・借金を減らすには…
こんにちは。私達が日々暮らす中で、住む場所を借りたり、食べ物を買ったり、いろいろなサービスを利用したりと、常にお金が必要です。そのお金は毎日働くことで手に入れることができます。毎日の暮らしに必要なお金を、仕事で稼いだ中から出すことができれば何も問題はありません。
ただ、急な出費など、手元にお金がないけれど、どうしても今お金が必要ということは起こります。そういう時にお金を借りられると、その場をしのぐことができます。
借りたお金は、収入から支出を引いた残りのお金から返すことができれば、これも問題はありません。場合によっては、欲しいものを今すぐ手に入れ、その支払を将来に先送りすることに大きなメリットがあります。
ただ、借金は古今東西問わず、人を悩ます大きな要因となってきました。
借金が返せなくなる理由は主に2つあります。1つは支出が収入を上回っていること。
稼いだお金より使うお金が多ければ借金は増えつづけます。もう1つは借金には利息がかかること。借りて使った以上のお金を返さなくてはいけないということです。
複利といって利息自体にもさらに利息がかかりますので、借りた金額が大きければ利息が利息を生み、借金を返すために借金をして、何も買っていないのに勝手にお金が出ていく状態になります。
月々の利息の金額が、収入から支出を引いて残る金額を超えると、もう通常の方法では借金を返すことができなくなります。
ここでは、借金を減らす方法についてまとめていきます。
借金を減らすには
債務整理という手段
借金を減らす方法に、債務整理というものがあります。
債務というのは借金のことなので、債務整理とは借金を整理するということです。
整理するといいますが、借金が膨らみすぎて通常の返済が不可能になったので、別の手段をとる、ということです。場合によっては借金を減らしたり、なくしたりすることができます。もちろん法律にしたがった合法の手段です。
具体的には、(1)過払い金の請求、(2)個人再生、(3)任意整理、(4)特定調停、(5)自己破産、があります。一つ一つ見ていきましょう。
(1)過払い金の請求
過払い金の請求ですが、CMでもよく見ますね。
では、過払い金とはなんでしょうか?過払い金は、法律上借入金の返済は終わったのに返済を続けたため払いすぎたお金のことです。なぜこんなことが起こるかというと、かつてグレーゾーン金利というものがあったからです。お金を借りると利息がつきますが、どれくらい利息をつけていいかは法律で決まっています。利息に関する法律に利息制限法と出資法の2つがあります。
本来利息は利息制限法内に設定されるべきでしたが、利息制限法には罰則がないため、実際は利息制限法を超える利息が設定されていました。
出資法は利息制限法より高い利息を認めていましたが、この出資法を超えると刑事罰を受ける恐れがありました。ですから、金融業者は利息制限法以上で出資法未満の利息を設定していたのです。これがグレーゾーン金利です。
このグレーゾーン金利によって払いすぎていたお金の返還を求めるのが過払い金請求です。
過払い金請求で気をつけるべき点は、時効があることです。
ある金融業者に返済が終わってから10年で時効になります。また、過払い金があることは金融業者から教えてくれることはない、ということです。自分で調べて請求しなくてはなりません。
ただ、借金に追われていると、金策に追われたりして心身ともに余裕がないことが多いです。そういう時は、弁護士や司法書士に依頼するのがいいでしょう。
金融機関との契約書等がなくても調べてくれます。費用も、過払い金があったときだけ、返還されたお金の中から支払えばすむところが多いため、お金の持ち出しはありません。ダメ元で依頼するのがもっともコストのかからない借金を減らす方法です。
(2)個人再生
(2)個人再生は、裁判所を通じて借金を減らす手続きをする債務整理の手段です。
借金を大幅に減らすことが可能で、マイホームを残すこともできます。原則として借金が5分の1になり、その5分の1を3年から5年をかけて返済していくことになります。
とてもいい制度ですが、過払い金請求のように誰でも簡単に利用できる手段ではありません。
まず、誰が使えるか、ですが、借金の総額が5000万円以下で、将来も継続的に収入がある人が対象になります。これは会社から給料をもらっている人だけではなく、個人事業主や事業を営んでいる人も対象です。
