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2019/08/01

建設業界に一次代理店や二次代理店ってあるの?業界地図とその実態とは

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はじめに

就職活動の際に業界研究をした経験のある方も多いかと思いますが、どの業界であっても業界地図のような構造図は存在するものです。それは建設業界であっても同様であり、一般の方々にはあまり知られていませんが建設業界はなかなかに複雑な多重構造となっています。一般的な職種の業界であれば分かりやすい業界地図の中に一次代理店や二次代理店がありますが、建設業界ではそのような代理店が存在するのでしょうか。

この記事では建設業界に一次代理店や二次代理店があるかということや、業界地図のような構造図について解説します。また記事の後半では建設業界が抱える問題点についても触れているので、これから建設業界を目指したいという方は参考にしてみてください。

 

1.一般職種の一次代理店および二次代理店の役割とは

一般職種では大本となるメーカーの他に、一次代理店や二次代理店がある場合が多くなります。ただこれが建設業界にそのまま当てはめられるかと言えば、少し微妙な部分があります。

この章ではまず一般職種における一次代理店および二次代理店の役割について解説していきます。

1-1.メーカーの役割

業界地図の中でも最も上位に来るのが、メーカーと呼ばれる生産者となります。メーカーでは商品そのものを生産する役割があり、メーカーの会社規模については特に何らかの規定がある訳ではありません。

メーカーは商品を生産することに注力するため、その商品を販売する役割を担うのはメーカーではなく、代理で取引を行う一次代理店となります。

1-2.代理店の役割

代理店と言えば上記で言ったように、メーカーの代理で販売を行う業者ととらえてもらえればまず間違いありません。代理店の種類としては一次代理店や二次代理店がありますが、一次代理店の方がメーカーにより近い立場で販売の管理を行うことになります。

また二次代理店は一次代理店の管理の下、さまざまな取り組みを通じて商品の販売数を伸ばすことだけを目指します。一次代理店は二次代理店が売上を伸ばせるようにバックアップを行うこともします。

一次代理店と二次代理店とはそれぞれの役割を明確にすることで、互いに協力し合いながら商品の販売数拡大に努めることができます。つまり利害関係の一致により協力関係が築かれているとも表現できます。

一般職種であれば、メーカーが生産した商品を一次代理店や二次代理店が販売することで、メーカーや代理店が利益を上げられる仕組みが作られています。三者がそれぞれの役割に最大限従事することで、WIN-WINの関係を築くことができます。特にどの立場だと損をするという話でもないので、あくまでも立場によってそれぞれが担う役割が違うことだけを覚えておいてもらえれば構いません。

2.建設業界の業界地図

建設業界だけでなく、どの業界でも用意されているのが業界地図と呼ばれるものです。これはいわゆる業界の内部構造を見やすくするための見取り図的な役割を果たしていますが、業界地図を見ることで各業界の現状を視覚的に把握しやすくなります。

この章では建設業界の内部構造を詳しく解説する前に、業界地図について大まかに確認しておきます。

2-1.ゼネコン

建設業とはそもそも受注された仕事を請け負うことで会社が利益を得ているため、国や地方自治体などの発注元を除いて最も上位を占めているのがゼネコンとなります。

ゼネコンは総合建設会社として工程および資材管理、現場作業員の安全管理を行いながら下位の下請け会社を取りまとめる役割を担っていきます。大林、鹿島、大成、清水、竹中の5社がスーパーゼネコンと呼ばれており、建設業界の本当の意味でのトップの座に君臨しています。2020年に東京オリンピックが控えているために起こった特需がなくなって以降も収益を上げるため、近年ではエネルギー開発など建設業以外の分野にも意欲的に取り組んで収益化を狙っています。

2-2.サブコン

ゼネコンが各種工事を請け負い各専門分野の建設会社に仕事を依頼する中で、主に電気設備や空調設備のような設備工事専門に請け負う建設会社としてサブコンがあります。

設備工事に重点を置いた工事ともなるとゼネコンではなく、発注元から直接サブコンが仕事を受注することもあるほどです。建設業界の業界地図の中でもゼネコンに次ぐ上位に位置することは間違いありません。

2-3.建設施工会社

建設物などの計画立案や設計、工事管理などを幅広く行うのが建設施工会社となります。もちろんゼネコンでも設計部門も抱えている場合がありますが、ここで言う建設施工会社とは設計を専門分野として独立している組織のことを指します。また建設設計にも意匠設計や構造設計、設備設計といった分野があり、建設施工会社は事務所の規模や得意分野がそれぞれの会社で違うことが特徴的です。

