銀行融資

2019/01/30

銀行融資の審査にかかる期間とその対策とは

はじめに

資金調達の方法の中でもオーソドックスな方法として知られる銀行融資ですが、銀行融資の審査が厳しく融資を受けること自体難しいこともまた周知の事実です。ただ融資を希望する側の企業としても、銀行融資の審査結果が分かるまでにどれだけの期間を要するのかは気になるところです。

この記事では銀行融資の審査にかかる期間と、銀行融資を有利に進めるための対策について解説します。会社の生命線とも言える資金調達において、銀行融資を適切に活用するためにはどのような点を意識すべきなのでしょうか。

1.銀行融資の概要

この記事を読む方の多くが銀行融資に関する知識をある程度持っているかと思いますが、銀行融資についてきちんと検討するためには正しい知識が必要です。この章では銀行融資の概要として、銀行融資とはどういった仕組みなのかを詳しく見ていきましょう。

銀行融資と一言で言っても、実際にはいくつかの種類が存在しています。それぞれの具体的な内容について以下で簡単に確認しておきます。

1-1.保証付融資

銀行もまた営利営業であるため、返済可能性の高い企業への融資を優先したいと考えています。銀行が行う企業格付けで評価の高い企業であれば話は別ですが、大抵の企業の場合では債務不履行になった際の担保を用意することで審査に通過しやすくなります。

こうした担保ありきでの融資のことを保証付融資と呼び、自社が所有する財産を差し出すというよりは信用保証協会を利用することで万が一の時の担保を用意することの方が一般的です。信用保証協会を利用するこのタイプの融資では、銀行側の審査とともに信用保証協会との連携も必要になるため1ヶ月〜1ヶ月半くらいはかかることになります。

1-2.プロパー融資

担保を要する保証付融資とは違い無担保での融資のことをプロパー融資と呼びます。プロパー融資では銀行側が債務不履行時のリスクを一手に引き受けることとなるため、銀行が優良企業であると判断できる場合以外では適用されることはまずありません。

新規融資でプロパー融資を希望するとなると一般的には3週間程度の時間を要し、既に取引実績のある企業であれば1〜2週間まで時間短縮される場合があります。

1-3.ビジネスローン

上記で挙げた種類よりも時間が短く済むとされているのがこのビジネスローンです。ビジネスローンの場合では、①や②で採用されている審査基準とはまた別のスコアリングで融資の可否が判断されます。

スコアリングの点数が合格ラインに達しており、また信用情報に事故情報がなければ概ねの企業は融資が実施されることになります。ただこの場合でも1週間はかかることを理解しておかなければなりません。

上記の内容からも分かるように、銀行融資の種類によっても審査に要する期間が異なります。そのため緊急時におけるつなぎ資金の確保には不向きとも言えます。

銀行融資の大まかな知識についておさらいしたところで、次章では銀行融資を検討するべき企業の特徴について紹介していきます。

2.銀行融資を検討するべき企業とは

銀行融資を検討する企業の一部が運転資金にさえ困窮している企業に当てはまる訳ですが、銀行側としても直近の資金繰りに困っている企業には積極的にお金を貸したいと思いません。企業が手がける事業の収益も日夜変動しているため、適切なタイミングで融資を希望することで銀行融資の審査を有利に進めやすくなります。

この章では銀行融資を検討するべき企業の特徴について、簡単にですが紹介しておきます。

2-1.創業前の企業

創業前の企業と言うと若干違和感がありますが、企業を発足する準備段階のことを言っていると思ってもらえれば結構です。この時期であれば創業資金を利用することができるのですが、この創業資金を融資してもらうためにはビジネスモデルを具体的に記載した「創業計画書」が必須となります。

例えば今後の仕入れの見込みとそれによって生じるであろう利益の見込みを算出し、今後の売り上げを概算した上で必要となる資金を明確に設定しておきます。数値的な根拠に基づきなるべく具体的に説明できるように創業計画書を仕上げることで、銀行側としても積極的に検討しやすくなります。

創業後1年以内となると、その時期に資金調達していることから「経営が上手く行っていないのではないか」と見られやすく審査が厳しくなりやすい時期とも言えます。創業前の方が見込みの数値だけで判断してもらえるため、必要資金が明確であれば創業前に銀行融資を受けられるように準備しておいた方が無難です。

2-2.決算直後の企業

1年以上経営している企業であれば、審査の際には決算書の提出が求められます。ただ経営者自身で確定申告を行なっている場合だと、決算月から半年以上経過した時期に用意する「試算表」の計算に手間取ることが考えられます。

そのため会計的な手順を少しでも省略するために、決算月から半年以内のうちに銀行融資を申請するという方法もあります。

2-3.赤字が軽度で済んでいる企業

銀行側としても再生できる可能性が極めて低い企業に対しては融資を行うことはまずありません。そのため赤字が軽度であるうちに銀行融資をすることが重要で、例えば3期連続赤字になる前や債務超過になる前に申請する必要があります。

