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2019/08/30

オリンピック後の不動産価格は暴落する?その真偽を徹底解説!

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はじめに

2020年に東京オリンピックを控えた現在、不動産市場ではオリンピック後の不動産価値に関する憶測が飛び交っています。中でも注目すべきは、「オリンピック後の不動産価格は暴落する」というものです。現在はオリンピックによる特需が生まれ都市部では史上空前の建設ラッシュを迎えているとされますが、実際にオリンピックの終了と同時に不動産価格は一気に暴落してしまうのでしょうか。またその根拠としてはどのようなものがあるのでしょうか。

この記事ではオリンピック後に不動産価格が暴落すると噂される根拠と、その真偽について徹底的に掘り下げます。

1.不動産価格をめぐる市場の動きとは

東京都で史上2回目となるオリンピックの開催が予定されており、国内ではオリンピックに関するCMが盛んに放送されるようになりました。またオリンピックの開催中は海外から外国人観光客の大量流入が見込まれ、観光業界ではインバウンド需要がさらに強まることが見込まれています。

都心部では外国人観光客が宿泊する施設が不足していることを受け、民泊やホテル、マンションなどの建設工事がとりわけ多くなっています。オリンピック開催までの間は都心部の不動産価格が高騰することが予想されており、現時点ですでに価格の高騰が始まりつつあります。

そしてタワーマンションブームの後押しもあり、都内の湾岸部ではタワーマンションが次々と建設されることになりました。そんなタワーマンションを相続税の値上がり対策として購入する方もいれば、将来の値上がり益を見込んで事前に購入しておく外国人投資家もいました。2020年に向けて新築マンションが値上がりすることはもちろん、都内に建てられた中古マンションも併せて値上がりしたために、都内の一部地域(千代田区、墨田区、練馬区、世田谷区、板橋区)では不動産価格の高騰が顕著に見られます。

つまりオリンピック開催による特需だけで不動産価格が高騰している訳ではなく、以下のような要因が複数絡み合い現在の状況に発展したと考えることができます。

 

・アベノミクス効果

・タワーマンションによる節税対策

・外国人投資家の値上がり益狙いの購入

 

もちろんマイナス金利導入による低金利の影響も大いにあったはずです。これらの要因により現在の不動産価格の高騰が起こったとすると、特需がなくなるオリンピック後には不動産価格が暴落してしまうのでしょうか。

 

2.不動産価格が暴落する根拠とは

ここで不動産価格が暴落する根拠として噂される声のいくつかを、以下で確認してみましょう。

 

・2020年の省エネ基準厳格化により、基準以下の中古物件が市場に多く出回るため

・外国人投資家のマンション購入がオリンピック開催までと予想されるため、今後空室が増えるため

・国内の少子高齢化が深刻化して、購入者の総数自体が減少の一途を辿るため

・消費税の増税により、不動産を購入する人が減ると予想されるため

 

上記の内容を見ても分かるように、オリンピック後に不動産価格が暴落すると言われる根拠はそのどれもが概ね理解できるものです。少子高齢化に関してはオリンピック開催決定以前からの話ではありますし、消費税についても今年10月から増税されるのでオリンピックと直接関係する根拠と言えない部分はあります。

ただし不動産投資家と非不動産投資家に回答を求めたアンケートでは、不動産投資家の多くがオリンピック後に不動産価格が下落すると思っていないという結果も出ています。その根拠についてはまた後ほど触れるのでここでは割愛します。

3.オリンピックが開催地域に与える影響力とは

世間の一部でオリンピック後には不動産価格が暴落するという声が上がる根拠は、過去オリンピックが開催された地域におけるオリンピック前後の景気の変動が実際にあったことに基づくものと考えられます。しかしここにはある勘違いも含まれており、全ての開催地域でその影響が顕著に現れた訳ではありませんでした。

例えば先進国ほど経済規模が大きくない国や新興国で開催された場合には、オリンピックの開催前後で景気が上下に変動したことが過去の数値上からも読み取れます。また景気の波に連動した形で不動産価格にも上下動が見られたのです。しかしその一方で先進国のように経済規模の大きな国では、オリンピックの開催前後で景気がそれほど変動することもなければ、不動産価格がつられて上下動することもなかったとされています。

1964年当時の日本はまさしく新興国として発展途上にあったため、オリンピックの開催前後で顕著に影響を受けていました。しかし今や先進国の仲間入りを果たしており、その経済規模も64年当時とは比べるまでもないほどに発展しています。そのため記念すべき1回目の東京オリンピック開催時のような、景気や不動産価格の上下動はあまり見られないのではないかというのが識者の見解であるようです。

