるとは限りません。

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