次に、裁判所を通した手続きになるので、時間と費用がかかります。ただ、専門家に依頼して費用がかかるとしても、借金がかなり減ることを考えるとメリットが大きいです。ただ、最も大きなデメリットとして、この個人再生はあくまで申請をした個人に対する借金が減らされるだけです。ですから、親族や友人に連帯保証人になってもらっている場合、その連帯保証人には借金返済の義務は残ります。連帯保証人に取り立てが行くことになります。お金の悩みを軽くすることはできますが、場合によっては人間関係が壊れることもあります。
(3)任意整理
任意整理は、返済期間を延ばしたり、利息を安くすることで、借金を減らす手段です。(1)の過払い金請求と同時に行うこともできます。
いろいろなところからお金を借りている場合、借金額より過払い金が大きいところは過払い金請求をして、借金額が過払い金より大きいところは、過払い金分を相殺して、残りの借金の返済方法を交渉することになります。また、過払い金のない金融業者にたいしては、返済方法を軽くする交渉のみで、借金そのものが減るわけではありません。
任意整理は、通常では借金を返すのは難しいけど、返済条件をゆるくしてもらえば何とか返せる人に向いています。
もしくは(2)個人再生を取りたくない人です。
個人再生との違いは、任意整理は裁判所を通さず、金融業者との直接交渉になるので、基本的にほかの人に知られることはありません。借金を免除するわけではないので、連帯保証人にだけ負担をかけることもありません。
通常、個人の任意整理に応じてくれる金融業者はないようです。ですから、任意整理を選ぶ時は、弁護士等の専門家に依頼する必要があります。
(4)特定調停
特定調停は、裁判所で調停委員に間に立ってもらい、債権者と借金の返し方を交渉する手段です。特定調停の目的は借金をしている人が返済条件を軽くすることで経済的に立ち直れるようにすることです。
条件が決まったあとは、借金を原則3年で返す必要があります。裁判所が間に入って、話がまとまった後に3年で借金を返す点は個人再生と似ています。
ただ、特定調停は借金そのものの減額ではなく、返済方法を交渉する点では個人再生とは違い、任意整理と似ています。
任意整理との違いは、裁判所が間に入る点と、任意整理は過払い金請求を同時にできるのに対して、特定調停中は過払い金請求を同時にできない点があります。
特定調停中に過払い金があることがわかった場合は、別途手続きを取らなくてはなりません。特定調停はあくまで借金の支払い方法を話し合う場なので、過払い金請求は取り扱ってはくれません。
特定調停はそもそもの成り立ちが、経済的理由で任意整理の手続ができない人のために出来た制度です。任意整理は弁護士等の専門家に依頼しなければ、金融業者との直接交渉で歯が立たたないでしょう。
それに比べ、特定調停は弁護士に頼まずとも個人で手続きを取ることができて、弁護士資格をもつ調停委員がついてくれます。そのため、経済的なハードルは下がります。
ただ、金融機関との交渉力で結果が変わってくるため、自分で専門家を選ぶことができる任意整理のほうが勝率をあげられるでしょう。
(5)自己破産
自己破産は裁判所に認められれば、現在ある借金が全てなくなります。
とてもインパクトがありますが、もちろんそれに伴うデメリットもあります。借金でどうにもならなくなった人のための最終手段といえます。もはや借金を返すことが不可能と裁判所に認められれば自己破産できます。全ての借金がなくなります。
ただ、個人再生と同様、借金がなくなるのは本人だけです。連帯保証人等は変わらず借金を返す必要が残ります。また、個人再生とは違い、マイホームを含む資産は没収されることになります。
ですから、自己破産は、財産がほとんどない人、返済のあてが全くない人が使うべき手段と言えます。
低金利な金融機関
以上、債務整理についてみてきました。ただ、借金を減らす方法は債務整理だけではありません。例えば、高い金利のところからお金を借りていた場合、そこよりも金利の低いところから借り換えることで、2社の金利の差額分、借金返済が楽になります。
住宅ローンのように借金の元本が大きい場合、その利息の影響も大きいものになります。また、複数ある借入先をまとめることで、借金の管理がしやすくなるというメリットがあります。
