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2019/10/31

クラウドファンディングで詐欺多発?資金調達の方法としてのリスクとは

はじめに

国内で主に利用されてきた資金調達の方法として大まかに融資と出資とがありますが、最近では新しい形の資金調達の方法としてクラウドファンディングがあります。インターネットを通じて不特定多数の支援者からお金を集められるクラウドファンディングですが、近年ではその特性を利用して詐欺に悪用されることも増えています。
この記事では資金調達の方法としてのクラウドファンディングの基礎知識と、実際に起こった詐欺事件の概要について解説します。

1.クラウドファンディングの概要

国内における資金調達の方法としては比較的新しいクラウドファンディングですが、場合によっては中小企業や個人事業主とも相性の良い資金調達の方法であることはご存知でしょうか。この章ではまず、クラウドファンディングの基本的な仕組みについて簡単に紹介しておきます。

1-1.クラウドファンディングの専門サイトとは

冒頭でも述べたように、クラウドファンディングとはインターネットを通じて資金調達する方法のことを指します。クラウドファンディング専門サイトに登録して審査に通過できたら、後は期限付きでプロジェクトを立ち上げて募集するだけです。またクラウドファンディングの専門サイトにはさまざまなジャンルのプロジェクトを取り扱うものや、あるいは特定のジャンルのみに特化したものまであります。ここでその専門サイトをいくつか紹介しておきましょう。

・CAMPFIRE
国内最大級の専門サイト。2017年には国内における購入型クラウドファンディング専門サイトとして、年間支援プロジェクト成立件数1位に輝いたこともある。
・MIRAI SHUFUND
日本酒ムーブメントに特化した専門サイト。商品企画およびブランディングだけでなく、近い将来に向けて海外に直接販売できる物流網も整備している。
・Crowd Realty
不動産に特化した投資型クラウドファンディングの専門サイト。国内では不動産のリノベーションや新規開発、収益不動産の株式化などを取り扱う一方で、海外ではクラウドファンディングの証券化および小口化を利用し、現物不動産やローン債権などの資金供給に役立てられている。
・SBIソーシャルレンディング
SBIグループが運営する融資型クラウドファンディング専門サイト。利回りが3〜10%と高く、1万円から投資できる商品も豊富。
この他にもクラウドファンディング専門サイトは多数ありますが、いずれの専門サイトを利用するかによっても資金の集まりやすさが変わるため、専門サイトについては事前に情報収集をして慎重に検討するべきでしょう。

1-2.クラウドファンディングの主な種類とは

上記の内容でも出てきましたが、クラウドファンディングでは主に6つの種類があるとされています。寄付型クラウドファンディングは中小企業の資金調達方法として利用できないのでここでは除外し、それ以外の5つの種類について以下で簡単に触れておきましょう。
融資型クラウドファンディング
事業に利用する資金調達を行いたい中小企業および個人事業主向けに、資金を貸し付けられる。融資型なので出資者からすれば、出資した金額分に金利を上乗せして返済してもらえるメリットがある。まだ実績や知名度のない中小企業でも利用可能というメリットがある一方で、希望金額が全額調達できない可能性もある。
不動産投資型クラウドファンディング
事業所を介して不動産に直接投資できる特徴があり、出資者にとっては最低1万円から低リスクで不動産投資できるというメリットがある。また利用者の場合では出資者のお金を利用して不動産取得ができるメリットがあるものの、希望通りの金額が必ずしも集まるとは限らない。
ファンド投資型クラウドファンディング
特定の事業に対して投資でき、投資者はその見返りとして配当金やリターンと呼ばれる商品およびサービスを受けることも可能。銀行からお金を借りられない中小企業でも利用可能というメリットがあり、また事業を本格的に始動させる以前から知名度を高めてファンを増やすことにも役立てられる。
株式投資型クラウドファンディング
非上場企業の株式に対して出資者を募るもので、基本的には株式投資と同様のルールで動く。利用者のデメリットとしては、不特定多数の株主が増えることで株主名簿の管理や決算情報の公開などの手間が増えることが挙げられる。
購入型クラウドファンディング
今後実現したい商品およびサービスに関するプロジェクトを立ち上げ、その資金提供を募るもの。一般的な場合では希望金額が集まり実現できたプロジェクトに関しては、出資者にリターンとしてプロジェクトで提案した商品およびサービスを提案する。利用者にとってはプロジェクトで提案した通りのリターンを用意しなければならないというデメリットはあるものの、提供された資金を返済する必要がないというメリットがある。最も一般的な種類にあたる。
クラウドファンディングでは上記のような種類があり、中小企業の資金調達として利用する場合には、どのような方法で資金調達したいかという目的に合わせて専門サイトを探すことも可能です。クラウドファンディング専門サイトを決める際にはこの種類についても併せて考慮しておくといいでしょう。

