ファクタリング

2019/03/28

出来高業態の会社が事業費を捻出するには

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はじめに

建設業では出来高請求により部分報酬を支払ってもらう方法が一般的ですが、出来高請求でその都度支払ってもらえるからといって会社の資金繰りが安泰ということは割と少ないです。どちらかと言えば会社の事業費が捻出できずどうにか仕事を増やそうと赤字受注を続け、さらに資金繰りを悪化させてしまっていることも往々にしてあります。工事完成までに時間がかかり会計専門の従業員が不足しがちな建設業ではありますが、事業費はどのように捻出するべきなのでしょうか。

この記事では建設業で必ずと言っていいほど利用する出来高という概念についてと、事業費を捻出する方法について解説します。

1.出来高の概念とは

建設業では工事完成に時間がかなりかかってしまうこともあり、工事の進捗状況に応じて報酬を分割して請求できる制度が存在します。この制度については建設業法第24条3項に詳しく定められており、その条文では出来高という用語ではなく「出来形」という用語が出てきます。この二つの用語は響きこそ似ていますが、実際には全く異なる意味を持ちます。

そもそも出来形とは工事途中の建築物のうちすでに完成している部分のことを指しており、その出来形を完成させるのに使用した材料の原価を算出して金額に換算したものを出来高と呼びます。つまり出来形は工事などで建造している建築物について、出来高はその建築物から得られる収益について言及した用語であると言えます。

工事の進捗状況の度合いに応じて報酬を部分請求していくのが出来高請求ということになりますが、出来高部分を把握するための基準について知らなければ正しく意味を理解することにはなりません。次章では出来高請求をするための基準について解説していきます。

2.出来高請求のための基準とは

出来高請求の基準については実際にある基準を利用することになる訳ですが、この際に現場内でよく利用されているのが「工事完成基準」です。しかしこの工事完成基準そのものは出来高請求をする基準として正しいものではなく、会計的に正しい基準であるのが「工事進行基準」となります。工事完成基準と工事進行基準とではどのように違いがあるのか、以下で確認しておきましょう。

・工事完成基準:現時点で完成している建築物の出来形の割合によって出来高を算出すること

・工事進行基準:工事の進捗状況の度合いを数値化してそれに見合うだけの適正な原価を算出すること

こうしてそれぞれの基準について比較すると一目瞭然ですが、工事完成基準は建築物の出来形について言及しているのに対して、工事進行基準では建築物の出来形を原価換算した出来高に言及している点が明らかに違います。つまり出来高請求のために利用される基準の場合であっても出来形と出来高のように、言及している部分が異なるということです。

それでは何故建設業の現場では会計的に誤った基準である工事完成基準が使われているのでしょうか。これは単純な理由で、建設会社の多くが会計専門の従業員を抱えておらず現場担当者、もしくは経営者が会計処理を兼任しているためです。会計自体に詳しくなければ工事進行基準のように出来形から適正な原価を算出すること自体が難しく、結果的に全体における出来形の割合をそのまま部分報酬のパーセンテージに置き換えて出来高請求する方が処理的には簡単だからです。

ただ工事完成基準で出来高請求した場合には適正原価はもちろん算出できていないため、出来高請求した金額が実は赤字になっていることも往々にしてあります。そのため結果的に赤字受注となってしまい、工事を引き受ける度に会社の資金繰りが圧迫されていくという事態にも陥りかねません。

建設会社は売上高ばかりに目をとられ、結局は会社の利益を捨てていることも実は少なくありません。そのためもし会社の資金繰りが苦しくなおかつ工事完成基準を利用して部分報酬を請求している現状であれば、早急に会計専門の従業員を雇い工事進行基準にて適正な出来高請求をするべきなのです。

ここまで出来高請求に関する内容について解説してきましたが、次章では建設会社はどのようにして事業費を捻出すればいいかという点について解説していきます。

3.出来高業態の会社が事業費を捻出するには

まずここで事業費について確認しておくと、事業費とは会社の運営に直接関わる資金のことを指します。さらに厳密に言えば事業費のうち事務管理に使われる資金のことを事務費と分類することもありますが、この記事では会社経営のために使われる資金のこと全般を指して事業費と呼んでおきます。

話を戻しましょう。出来高業態の会社というのは実は建設業以外にもいくつかありますが、出来高請求を頻繁に利用する業態としてことに特徴的なのが建設業です。これは建築物の完成までにどうしても長期間の時間がかかることが多く、出来高請求しなければ会社の収入が長期にわたり入らなくなってしまうためです。つまり出来高請求なくして建設業は成立しません。