では、具体的に低金利な金融機関とは、どんなところがあるのでしょうか?基本的に金融機関は営利企業ですので、自社の利益が最大になるように努力しています。
これを借りる側から見ると、高い利息でお金を借りる、ということになります。では、営利企業ではない金融機関ではどうでしょうか。例えば日本政策金融公庫というところがあります。
ここは政府系金融機関で、中小企業や個人事業主を対象とした事業支援をしています。また、子供の教育ローンを申し込むこともできます。特徴は政府系金融機関ならではの低金利です。
また、固定金利で借りることができるので、借りた後に金利が上がり、返済額が増えてしまうということもありません。一般の民間金融機関からの借金は、変動金利での返済がほとんどです。固定金利ならば、将来の返済計画を立てやすくなります。
やっぱり倹約が一番
これまで、借金の減らし方や金利の安い金融機関からお金を借りることまで見てきました。ただ、やはりどれも借金の減額に手間がかかり、デメリットもあります。
当たり前のことですが、借金をしないことが一番です。そのためには、収入と支出のバランスを良くする必要があります。収入から支出を引いて残るお金が大きければ大きいほど、借金とは無縁の経済状態になります。この差を大きくするには2つの方法があります。
1つは収入を大きくすること。もうひとつは支出を小さくすることです。
ただ、収入を大きくすることは簡単ではありません。収入が大きくなるということは、会社なりお客さんなりが自分にたくさんお金を払ってくれるようになるということです。
これは相手があることですので、すぐに効果を上げることは難しいです。
基本的に自分の働きに見合うお金をもらうわけですから、もらうお金を増やすには自分の働きを増やす必要があります。仕事の時間あたりの価値を高めるか、労働時間を増やすかしなくてはなりません。
しかし、横並びの給与体系の場合、労働の成果を給与に反映させるにはちょっとやそっとのことでは難しいです。労働時間を長くすると、その疲れを回復させるのに追加のお金が必要になります。
一方で支出を減らすこと、倹約に相手はいりません。自分自身の行動ですぐに変えることができます。特に固定費は継続的に支払わなくてはいけないお金なので、この部分を倹約できれば効果が一番大きいです。
例えば賃貸物件に住んでいる場合、より安い部屋へ引っ越すことで家賃を下げることができます。もちろん引越し費用を含めて計算し、2年以内にペイできるなら検討の価値があります。現在より狭い部屋、古い部屋、都心から遠い部屋を候補にして探します。
また、車を保有している場合は、車も見直します。新車で購入を検討している場合はすぐにやめるべきです。新車は買った途端に価値の下がるものです。価格や自動車税、車検、保険料、燃料代の安い中古軽自動車への買い替えや、車の所有をやめることができないかを検討してみましょう。
生命保険などの保険も倹約の対象です。日本人は月々平均3万円の保険に入っているそうです。
しかし、本当に必要な保険でしょうか?特に貯蓄型の保険は、現在利率が低く、金融資産としての価値に疑問符がついています。
また、将来のリスクヘッジのために、現在の支出が増えた結果、借金をしてしまうのは本末転倒です。必要最低限の保険料の安い掛け捨て型を含めて倹約できないか見直しが必要です。
大手キャリアのスマホを利用している場合も倹約の余地があります。
現在は格安SIMを販売する業者が増えてきて、信頼できる企業も出てきています。大手キャリアから格安SIMへ変更するだけで、月々のスマホ代を倹約することができます。
固定費倹約の一番のメリットは、一度始めてしまえば、それが毎月毎年効果をあげていくことです。
変動費を倹約するにはお金を使うたびに「倹約しよう」という自分の意思が必要で、これはかなり大変なことです。それに比べて固定費は自分の意思に関係なく淡々と支払われていくものですので、ここを倹約できれば、いちいち「贅沢したい」という気持ちと戦う必要がありません。
また、固定費の変更手続きは面倒なことが多いので、一時の気まぐれでお金をたくさん使ってしまうことがありません。こうしてまず、固定費で倹約することで、収入と支出のバランスを改善して、心に余裕ができたら変動費の倹約に挑戦してみましょう。
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