2.クラウドファンディングで実際にあった詐欺とは

ここまでクラウドファンディングの基本的な知識について紹介してきましたが、この章では次にクラウドファンディングを悪用して実際に行われた詐欺についてその一例を紹介していきます。

2-1.e祖宝

中国最大級のクラウドファンディング専門サイトであった「e祖宝」で、違法な資金調達を行った実例があります。クラウドファンディングの仕組みを利用して「e祖宝」が実際に集めた資金は約700億元(日本円で約1兆2866億円)と言われており、事実上の被害総額としては約500億元(日本円で約9190億円)にも上ったそうです。被害者になった中国全土の投資家の数は少なくとも90万人以上と想定され、中国最大級の詐欺事件としてニュースで報じられることになりました。
後から分かったことですが、「e祖宝」に登録されていたプロジェクトの約95%は偽物で、非常に悪質な自転車操業紛いの詐欺を行なっていたことが判明しています。ここで言う自転車操業とは、偽のプロジェクトで資金運用してあたかも利益が出たかのように装い、別プロジェクトで募ったお金を配当金と偽り出資者らに渡すことを指します。クラウドファンディングの専門サイトそのもので詐欺行為を働いていたため、非常に悪質な詐欺事件と言えます。

2-2.ZANO

小型ドローンのプロジェクトとして注目を集めた「ZANO」は、目標額12万5000ポンドだったところを約20倍の233万ポンド(日本円で約4億2500万円)を集めることに成功しました。しかし製品の開発が大幅に遅れ、1万5000台以上の注文に対してわずか600台しか出荷できなかったどころか、プロジェクトで提案していたよりも明らかな劣化品に出資者の苦情が相次ぎました。そして同プロジェクトの中心メンバーだった代表者が退職後任意整理してしまったことで、出資金が返済される可能性は極めて低い状態になってしまいました。
これは購入型クラウドファンディングを利用した詐欺ですが、欧米ではこのような詐欺事件が頻発していると言います。

世界規模で見るとかなり悪質な詐欺事件も多いのですが、確かに初期段階で想定していたより資金の目減りが早かった、あるいは製造工程で予期せぬトラブルが発生したなど、開発者にしか分からない苦労によりプロジェクトそのものが頓挫してしまう場合というのもあるでしょう。しかし出資者からすればプロジェクトで約束されていたリターン、あるいは返済がなかった場合には詐欺行為を働かれたと認識せざるを得ません
クラウドファンディングは中小企業や個人事業主と相性の良い資金調達の方法ではあるものの、プロジェクトを無事成功させなければ「詐欺行為を働かれた」と勘違いされやすい側面があります。その点も含めて自らが犯罪者としてバッシングされないよう、プロジェクトを立ち上げる際には実現可能性の高いものであるかどうかを今一度確認することが推奨されます。

3.クラウドファンディングを利用した詐欺の傾向とは

前章ではクラウドファンディングを実際に悪用した詐欺事件について取り上げましたが、この章では最後にクラウドファンディングを利用した詐欺の傾向について簡単に見ておきましょう。
・リターンとして謳っていた商品と別の商品を送りつける
・開催予定のないイベントの費用を調達する
・他人のアイデアを盗用する
・出資金をプロジェクトとは関係のない部分で浪費する
・資金調達が完了した途端、利用者が音信不通になる など
クラウドファンディングでは不特定多数の出資者から支援を求められるという利便性はありますが、その一方で自ら立ち上げたプロジェクトについては最後まで責任を持って完遂しなければ詐欺同然とバッシングされても仕方のない部分はあります。途中で投げ出すことは責任放棄であることを認識し、プロジェクトの出資者の応援を無駄にしないよう最大限努力することを忘れてはなりません。

まとめ

新しい資金調達の形として注目を浴びるクラウドファンディングでは、お互い顔が見えないからこそ詐欺事件に悪用されることがあります。しかしルールを守り正しく利用すれば、これほど有益な資金調達の方法もありません。
資金調達マスターでは誰でも無料で専門家の意見を聞ける、無料相談サービスを実施しています。自社の製品およびサービスがクラウドファンディングに向いているかどうか、気になる方もぜひ一度お問い合わせください。

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