ただ現実的には出来高請求して得た部分報酬だけでは会社の資金繰りは芳しくないことも多く、半数以上の建設会社が赤字受注を繰り返しながら半ば強引に経営を行なっているような現状です。

それではそんな建設会社は出来高請求以外では、どのような方法で事業費を捻出できるのでしょうか。その具体的な方法について以下で順に確認していきましょう。

3-1.ファクタリング

建設会社の多くが資金調達の方法として取り入れているのがこのファクタリングです。ファクタリングとは自社が持つ売掛債権を現金化する資金調達の方法のことを指しますが、ファクタリングでは売掛債権を利用して資金調達をするため借金をしてお金を調達している訳ではありません。ただ売掛債権の全額が建設会社の方に入ってくる訳でもなく、ファクタリングでは2社間ないし3社間のどちらを選択するかによってその分の手数料が差し引かれています。

例えば自社とファクタリング会社のみで取引を完結させる2社間ファクタリングの場合では、取引先の会社にファクタリングを利用した事実を知られないメリットがある一方で、利用手数料が2社間よりも割高というデメリットがあります。手数料として差し引かれるお金を少しでも抑えたい場合には3社間ファクタリングが便利ですが、取引先からファクタリングを利用することに同意を得られなければ利用できないだけでなく、場合によっては後の取引にも悪影響を及ぼすリスクは多少なりとあります。

ファクタリングでは売掛債権を早期回収できる点が非常に魅力的であり、仮に取引先の会社が債務超過などになった場合であっても件の売掛債権をファクタリング会社に渡した状態であれば、その後の手続きは全てファクタリング会社で行ってくれます。

短期間のうちに資金調達したい場合はもちろん、取引先の会社の経営状態が危ぶまれる場合にもファクタリングは有用と言えます。

3-2.助成金や補助金

ファクタリングのように返済義務のない資金が欲しい場合には、助成金や補助金を探すのも一つの方法です。ただし助成金や補助金は利用するための要件が年度ごとに変更される可能性があり、また後払いとなるため「事前にこれだけのお金が欲しい」という場合には利用することができないので注意が必要です。

また申請にかなりの時間や手間がとられるというデメリットもあり、建設会社で実際に利用しているところはかなり少ない状況です。ただ返済義務のないお金ということで非常に貴重な資金調達の方法でもあるため、こうした助成金や補助金についても知識を身につけて積極的に利用していきたいところではあります。

3-3.銀行融資

建設業における資金調達の方法の一つに銀行融資がありますが、建設会社の多くが銀行融資は審査が厳しいという認識を持っています。実際に銀行側でも建設業は資金繰りが安定しない業種とみなされており、現実問題として建設業は銀行融資を受けにくい側面があります。

それでは何故建設業は銀行融資を受けにくい業種とみなされてしまうのでしょうか。それには資金繰りが安定しないという理由の他にも、売掛金や手形などの価値が落ちている点や下請け会社ほど景気の波に左右されやすい点などが挙げられます。

銀行融資を希望する際には希望借入額を決める必要がありますが、必要借入額の計算式は以下のようになります。

必要借入額=売掛債権+在庫(材料)-買掛債務

「なるべく多くお金が欲しい」という経営者としての本音はもちろん分かりますが、だからと言って銀行の融資担当者にそのまま伝えていいという訳ではありません。銀行側としても無計画に資金調達したがっている会社が収益を上げられるとは考えられないため、希望借入額については現実に即した金額の範囲内で決定する必要があります。

例えば建設会社が銀行融資を現実的に利用可能だとみなしやすい条件を提案することで、銀行側も融資を前向きに検討してくれる可能性はあります。その具体的な条件については以下のようなものが挙げられます。

・プロパー融資ではなく保証付融資を希望する

・短期間で返済が完了する手形貸付で交渉してみる

・赤字決算であれば制度融資の利用を検討する など

銀行としてもお金を回収できる見込みがあると判断できるだけの材料が欲しいと考えます。そのため返済不履行になり貸付金の回収ができなくなるリスクの低い方法を自ら提案することで、銀行側の会社の印象を多少なりと良い方向に持っていくことができるかもしれません。

出来高業態の会社では事業費の捻出が難しく、資金調達の方法についてある程度知識を深めておく必要があります。緊急時のつなぎ資金のみに限定する形であればノンバンクでの借入も活用することは可能なため、資金繰りが苦しいという場合には検討してみてもいいでしょう。

 

まとめ

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