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2018/10/31

融資とファンドの違いを徹底解説!

はじめに

会社を経営する上での資金調達の方法に悩む経営者の方も実に多いと思いますが、中にはどの資金調達の方法が良いのかという根本的な部分から悩んでいる方もいるかもしれません。
会社の資本金を全て自力で調達できれば苦労はありませんが、会社の成長のためを思うならばあえて会社関係者以外の方からお金を調達するという選択肢も検討する余地があります。

そこで今回の記事では、資金調達の方法でもある融資とファンドの違いについて解説します。実際にその方法で資金調達をする前にそれぞれのメリット・デメリットを知っておくことでどちらの方法がより自分の会社に合っているのか、事前に比較検討した上で実施することができます。会社にとっての生命線である資金調達についてより学ぶためにも、まずはこの記事でどういった特徴があるのか見ていきましょう。

1章:融資とファンドの概要とは

この章ではまず融資とファンドのそれぞれの概要について、簡単にですが解説していきます。

1ー1 ファンドの場合

ファンドと横文字で書かれていると理解しにくいと感じるかもしれませんが、ここで言うファンを日本語に訳すと「投資家からの出資=基金」となります。日本国内でも株式やFXのような金融商品に投資してお金を稼ぐ投資家が数多くいますが、ファンドの場合では投資家が出資する対象が上記の金融商品ではなく会社に切り替わるだけのことです。

もちろん投資家が会社に出資するということは何らかの利益を狙ってのことなのですが、ファンドの場合では後述する融資の場合とは違い、出資してもらったお金を返す必要がありません。これだけ聞くと投資家たちが出資するメリットがないように思えますが、実際に出資してもらった会社は以下のような権利を投資家たちに提供する必要が生じます。

①利益配当請求権
②議決権(経営権)

要はファンドで募る投資家たちも株主とほぼ同義であるため、上記のような権利が発生してきます。簡単に確認しておくと、①では会社の利益に応じた配当金を各投資家に渡す必要があります。また②では株主総会などでの議決権となるため、ファンドに関与した投資家たちは出資済みの会社の経営にも参画できることになるのです。

上場企業における会社と株主との関係性に近いと書けば聞こえはいいですが、出資してもらった金額次第では大きなデメリットが発生する可能性もあります。詳しい内容については後ほど解説するのでここでは割愛して、今度は融資の概要についても確認していきます。

1ー2 融資の場合

ファンドの場合であれば出資してもらった金額の返済義務は生じませんが、融資の場合ともなると話は別です。融資では銀行のような金融機関やノンバンクからお金を借りることになるため、もちろん返済義務が発生します。また、ご存知の通り融資では利息の支払いにメリットを見出し、金融機関などがお金を貸してくれるので、融資の場合では元本に加えて利息の返済も併せて行わなければなりません。この点については一般的な借金と同じ原理です。

また、融資の場合では信用性の観点から保証人や担保を要求されることも事前に知っておいた方がいいでしょう。これらの保証なしでお金を借りることもできますが、その場合では金利が高くつくため、場合によっては利息の返済だけで経営が圧迫されてしまいかねません。

ただし、利息の返済によって貸し手が利益を得ていることもあり、よほどの赤字経営でもない限りはそれほど経営に介入されることもまずありません。

それぞれの資金調達の方法について大まかに触れましたが、融資とファンドではお金の返済義務の有無や経営への影響力によって状況がずいぶんと違ってきます。これだけではどちらの資金調達の方法がより優れているのか分かりにくいと思うので、次章からは融資とファンドの双方でのメリット・デメリットについて見ていきます。

2章:融資とファンドのメリットとは

それでは、まず融資とファンドのメリットに着目し、それぞれの場合で確認していきましょう。

2ー1 ファンドの場合

ファンドの場合については以下のようなメリットが存在します。

①お金の返済義務がない
前章でも述べたように、ファンドはあくまでも投資家たちからの出資となります。そのため出資してもらったお金に返済義務は一切発生しないため、返済分を確保するために資金繰りが圧迫されてしまうというような事態に発展することはまずありません。

②利息が発生しない
前項の内容とも重複する部分ではありますが、ファンドではお金を出資してもらうことになるので利息についても心配する必要はありません。預かったお金はそのまま会社側の資本金として利用できるため、会社の成長に必要な部分へと自由に投資することが可能です。

③保証人や担保は不要
ファンドの場合では、会社そのものの成長性を見込んだ投資家たちからの出資を募ることになるため、融資のように保証人や担保を用意する必要はありません。ただし出資してくれた投資家たちに自社の株式を発行して別途手渡しておく必要はあります。

株式を発行するということはすなわち、自社の株式資本としてお金を預かることとイコールになります。特に起業したての中小企業ともなると資金繰りに苦労することも予想できるので、返済義務のないお金を調達できることこそファンド最大のメリットと言えるかもしれません。

2ー2 融資の場合

これに対して融資の場合では、以下のようなメリットが存在します。

①必要な金額分だけ調達できる
融資の場合では会社の経営に必要な金額を見積もり資料で提出することになるため、実際に必要とされる金額分だけを調達することができます。これだけ聞くとあまり魅力的ではないようにも思えますが、ファンドでは想定以上の金額を出資され投資家たちからの経営に関する制限が増す事態も十分考えられます。その点を考慮すれば必要最低限のお金を調達できることは、融資ならではのメリットと言えるでしょう。

②経営に関与される可能性がほぼないに等しい
融資の場合でも経営状態が危うければ返済金の確保のために関与されることもありますが、支払いさえ滞らなければ基本的には経営に関与されることはほぼありません。そのため融資の場合では経営の自由度が高い点は理解しておくに越したことはありません。

