借り入れ

2019/12/04

ヤミ金と混同されがちなサラ金とは?そのメリットや注意点を紹介

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はじめに

若い方の中には「サラ金」という言葉にあまり聞き覚えのない方もいるはずです。昨今ではその名前ではなく別の名前で呼ばれているため、サラ金のことを指しているのにただ気付いていないだけという方も多いかもしれません。しかし実際にはサラ金を利用している方の割合も高く、あなた自身も気付いていないだけですでに利用しているかもしれません。
この記事ではそんな若い世代の方にとってあまり聞き覚えのないサラ金の、メリットや注意点、思わぬ落とし穴などについて解説します。

1.サラ金の概要

サラ金の具体的な解説に移る前に、この章ではまずサラ金の基礎知識としてその概要を紹介しておきます。

1-1.サラ金の複数ある呼び名とは

そもそもサラ金とは「サラリーマン金融」の略称であり、個人向けの小口融資のことを指します。その始まりは1929年までさかのぼりますが、当時からサラリーマンを中心に利用していたこともありそのような名前になりました。また街中に営業所が点在していたことから、サラ金は「街金」とも呼ばれていました。
ただサラ金という呼び方ではヤミ金と混同されることも多かったことから、今では「消費者金融」とその名称が改められています。テレビのCMで見かけるようなアコムやレイクなどのような大手はもちろん、中小規模までその規模はさまざまです。
この記事では便宜上サラ金と記載しますが、サラ金と消費者金融は同一のものを指すということをひとまず覚えておいてください。

1-2.サラ金とヤミ金の違いとは

ヤミ金と混同されないよう今では消費者金融と呼ばれるようになったサラ金ですが、その大きな違いは法令遵守しているかどうかという点にあります。
ヤミ金の場合では法令遵守していないため、違法な利息が設定されることもあれば、利用者の生活さえ脅かすような取り立てを行うこともあります。つまりヤミ金では基本的に暴力団とのつながりを持つことが多いことから、そのような法外なやり方で融資をしていることが多いのです。
その一方でサラ金では法令遵守しているため、違法な利息設定や取り立てもありません

1-3.総量規制がある

サラ金をこれまで利用したことのない方であれば、無制限でお金を貸してもらえると勘違いしている方もいるかもしれません。しかし実際には総量規制があるため、限度額として年収の1/3までしかお金を借りられないのです。年収の1/3以上の金額を希望したところで、どのサラ金会社でもお金を貸してもらえないのでその点は要注意です。

1-4.利息に上限がある

一般的なサラ金の場合では法令遵守しており、基本的には利息に上限が設定されています。最高でも18%程度であり、それ以上の年率が発生することはまずありません。仮にサラ金でお金を借りたのに年率20%以上ということがあれば、それはサラ金と偽ったヤミ金の可能性が非常に高いです

2.サラ金のメリットとは

サラ金の基礎知識について大まかに確認したところで、この章では次にサラ金を利用するメリットについて順に解説していきます。

2-1.審査が速い

サラ金業界の大手にもなると利便性の高さを売りにしているため、審査が速い業者が多いです。直近でどうしてもお金が要りようになったという場合でも対応しやすいのは最大のメリットと言えるでしょう。

2-2.初めての契約なら無利息期間がある

サラ金を初めて利用する場合に限り、借り始めてからしばらくのうちは無利息期間が設けられていることがあります。多くの場合は30日間ですが、この無利息期間のうちに返済できれば利息分の支払いをする必要がありません。

2-3.土日祝も審査してもらえる

一部のサラ金業者に限り、土日祝も審査をしてもらえる場合があります。銀行の窓口と言えば平日のみの営業しかやっていませんが、サラ金では働く方を対象にお金を貸しているためその点が配慮されています。

3.サラ金の注意点とは

利用者にとって嬉しいメリットも多いサラ金ですが、利用するにあたって事前に知っておきたい注意点というのもいくつかあります。この章では次に、サラ金を利用する際の注意点について順に解説しておきましょう。

3-1.審査で落ちる場合もある

サラ金と言えば審査のハードルが低いという印象がありますが、だからと言って誰でも利用できる訳ではありません。他行からの借り入れが複数あるなどの返済不履行のリスクが高い方については、審査で落とされる可能性も十分考えられます

3-2.生活保護を受けていると利用できない

日常的な生活を送ることさえ金銭的に難しい場合には、国からの支援制度として生活保護費を受給することができます。最低限度の生活を守るために生活保護費が支給されているのですが、この生活保護費を受給している期間についてはサラ金からお金を借りることができません
これはつまりサラ金でお金を借りる目的が必ずしも生活費のためとは限らず、利用者によってはギャンブル目的である可能性もゼロとは言い切れないからです。仮に生活保護費を受給しているにもかかわらずその事実を伏せてサラ金を利用した場合、生活保護費の不正受給および詐欺罪が適用される可能性があります。

