借り入れ

2018/11/30

デット・ファイナンスとは

資金調達でお困りの方!
様々な資金調達方法をご用意してお手伝い致します。
↓↓↓↓まずは無料相談↓↓↓↓

無料で相談する

はじめに

会社の経営者であればある程度は資金調達の方法をご存知かもしれません。ただ漠然とした知識で覚えておくよりはしっかりと身につけることで、メリットやデメリットも踏まえて十分に検討しやすくなります。
今回の記事ではデット・ファイナンスについて解説します。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、会社経営にはかかせない資金調達の方法として知っておいて損はありません。資金調達の方法についていざという時に困らないように、この記事で一緒に勉強しておきましょう。

1.デット・ファイナンスの概要

この章ではまずデット・ファイナンスとはどういったものであるかについて解説していきます。

デット・ファイナンスのデットとは「債務」を意味しています。つまりデット・ファイナンスとは債務によって資金調達する方法のことを指します。よく引き合いに出される言葉として「エクイティ・ファイナンス」というものがありますが、これは新株を利用した資金調達の方法のことを総称しています。
デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスとでは資金調達の方法が違うため、それぞれの場合でメリットやデメリットも大幅に違ってきます。その違いについては以降で詳しく解説します。

デット・ファイナンスについては借り入れもしくは融資といった具体例で覚えておくといいでしょう。

次章ではデット・ファイナンスの種類について解説していきます。

2.デット・ファイナンスの種類

デット・ファイナンスはあくまでも総称であり、実際には4種類の方法によって資金調達することができます。以下で詳しく見ていきましょう。

2-1.銀行借り入れ

一般的に債務と聞くと銀行借り入れを思い浮かべる方が多いことでしょう。銀行からの融資にも色々と種類がありますが、総じて銀行では融資商品という括りで取り扱われています。

2-2.シンジゲートローン

シンジゲートローンは通常の銀行借り入れとは違い、一社に対して複数の金融機関が協力する形で資金を提供するものとなります。この特徴から「協調融資」とも呼ばれ、取りまとめ役の金融機関を中心として、各銀行の利益や金利を調整した上で融資が開始されます。
特に高額の融資では一つの金融機関だけだと貸し倒れのリスクが高くなりますが、シンジゲートローンであればリスクの分散にも役立ちます。

2-3.私募債発行

次項と同じく社債の一種であるものの、50未満の人間に発行するタイプの社債を私募債と呼びます。小規模な単位の社債ととらえられており、特にベンチャー企業における資金調達の方法として利用されることがあります。
私募債であれば社債管理会社が不要である他にも、税務上や金融機関での借り入れで有利だったりと私募債ならではのメリットがあります。利率は通常の借り入れ同様に損金として勘定できる他、発行の手続きも簡単に済ませられます。

2-4.社債発行

私募債よりも大規模な社債ではいくつか種類があり、具体的には以下のようなものがあります。

①普通社債
国債よりも金利が高く、購入者にもメリットのある社債

②劣後社債
会社が破産もしくは解散した時に、元利金の返済が最後になることを条件に発行する社債。自己資本に近しい性質を持つ

③永久債
償還期限の定めがなく、投資家が元本の償還を要求できないとされる社債。会社が存続する限りは利息だけが支払われ続ける

④新株予約権付社債
発行元である会社の新株を、一定の条件で購入できる権利が付与された社債

デット・ファイナンスにはこれら4種類の方法があることを大まかに確認したところで、次章ではデット・ファイナンスのメリットについて解説していきます。

3.デット・ファイナンスのメリット

負債を増やす形で資金調達するデット・ファイナンスですが、前述のエクイティ・ファイナンスにはないメリットもあります。この章ではデット・ファイナンスのメリットについて順に紹介します。

3-1.自由な経営ができる

エクイティ・ファイナンスでは株式の発行により議決権が渡り、場合によっては自由な経営を阻害されることも十分考えられます。その点デット・ファイナンスであれば、返済だけしっかりとしていれば経営に余計な口出しをされることはありません。

3-2.節税効果がある

債務である以上は元金や利息の返済は必須ですが、返済に充てたお金は「損金」として勘定することができます。損金として勘定に加わったお金については課税対象から除外されるため、一定の節税効果があります。

3-3.銀行との取引実績が作れる

デット・ファイナンスでも銀行借り入れの場合であれば、金額にかかわらず銀行との取引実績が作れます。銀行との取引実績を着実に作っていければ、すぐには無理でもゆくゆくはより高額での借り入れができるかもしれません。