2-4.建設機械の製造会社

土木、建築工事に利用される油圧ショベルカーやトラクター、フォークリフトなどを製造している専門会社も中にはあります。自動車や精密機器同様にグローバル展開している製造会社もあり、高い品質と国際競争力を併せ持ちます。また建設機械は景気動向を反映しやすく、「景気を写す鏡」と例えられることもあります。

2-5.仮設資材専門会社

建設作業をする際には仮設足場や防音シートなどが必要になりますが、そういった資材全般をまとめて仮設資材と呼び、幅広い建設工事で利用される機会が多いものです。基本的には仮設資材の専門会社が製造から販売、レンタルやリースまで携わることが一般的です。

2-6.土木工事会社

道路やトンネル、ダムなどの建設物の基礎工事でインフラ整備や防災対策を行うのが、土木工事会社となります。この専門会社があることで現場作業員が安全に従事することができるようになり、工事現場でも重要な立ち位置を占めています。

2-7.内装工事会社

壁面および天井の塗装や、フローリング貼りなどの仕上げ工事を行う専門会社として内装工事会社があります。また商業施設のディスプレイや展示などを手がける場合もあります。

これ以外にも専門会社は数多くありますが、建設工事が受注される主な流れとしては以下のようになります。

国や地方自治体などの発注元→ゼネコン→サブコンや建設施工会社などの専門会社→現場作業員

建設工事ではさまざまな作業が生じることもあり、一つの工事でも複数の専門会社に仕事を発注するのが一般的です。また下請け会社が請け負った仕事でもさらに自社には難しいと想定される専門性の高い作業があった場合には、その下請け会社がさらに別の専門会社に仕事を発注することもあります。

そのため建設業界の業界地図を実際に作成するとなると、かなり膨大なデータが描き込まれるであろうことが想定されます。

 

3.建設業界の構造図

前章では業界地図に関連して建設業界について解説しましたが、一般職種のような構造図とはまた違った特徴を持っています。上記で触れたような一次代理店や二次代理店といった役割分担にあえて当てはめるとすれば、ゼネコンが一次代理店となり、それ以下の専門会社が二次代理店と表現することができるかもしれません。

工事そのものを発注する依頼主をメーカーと想定すればそのような構造図になると思われますが、こと建設業界に関してはあまり一般職種に当てはめられるような型枠にはめ込まない方が、業界に対する理解が進みやすいかもしれません。

4.建設業界の実態とは

2020年に東京オリンピックが控えることから、建設ラッシュと言われる特需が生まれ建設業界全体として好景気を迎えていることはまず間違いありません。ただしその特需もいずれは収束するため、業界の大手ゼネコンは建設業以外の収益源を作ろうとさまざまな分野で精力的な活動を行なっています。また世界展開を積極的に行うことで、国内での収益が見込めない場合にも海外の売上を伸ばすことで、会社全体としての収益増を実現することができる可能性があります。

特に日本国内では深刻なまでに少子高齢化が進行しており、人口が減少すれば建設業界としての需要が減少するであろうことは目に見えた事実とも言えます。そのため建設業界に就職しても将来性がないと判断され、若年層が建設業界を敬遠してしまっているのが現状です。

また若年層が建設業界を敬遠するもう一つの理由として、仕事の過酷さが挙げられます。建設業界を支える現場作業員は基本的に孫請け、もしくは日孫請けの下請け会社が中心となるため、親会社の現場監督からの指示で動くことが多くなります。そうなると納期通りに建設物が完成するよう作業を進めなければならず、諸般の致し方ない理由により作業が遅れた場合であっても、作業スピードを上げるよう要求されることが容易に想像できます。

建設業界の過酷さを物語るのがかつて報道された、現場監督の事件についてです。日々の業務に追われ自殺してしまったその現場監督は労災認定されましたが、若年層からすればまず自殺を考えるほど過酷な業界で働きたいという意欲が湧きません。

そのため建設業界では現場作業員の高齢化が問題となっています。いずれは定年退職で現場作業員そのものの絶対数が致命的に不足することが予想されるため、近年では建設業界全体でイメージアップを図っていることがうかがえます。その一環として建設業界では画期的な「週休二日制」を謳う建設会社も徐々に増えており、今後はより一層労働者にとって働きやすい職場環境が整備されることが期待されます。

 

まとめ

建設業界の構造図は多重構造となっており、さまざまな専門会社が工事完成のために日夜関わっています。またその中でも一次代理店や二次代理店のような役割を担う専門会社が明確に区分されていることで、最大限に仕事の効率化が図られています。

建設業界は確かに業務的に大変な業界ではありますが、自分の関わった仕事が形になって残ることに大きなやり甲斐や達成感を感じやすいとも言えます。建設業界で働きたいと考えている方は自分がどういった仕事に関わりたいのか、そこから突き詰めて業界研究してみるといいかもしれません。