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2019/06/26

年金2000万円問題は何が本当の問題だったのか

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はじめに

今月3日に金融審議会により作成された報告書から端を発する、年金2000万円問題が世間を騒然とさせたことはまだ記憶に新しいニュースだと思います。これは金融審議会が作成した報告書の一文のみをマスコミが大々的に取り沙汰したために起こった騒動でしたが、実際には年金2000万円問題の何が本当の問題だったのでしょうか。

この記事では情報が錯綜しがちな年金2000万円問題についてその概要をまとめるとともに、今後私たち自身が自分自身で考えなければならない問題についても併せて紹介します。

 

1.年金2000万円問題の概要

まずこの章では年金2000万円問題をめぐり何が起こったのか、という部分から触れておきます。

6月3日に金融審議会により作成された報告書は、そもそも決済文書のような確定的な内容をまとめたものではなく、金融審議会の委員達有識者の意見を取りまとめただけの内容ではありました。もちろん国民への配慮をもってその文書内容を作成するべきではありますし、国民に将来的な不安を植え付ける内容ばかりを書いたことで問題視されるのは当然と言えば当然です。ただ金融審議会が今回作成した内容については、以前からあえて秘匿されていた年金問題に改めて触れたことでその問題が浮き彫りになっただけに過ぎません。

そのため官僚を含めた政治関係者は年金問題がいずれ浮上することも、近い将来年金制度が破綻することも理解していたことなのです。ただ参院選前で年金問題について議論すれば、与党の支持率が急落することは十分考えられます。

そして麻生金融担当大臣はその報告書の受け取りを拒否することで、年金2000万円問題を遠ざけようとしたのだと国民や野党が判断するに至りました。

かつては「安倍一強」とまで比喩された政治体制でしたが、結局はこの年金2000万円問題を受け内閣と自民党の支持率は急落してしまいます。これはNHKによる最新世論調査で実際に数値が出ており、内閣支持率は6ポイント減の42%、自民党支持率は5.1ポイント減の31.6%となりました。内閣と自民党の支持率急落は年金2000万円問題の他にも、消費税増税や経済政策と相まって影響を及ぼしたことが推測されます。ただし年金2000面園問題としてニュースで取り上げられたのは単なる氷山の一角で、実際にはもっと根深い問題が潜在していました。

2.年金2000万円問題から何を読み取るべきか

年金2000万円問題によりまず認識すべきこととして、有識者が実際の数値に基づきまとめた報告書にある年金問題については、近い将来現実のものになるということです。

年金2000万円問題の核心は、少子高齢化が深刻な状況に陥り年金制度が破綻することが見込まれる今こそ、私的年金なり非課税貯蓄制度を併用して老後の生活に備えるべきだというところにありました。またマスコミが大々的に取り沙汰した年金2000万円の不足というのは、高齢者夫婦の生活費として毎月5.5万円が不足すること、そして30年間老後の生活が続くことを考慮すれば年金2000万円は必要になるだろうという総務省統計局が2017年に発表した数値に基づいた情報です。

高齢者無職世帯の貯蓄額は平均2484万円とされ、年金と合わせればかなり豊かな生活ができるだろうとする記事もありますが、それはあくまでも高所得者として定年を迎えた高齢者のみに限られます。例えばひとり親家庭の片親として子供の学費を支払い続けた場合、あるいは夫婦共働きで子供の学費をどうにか捻出した場合であれば、そもそも現役で働いていた時代に貯蓄さえろくにできなかったという方も割と多いはずです。

年金2000万円問題で浮き彫りになったのは貯蓄額による老後生活の予測される格差、それと貯蓄のない方に対する年金制度の維持あるいは支援制度の導入が急務であるということです。このことからも年金2000万円問題は決して他人事などではなく、一人ひとりが自分のこととしてとらえ真剣に考えなければならないということが今回のニュースの意識すべき点と言えるでしょう。

 

