資金繰りとはいわゆる会社のお金の管理をすることを指します。
会社を経営する上で様々な費用が必要とされますが、店舗の家賃や商品の仕入れ費、従業員へのお給料などがイメージしやすいでしょう。
それらのコストは事業で得た利益から支払っていくことになります。
この資金繰りと呼ばれる仕組みがうまく機能しているのといないとでは会社の経営に大きな違いが生じます。
資金繰りが機能していないとどうなるのか?上記での場合で順を追ってみましょう。
先ず店舗の家賃が払えません、そもそも店舗が存在しなければ事業を行うことができるはずがありませんね、大問題です。
次に商品を仕入れることもできません、そうすれば売る物が無いので当然売上げがありません。
ここで商品が在庫として残っていれば場合によっては仕入れ先に返却、返金が可能であることもあるようですが、大きな期待はできません。
そしてさらには従業員へお給料を支払うことができなくなります、このタイミングで従業員は会社への貢献する思いがなくなり、優秀な人材は離れて行くことになります。
これは経営が立ち直ったとしても会社としては大きな損失となります。
こうして段階別にお金の流れが滞ることによりさらに悪循環が続くことが考えられ、企業としての最悪の結果、倒産を余儀なくされます。
経営が困難になる前段階として会社の資金繰りがうまく機能していないとされる場合とその改善策としていくつかの手段を考えてみましょう。
無駄な経費、必要以上に使われていないか?
日々経営していく上での経費として様々な費用がかかっている会社にとって経費の見直しは一番手っ取り早い手段に挙げられます。
経費削減とは会社を経営していく上で常にまとわりつく問題でもありますね。
大きな会社だとなおさらのことですが、1日のうち様々な従業員が至る所で業務を行っているわけですからその額は膨大な金額となり得ます。
その全てが本当に企業にとって利益をもたらすために必要なものであったのか?など改めて会社全体でその基準を揃える必要があります。
会社に設置されている空調設備の利用を減らす、社員食堂の利用時間を短縮することによりその空間に充てられる電気代などの削減にもなります。
勝手なイメージですが役員以上の役職ともなると私用目的での経費の無駄遣いがあるように思えます。
飲み代としての飲食代、交通費、接待費など数多に無駄が隠れているのではないでしょうか。
今一度徹底した見直しで無駄な経費の削減、さらには役員クラスの悪い癖を正す機会にしてみましょう。
経営方針は正しい?指針を見直してみましょう。
経営方針とはその企業の企業理念に基づくための社員全体の意思統一を目的としたスローガンのようなイメージで構いません。
今この会社はどのようなことをしたくて、どのような方法を用いるのか?達成したい目標何なのか?などです。
経営方針とは時代の流れや自らの会社の状況によって常に臨機応変に変化していくべきで、会社の現在位置や現状を把握する良い機会とも言えます。
そしてこの方針がいくら正しい方向を向いていても、分かりやすく簡潔でなければそれこそ従業員の認識にばらつきが起こるのは仕方がありませんし、速やかに社内全体で共有し浸透させていかなければなりません。
掲げたスローガンをいかに理解しているかによってどのようにその理念に近づくために思考し、行動するにあたっての違いは会社にとっての利益になり得るでしょう。
経営方針は利益向上を図る上でも、会社全体を一丸とさせる大きな一歩となるでしょう。
銀行に融資してもらう
こちらは先に挙げた手段と比べて発想がいたってシンプルです、資金繰りが機能していない分、不足している分の資金を金融機関に融資してもらう、いうところ借金のことですね。
と言っても銀行側も簡単には融資してくれません。
例えば税金の滞納がある会社にお金を貸してくれるわけありませんし、正当な理由や新規事業の計画書を用意し、その売上げ見込み、返済が可能かどうかの返済能力を精査され可否が決定されます。
他にも会社が建っている土地を担保に融資を認めてもらうというように様々な審査特徴があります。
自らの会社に合う融資方法をリサーチすることは改めて自社のことを改めて知ることにもなるのでいい機会となるでしょう。
会社の資金繰りが厳しくなった際に取る手段
紹介した他にも資金繰りの原因によって方法は変わりますが、ここからご紹介するものは最終手段としてのやり方です。
上記のものは会社にとっても従業員にとっても比較的負担が少なく、リスクも低いものでしたし、手っ取り早い方法と言えます。
では、どういった策があるのでしょうか?