赤字が深刻化してからでは経営を立て直すための資金調達はかなり難しいため、早めの段階で対策をとっておくことを意識するといいでしょう。

3.銀行融資が実施されるまでの期間とは

銀行融資を希望するタイミングが重要なことはもちろんですが、経営者としてもう一つ知っておいてほしいこととして銀行融資が実施されるまでの期間に関する知識です。

銀行融資の決定までに要する期間を融資の各種類で前述しましたが、融資を最終的に決済する役職が違うことでも期間が変動することはあまり知られていません。

例えば支店長による決済の場合であれば2週間程度で済みます。これは支店の規模によって支店長独自で決済できるプロパー融資の金額が決まっているためであり、この許容範囲を超える金額の場合では本部決済が必要となります。

この本部決済では支店長決済を通過した上で話が持ち上がるため、3週間程度は最低でもかかってしまいます。

前述したプロパー融資の場合では支店長か本部決済かによって、審査にかかる時間が変わることは知っておいて損はありません。どちらの決済によって融資の可否が判断されるかを銀行側が教えてくれることはありませんが、融資担当者から「審査がスムーズに進むこと」を示唆された場合には支店長決済で終わる可能性が高くなります。

ただそうは言っても銀行融資では審査にある程度まとまった時間を要することを認識した上で、時間に余裕をもって申請することが大切です。

 

4.銀行融資を有利に進める対策とは

銀行融資にある程度の時間を要することは前述してきましたが、そんな銀行融資を有利に進めるためにできることはないのでしょうか。

この章では記事のまとめとして、銀行融資を有利に進めやすくなる対策についてそれぞれ紹介していきます。

4-1.融資希望額を明確にする

経営者の本音としてお金は多ければ多い方が良いと思うことは当然ですが、それを融資担当者にまで公言してしまうのは非常にまずいです。例えばあなたが「借りられるだけ借りたい」と言ってしまうことで、融資担当者は「この企業の経営は好転しない可能性がある」として審査の条件がより厳しくなることも否めません。

提出書類の内容に基づき融資希望額が明確にするとともに、返済の実現性が確実にあることをアピールしなければなりません。

4-2.税金は滞納しない

銀行側は返済の可能性を見込める企業であるかどうかを判断する材料として、税金の支払いについても確認します。仮に税金の滞納がある企業が銀行融資を希望したとして、銀行側が真剣に融資を検討することはないと言っていいでしょう。

税金の滞納があるとたとえ融資をしたところでいずれその返済が滞るだろうとみなされるため、日頃から税金の支払いは期日までに済ませる癖をつけておく方が賢明です。

4-3.返済に充てる予定の資金の出所を明確化する

元金と利息の返済を確保することが銀行側の目的であるため、銀行融資を希望する企業には求められることは確実な返済です。毎月元金と利息の支払いができることをアピールするためには、返済に充てる予定の資金の出所を明確にしておく必要があります。事業計画書などで十分な収益があることを示し、かつキャッシュフローが良好であることを同時に説明することで融資担当者の印象を良くすることができます。

4-4.担保を用意する

その銀行との取引実績が今までになく企業としての実績もあまりない場合では、始めから担保を用意して銀行融資を希望した方が審査に通過できる可能性が上がります。例えば自社が所有する資産を担保にしてもいいですし、事業に関する重要な資産を手離すリスクを回避したいのであれば信用保証協会を利用するのも一つの方法です

信用保証協会を利用した保証付融資の場合では審査期間が長くなることはもちろんですが、信用保証協会に対して毎月支払う費用についても別途確保する必要があります。ただ銀行側としても、貸し倒れになるリスクを回避可能であると判断できる企業との取引は積極的に検討しやすいのが実情です。資金繰りに余裕がある場合にはこうした担保を用意した方が新規融資を実施してもらいやすいかもしれません

4-5.税理士から紹介してもらう

これは裏技的な方法ではありますが、税理士伝にその銀行を紹介してもらうことで融資を銀行側から持ちかけてくれることがしばしばあります。また既に取引のある経営者の方から紹介してもらう方法もあり、この場合でも同じ状況に発展する可能性があります。

銀行側は自ら融資を希望していない企業に対して融資の案内を率先して行うという特徴があるため、税理士を利用している方でそういったコネを持つ場合であれば積極的に活用していくのもいいかもしれません。

まとめ

銀行融資の審査は基本的に機械的な作業として行われないため、ある程度の時間を要するのも仕方がないことです。ただ融資担当者との面談時に審査結果の返答時期をいったん設定しておくことで、その時期に融資担当者が進捗を知らせてくれるため便利です。

審査結果が気になるからといって頻繁に問い合わせるのは印象をかえって悪くするため、注意が必要です。

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