3-3.サラ金の利用中に生活保護を利用できない

前述した内容だけを見ると、中には「サラ金を借りてから生活保護を受ければいけるんじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。しかし実際には、サラ金を借りた後から生活保護費を受給することもできなくなっています。この場合についても、生活保護費を受給している事実を伏せてサラ金を利用する場合と同様の刑罰が適用されかねません。

4.サラ金の思わぬ落とし穴とは

ここまでサラ金を利用するメリットやその注意点について前述しましたが、サラ金はその利便性の高さから日本人のおよそ9人に1人が利用しているとも言われています。しかしサラ金を利用しすぎると思わぬ落とし穴にはまることがあります。その落とし穴とはつまり、多重債務者になるリスクが高いということです。
サラ金を利用する方が多重債務者にまでなってしまう原因はさまざまありますが、やはりその利便性の高さが原因になることが多いです。

4-1.審査基準が緩い

サラ金の場合では利用者の審査基準が緩いこともあり、よほどの問題を抱える方でもない限りはお金を借りることができます。ただしサラ金の場合では審査基準が緩い代わりに、設定利息が割高になっています。高額を借りれば借りるほどその返済期間は長くなり、余分な出費をいつまでも支払い続けなければなりません。

4-2.融資までのスピードが速い

またサラ金の場合では審査から融資までのスピードが速いため、お金を前借りする感覚で利用することもできます。まるでATMから自分のお金を下ろしているような感覚で利用できるため、借金をしているという感覚が芽生えにくいのもあるかもしれません。

4-3.返済金額が低額になっている

サラ金を利用した方の場合では、基本的に月々の返済金額を安く設定することが多くなります。ただし返済金額の下限額に近いほど元金に戻る割合が少なくなり、結果的には返済期間を間延びさせる原因にもなりかねません。

4-4.返済のために別のサラ金を利用してしまう

一般的には何らかの理由によりサラ金を少額から利用している方が多数を占めますが、中にはサラ金の返済に充てるために別のサラ金を利用してしまう方もいます。こうなると自ら多重債務者への道を歩んでいくことになる訳ですが、融資額にも当然限度があります。そのためサラ金からの借り入れ金額だけで完済することは無理なため、遅かれ早かれ返済用のそのサラ金さえ利用できなくなってしまうのです

サラ金は銀行のように直接窓口に行かなくてもお金を借りられる分、お金を借りている感覚が薄れていく傾向にあります。そのため自分自身で意識して返済スケジュールを立てなければならず、それができなければ気付かないうちに多重債務者の落とし穴にはまってしまうこともあるかもしれないので要注意です。

5.サラ金を賢く利用するために

前章ではサラ金のリスクについて解説しましたが、この章では最後にサラ金を賢く利用するための方法についていくつか紹介しておきます。

5-1.月々の返済額を増額する

生活費をある程度確保する名目から、月々の返済額を下限額ギリギリに設定している方というのも一定数います。ただあまりにも少額すぎると前述したように元金への戻りが悪いため、可能な範囲で月々の返済額を増額すると返済期間の短縮にもつながります

5-2.短期間で返済できる金額だけ借りる

サラ金の場合ではお金が必要なタイミングですぐに融資してもらえるというメリットはありますが、だからと言って使い過ぎは厳禁です。上限額まで借りてしまうと後々の返済で苦労を強いられるので、利用する際には短期間で返済できる金額分だけ借りるというのも一つの方法です。

5-3.サラ金業者を一社だけに絞る

サラ金業者を複数利用してしまうと多重債務者になり生活さえ困難になりかねないので、まずはサラ金業者を一社だけに絞り利用するのが無難です。ただし中小規模のサラ金業者だと、大手よりも利息がさらに割高に設定されている場合もないとは言い切れません。一社のみに絞って利用するならなおさら、大手サラ金業者を選んでおくと返済面でも少なからずメリットがあるはずです

まとめ

一昔前のサラ金のCMでは、「ご利用は計画的に」というフレーズが使われることもしばしばありました。サラ金の場合ではお金を借りやすい反面、気軽に利用した結果として気付いた時には上限額まで借りてしまっていたということも実際にあるほどです。
利便性が高いことからつい忘れてしまいがちですが、サラ金もまた借金であることに変わりありません。実際に利用する際には収支のバランスを考慮しつつ、なるべく早く返済を終わらせることで余分な出費を防ぐことができます。