③金融機関よりは公的機関が断然お得
融資については貸し手として銀行などの金融機関の他にも公的機関がある訳ですが、同じ借金を作るのであれば公的機関を利用する方が低金利になるため断然お得なのです。ただ、対象となる制度が存在するか、審査を通過できるだけの成長性や事業展開をアピールできるかなどの問題はありますが、融資による資金調達を検討しているのであればまずはダメ元ででも公的機関から申請することをおすすめします。

以上のようなメリットがそれぞれの方法について存在していますが、メリットを知るだけでは比較検討するには不十分と言えます。次章では融資とファンドそれぞれのデメリットについて解説していきます。

3章:融資とファンドのデメリットとは

融資とファンドのどちらについても言えることですが、それぞれのメリットとデメリットを認識した上で資金調達の方法をきちんと精査する必要があります。以下では融資とファンドのデメリットについて挙げているので、併せて確認しておきましょう。

3ー1 ファンドの場合

まずファンドの場合では以下のようなデメリットが存在します。

① 経営の自由度が低くなる可能性がある
ファンドの場合では、出資してもらう代わりに議決権を渡すことになります。これは言い換えれば経営権を渡すことと同義であるため、会社の経営に出資者である投資家たちが直接関与することは事前に知っておかなければなりません。出資金額が微々たるものであればそれほど不便はないかもしれませんが、金額が多く自社資本よりも株式資本が多い場合ではさらなるデメリットが発生することも考えられます。

②最悪の場合では経営を乗っ取られることも
投資家たちの人数やその出資金額にもよりますが、場合によっては経営を乗っ取られることも十分ありえます。実際に会社の経営陣が退陣させられたり、会社の経営者がクビにされた事例もあるほどです。ファンドで資金調達する場合には議決権のことも考慮しつつ、常に経営戦略的な観点から投資家たちの出資を募る必要があります。

3ー2 融資の場合

これに対して融資の場合では、以下のようなデメリットが存在します。

①返済の義務がある
融資ではお金を借りているため、当然の話ではありますが返済の義務があります。そのため元本と利息の返済を毎月定期的に行わなければなりません。

②利息が高すぎると資金繰りを圧迫することも
毎月の返済額をなるべく低く設定していれば特に問題ありませんが、場合によっては金利が高すぎるあまり会社の資金繰りに悪影響を及ぼすことも十分考えられます。担保や保証人を用意できれば金利が下げられるという話があれば、その話に便乗することも時として必要かもしれません。

② 担保や保証人がなければ借りられない
起業して間もない会社であれば、信用性が低いと判断され担保や保証人なしでは借りられないことはよくある話です。ただ、事業展開に必要な不動産を担保にしたり自身の親族を保証人に設定してしまうと、返済が難しくなった場合に想定外のダメージを受けることにもなりかねません。保証付きで借りるにせよ、会社や自分にとってなるべく負担の少ない方法を選択する必要はあります。

融資とファンドのデメリットについては想定内のものばかりという印象ですが、軽視したまま資金調達してしまうと後々になって自らの首を絞めるような事態に発展しないとも限りません。特にファンドでは経営の視野が狭まり制限を設けられかねない点が、融資では毎月の返済に追われて会社の経営さえ傾いてしまいかねない点がリスクとして挙げられます。

ここまでは融資とファンドそれぞれに関するメリット・デメリットについて解説してきましたが、実際に資金調達の方法としてどちらの優先順位が高いのでしょうか。次章ではその点について簡単にですが補足しておきます。

4章:中小企業はどちらを優先すべきか

この記事を読んでいる方の多くが、恐らくは中小企業の経営者の方かと思います。その点を踏まえて優先順位について確認すると、ファンドよりは融資の方をまず優先すべきです。

ファンドの場合では確かにお金の返済義務はありませんが、出資者の金額次第では議決権が多く手渡される結果となり、自分自身で思い描くような経営ができなくなる要因にもなりかねません。株式上場についても同様のことが言える訳ですが、自社資本以上の資金調達ができるにも関わらずあえて上場せずに会社を成長させているところもあります。

その理由の一端には、株式上場してしまうと株主たちの意向に沿う経営が求められるため、経営者が望む形での攻めの経営戦略がとれなくなる点が含まれます。同じようにファンドの場合でも成長のために必要な手順だと自分自身は思っていても、投資家たちの同意を得られなければその経営方針は実現さえできません。また自社資本以上の出資金を積まれてしまったら、実質的に経営を乗っ取られることも覚悟しなければならないのです。会社を奪われてしまっては本末転倒です。

そのような危ない橋を渡るくらいなら、なるべく金利の低い融資を受けた方がよほど自由度の高い経営を心がけることができます。無理のない範囲で毎月の返済額を設定して、かつ資金繰りに余裕を持たせた状態で経営していれば、貸し手である金融機関などから制約をかけられる心配もありません。また、金融機関の場合であればメインバンクとして取引を長期的に継続することで信頼関係が生まれ、いざという時に融通をきかせてくれるようになります。

会社の経営では長期的にお金を必要とするため、融資のように安定的に頼りにできる資金調達の方法をあらかじめ選択しておくことが望まれます。ただ毎月の返済が困難にならないよう、会社のキャッシュフローを厳密に把握しておくことは必須であるかもしれません。

まとめ

この記事では融資を優先すべきだと書きましたが、一概にファンドが劣っているという訳でもありません。新事業を展開する会社であればベンチャーキャピタルの利用も視野に入れられますし、会社の経営に詳しい投資家が味方についてくれれば経営的な部分でのサポートを受けることもできます。

メリットとデメリットを理解しても、いざ決断するとなると足踏みしてしまう方も多いでしょう。独断に不安がある、専門家の意見を聞きたい方は、ぜひ資金調達マスターの無料相談サービスをご利用ください。 

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