デット・ファイナンスを利用することでこれらのメリットを受けることができますが、もちろんデメリットもいくつか存在します。次章ではデット・ファイナンスのデメリットについて解説していきます。

4.デット・ファイナンスのデメリット

またデット・ファイナンスのデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

4-1.負債として貸借対照表に記録される

デット・ファイナンスはあくまでも負債であるため、貸借対照表では「負債」として記録されることになります。負債の記録が増えればその分銀行の融資審査で不利になる可能性が高くなるため、その点は注意しておかなければなりません。

4-2.返済義務がある

負債である以上、デット・ファイナンスで資金調達した場合には返済義務が発生します。返済義務があるということは会社の資金繰りとして、月々の返済についても考慮しながらお金の収支を意識しておく必要があります。

4-3.利息が発生する

また債務の返済で忘れてはならないのが利息の返済です。金利の設定次第では元金の返済に加えての利息の支払いが、ひいては会社の資金繰りを圧迫する恐れもあります。業績が不調である場合に限っては会社が傾くリスクもあるので、その点はよく検討してからデット・ファイナンスの利用を検討した方がいいでしょう。

4-4.自己資本比率は下がる

負債が増える以上は当然の話ですが、自己資本比率は必然的に下がってしまいます。自己資本比率は金融機関からの融資審査の際に見られるため、自己資本比率があまりに低い状態だと審査落ちさせられる可能性が高くなります。
デット・ファイナンスではこれらのデメリットがあり、実施を検討する際にはメリットとデメリットの双方をよく理解しておかなければなりません。

ここまではデット・ファイナンスの内容をメインに取り上げましたが、次章では比較材料としてエクイティ・ファイナンスのメリットやデメリットを紹介していきます。

5.エクイティ・ファイナンスとの比較

上記の内容でもエクイティ・ファイナンスについて取り上げていましたが、この章では最後にデット・ファイナンスと比較する意味でエクイティ・ファイナンスについて解説します。

5-1.エクイティ・ファイナンスのメリット

エクイティ・ファイナンスは新株発行を利用した資金調達の方法であることは前述しましたが、具体的には以下のようなメリットがあります。

①貸借対照表では「資金」として記録される
エクイティ・ファイナンスの場合では、貸借対照表で「資金」として記録されます。これにより財務体制の改善を図ることもできます。

②返済義務はない
エクイティ・ファイナンスで集めた資金はあくまでも株主資本であるため、その資金の返済義務はありません。返済義務がないということはその分資金繰りにも余裕が出るため、利益が出ればその分を自社への投資に充てることができます。

③自己資本比率が上がる
エクイティ・ファイナンスでは債務が増える訳ではないので、自己資本比率が上がります。自己資本比率が高いと資金繰りが上手な会社として評価が高くなり、融資審査の際に有利です。

デット・ファイナンスのように負債として資金調達しない点が、エクイティ・ファイナンスのメリットとしては挙げられます。また株主資本として資金を調達できるため、自己資本比率が上がる点も魅力的です。

5-2.エクイティ・ファイナンスのデメリット

対するデメリットとしては以下のようなものがあります。

①自由な経営ができない
エクイティ・ファイナンスでは議決権を持った株主が増えるため、時には自分が思うような経営ができなくなることがあります。また持ち株比率次第では、経営権を掌握されるリスクが高くなります。

②配当金が高くなる
エクイティ・ファイナンスでは発行済み株式数が増えるため、配当金がその分高くなってしまいます。いくら利益が出ても配当金が高くなれば自社の資金に充てられるお金が減るため、場合によってはデメリットになる可能性があります。

③将来への影響が予測しにくい
株主たちが議決権を持っている以上、会社の経営は株主次第という他ありません。そのため各株主がどういった影響を及ぼすのかは事前に予測しにくく、実際に新株を発行して初めてその影響力が確認できることになります。

新株の発行によりデメリットが生じてしまうのがエクイティ・ファイナンスの特徴とも言えます。メリットとデメリットの双方を比較してどちらの資金調達がより優れているとは一概には言えませんが、自社の経営状態に合わせて検討することをおすすめします。

まとめ

負債が増えることは大きなデメリットですが、経営者の思い通りに自由な経営ができることが一番のメリットと言えるでしょう。ただしデット・ファイナンスによる資金調達は一度に複数の金融機関などで実施してしまうと、自己資本比率が下がったり会社の評価が悪くなったりといった大きなデメリットへと発展してしまいます。
エクイティ・ファイナンスを実施することでのデメリットを回避したいのであれば、少額でのデット・ファイナンスによる資金調達から試してみても悪くはありません。