人件費の見直し
人件費とは代表者への役員報酬や、従業員に支給しているお給料のことです。
この人件費は会社全体のほとんどの費用を占めるものなのでここで大きな変化があればその分資金繰りにも多大なる効果が見込めます。
方法は様々で、就業時間を短縮するなどして遠回しに人件費を削減する方法もあります。
ある企業では従業員の人件費は変わらず、代表者の給料を大幅に削減するといった事例もあり、他にも年末や夏期に支払われる一時金(ボーナス)制度の廃止、などが挙げられます。
ただし、メリットにはデメリットが付き物です。この人件費の見直しには従業員とのトラブルの原因となる場合が多く、従業員の働く上でのモチベーションにも多大な影響を与えることは明らかなのです。
こういった対策によって離職される可能性があることを想定して手を下す必要があります。
それでも立て直らない場合の最終手段
ここまでの手段よりさらに大きな一手としてあるのがリストラ、いわゆる解雇です。
新聞の見出しに某企業名と共に数千人削減など大きく取り上げられている記事をご覧になったことはありませんか?
ある程度社会経験がある方であれば何となく意味はご存知ですよね。当事者でなくともこちらの気分が滅入ってします単語ですね。
リストラの意味は、正式な名称はリストラクチャリングというようで、企業再構築、事業再構築とも呼ばれ、企業環境の変化により事業構造を再構築すること、不採算部門の授業縮小、撤廃、統廃合といった部門の整理をすることによって採算が取れる部門が取り組む成長事業に集中する。
堅苦しくてイメージしづらいですが、要約すると会社内で売上げに貢献している部門は残して足を引っ張っている部門は面倒を見てられないということで部門に所属している従業員もろともに会社から失くしてしまうことです。
いくら会社存続のための苦肉の策とはいえ、企業にとってはイメージダウンに繋がりますし、世間からの評価に多大なるダメージとなるでしょう。
しかし日本にはこの整理解雇に対して厳しい判例があり、人員整理の必要性や手続きの妥当性など、いくつかの要件を満たさなければならず、容易に敢行できるとは限らないようです。
ファクタリング
これまで解説してきた他に事業資金調達として革新的なサービスがあります。
それはファクタリングといい、日本では1970年代から普及してきたものなのですが、一体どういうサービスかというと、取り引きした際の売掛金とをこのファクタリング会社が買い取ってくれるというものです。
主に企業と企業とでは掛け売りと呼ばれるもので取引をしています。
あるサービスや商品の提供が済むと、定められた期日までに金額が支払われるのですがその後日支払われることを売掛金とされます。
この売掛金は支払われる期日までの期間が長ければ長いほど会社にとっては売上げとはならず、現金化されていないため資金繰りに影響が出るとされます。
そもそも初めから現金で取引すれば良いのに、と思ってしまうのですが、このファンタリングサービスを利用すれば売掛金を直ぐに現金化できる上に銀行での融資のそれとは違い担保も必要なく、比較的受けやすいサービスと言えます。
ただし、もちろんデメリットもあります。
先ずは手数料が高いこと、そしてこのファクタリングサービスとは説明通り売掛金を買い取ってくれるサービスなので、売掛金がなければ資金調達は不可能です。
また万が一、売掛先、取引先が倒産してしまった場合はせっかく資金調達できたこちら側がファクタリング会社に支払わなければならないといった場合もあります。
まとめ
様々な資金繰りの方法をご紹介しましたが、経営が傾いてからでは悪手を使わざるを得なくなってしまいます。
経営陣はその分身を切る思いとなり負担がかかるでしょうし、従業員からしても気が気ではないでしょう、経営方針を変えれば不満を持つ者もいるでしょう、経費削減にしてもそうです。
ただし、会社、利益があってのことなので綺麗事を言っていられないのもまた事実なのです。
リストラされる側も辛い思いをしますが、その選択をする側の気持ちも計り知れません。
資金繰りに関しては経営が傾く以前から意識しておくのが賢明でしょう。
現に上場企業と呼ばれる企業などは経営方針、経費などの見直しがある周期を軸に定期的に行っているそうです。
日々の経営から様々な変化や異変を感じ、読み取って流動的に対応していくことは大企業になればなるほど膨大なエネルギーを消費することとなるでしょう。
会社は一つの生き物です、医療で例えるならば会社が人体で活動することが経営だとします、活動を妨げる原因を究明、早期発見することが大きな鍵となり、そこから治療という改善策を取るによって新たな活動をしていけるのです。
上記までにご紹介したいくつかの資金繰りの改善策、これから会社を立ち上げたいという方は是非参考に実践してみてください。
既に会社を経営している方には改めて資金繰り改善の大切さを再認識していただいて、リストラのような悲しい選択をしなくていい経営を目指しましょう。
資金調達を確実に行うには多くの知識が必要になります。独学も経営の未来を支える大切な学び方ですが、専門家に相談することが正しい知識を身につける何よりの近道です。
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