それを証明する根拠として、2012年のロンドンオリンピック開催後にイギリス政府は、「ロンドンオリンピックが不動産市場に与えた影響はなかった」という旨のレポートまで発表しています。ここまでの内容からも、オリンピック開催後に起こるとされる不動産価格の暴落という噂についてはそれほど重要視しなくてもいいことが見込まれます。

4.不動産価格が暴落しないとする根拠とは

ここまでの内容でも不動産価格が暴落すると考えられる根拠について紹介しましたが、ここで改めて不動産価格が暴落しないとする根拠についても紹介しておきましょう。

・人口の流入はオリンピック後も変わらず、東京一極集中となり不動産は引き続き必要になるため

・立地条件が良ければ不動産価格が暴落することもなく、有限の土地を取り合う構図は変わらないため

・地方都市の不動産価格はどうであれ、都心部の不動産価格は一時的な下落はあってもすぐに回復するため

東京オリンピックの開催後に不動産価格が暴落しないとする根拠としては、国内の首都である東京に人口が一極集中することに基づくものであることが分かります。確かに東京には進学や就職のために上京する若者が多く集まります。空き家問題についても地方都市の方がよほど深刻化していますし、東京都内に人口が流入しやすい傾向がある以上は、都内の優良物件についてだけ言えば今後とも需要は一定数あると見込めます。

そしてオリンピック開催後には外国人観光客が居住者として都内に落ち着くことも予想され、東京都内だけで言えば人口減少による不動産市場への影響は比較的少ないと考えられるでしょう。

5.中長期的な不動産価格の予想推移とは

オリンピック開催後の不動産価格の暴落については根拠のない噂と言い切れることではありますが、中長期的な目線で不動産価格について見た時には話が変わってきます。ここで今後不動産市場に影響を与えるであろう二つの要因について、順に確認しておきましょう。

5-1.生産緑地法が2022年に満期を迎える

1970年代に制定された「生産緑地法」とは都市部の農家に宅地転用してもらう狙いで、「生産緑地」と指定された土地に限り農地における建設物の新築や改築などを法律上で認めることを定義したものです。1992年に改正された際には、固定資産税の課税を向こう30年間は農地並みに軽減することをも取り決めていたのです。

それが2022年には満期を迎えるにあたり、生産緑地としてかつて指定された土地が住宅用として不動産市場に相当数出ることがすでに見込まれています。空き家問題が深刻化している現状でさらに生産緑地だった土地が大量投入されることを考えれば、それにより不動産市場が低迷することは容易に想像がつきます。

5-2.消費税が10%に増税される

不動産価格が暴落する理由として消費税が10%に増税されることについても触れましたが、この消費税の増税により不動産市場が冷え込む可能性は十分考えられます。

例えばこれまでは消費税が8%であったため、10,000円の買い物をすれば800円の消費税が課税されていました。キリの良い数字であれば計算もしやすいですが、税別の金額が1円の桁まで細かくなるといくら課税されているか分かりにくく、わざわざ計算してまで求めようという気にならない方も多かったのではないでしょうか。

しかし10月1日から消費税が10%に増税されれば、10,000円の買い物をすれば1,000円の消費税が課税されることになります。そしてたとえキリの悪い価格であったとしても、10%の消費税を計算すること自体はそれほど苦ではありません。実際に税率が計算しやすい数字に変わることで、特に女性の場合での買い控えが顕著になることが予想されています。

これら二つの要因を考慮しても、不動産市場が不況に陥ることは目に見えています。さすがにバブル崩壊時ほどの大暴落はないにせよ、中長期的な目線を持てば不動産価格の下落は地方都市だけでなく東京都内でも起こりうるものと言えるでしょう。

ただし2012年から不動産市場は活況に突入していますが、日本の不動産市場は「7年サイクル」で活況と不況を繰り返しているという一説もあります。オリンピック開催後の不動産価格の暴落はありえないにせよ、時間的な問題から今後徐々に下落し始めてもおかしくはないはずです。不動産市場に限らずいずれの市場も上下動を繰り返しながら変動していくため、それがオリンピック開催を契機として下落に転じるかどうかという話ではあります。

まとめ

今年の10月には消費税が増税され、2022年には生産緑地法が満期を迎えます。不動産市場にどれほどの影響が出るかは現状予想するしかありませんが、不動産市場が冷え込むことで不動産価格が下落して結果的に物件購入しやすい状況になる可能性はあります。

ただそうした状況であっても市場の動きに合わせて投資できるよう、投資家の方であれば今からまとまった額の現預金をキープしておくことで、いざという時に素早く行動に移すことができるはずです。