3.年金が不足する事態は目に見えていた

今回年金2000万円問題としてマスコミや国民が騒ぎ、ネット上には将来に不安を覚える方の声が多く上がりましたが、年金制度が破綻することは以前から目に見えていた事態でもありました。

政府が年金受給年齢を60歳から65歳に引き上げたこともそうですし、年齢によって受給可能な金額を段階的に減らすなどの制度改悪をした時点で分かっていたことです。年金制度だけでは老後を支えきれないと分かっていたから、現状の高齢者達に手渡す年金のおよそ4割を税金でまかなっているのです。そしてどうにか年金制度が破綻してしまわないよう、表面的に取り繕ってどうにかなって来ただけというのが現実です。

そうやって年金制度を改悪してなおも、高齢者が増加して働く世代が目減りする時代にもなれば年金の受給年齢は70歳まで引き上げられるとも言われています。年金制度を破綻させないためにさらなる増税も十分考えられます。

そうした状況を加味すれば、現時点で50歳以下の方は老後の生活のためにどうにかお金を用意していかなければなりません。私的年金や非課税貯蓄制度を活用してでも老後に備えなければ、後で苦労するのは自分ということです。

年金制度は2004年に改悪された訳ですが、この時のキャッチフレーズは「年金100年安心」でした。ただ年金制度を今日まで継続させてきた政治関係者は、年金が人ひとりの人生100年間、それを国民全員分について完全に保障できる訳がないことを周知していたはずです。

少子高齢化が深刻化する日本で年金制度が破綻せず現状維持されているのは、政治関係者がどうにかこうにか問題を誤魔化していたからです。年金問題が浮き彫りになるのを誤魔化すために年金と税金を織り交ぜて高齢者達に手渡し、破綻することを先延ばしにするために受給年齢を引き上げたのです。

団塊の世代全てが高齢者になる2025年問題、日本の高齢者人口がおよそ4000万人というピークに到達する2042年問題は、税金の比率を上げれば乗り切るくらいはできるかもしれません。ただそれも長くはもちませんし、いずれはやはり破綻することでしょう。

4.年金2000万円問題は再燃する

今回も問題視されたもののどうにか誤魔化しでやり過ごし、年金問題は先送りになりました。ただしそれも団塊の世代が後期高齢者に差し掛かる2025年までのことかもしれません。

金融庁としては本来、今回の報告書できちんとした議論がしたかったはずです。老後2000万円が不足することが見込まれるから国民に自力で用意させるのか、それとも10%以上に増税して税金で年金を補っていくのか、国として年金問題にどう対処していくのかその方針くらいは固めておいた方が舵の取りようもあるかもしれません。

ただし他の記事でも言われているように、今年7月に参院選を控えていたからこそ政治関係者は煙に巻いたのです。そうして与党はなかったことにして支持率の維持を、反して野党は「安倍一強」の政治をどうにか潰そうと年金2000万円問題を取り上げて政治体制を変えようと躍起になるはずです。

いくら議論したところで財源を確保できる目処が立つ訳でもありませんし、政府として解決の糸口が見つかるとは思えません。そんな現状だからこそ国民の一人ひとりが年金問題を真摯にとらえ、自分達の老後について真剣に向き合う必要があります。

 

5.老後の生活に備えるために

ここまでは年金2000万円問題に関するニュースについて取り上げましたが、この章では最後に老後の生活に備えるための方法についていくつか紹介しておきます。

老後の生活に備えるためには、まず自分達で貯蓄をコツコツとしていくことが重要です。そのためには投資による資産運用という選択肢が一つあります。

資産運用であれば長期的に自己資産を増やしていくことができますし、資産運用のプロに相談しながら行うことでより着実にお金を貯蓄できる可能性はあります。資産運用の場合では不労所得を得ることが目的となるため、自分の代わりにお金が働いてくれる状況を作ることで貯蓄をしていくことになります。

ただ資産運用のデメリットとしては大なり小なり損失を被るリスクがあること、予想以上に利益が出ないこと、元手となる資産がなければそもそも挑戦できないことなどが挙げられます。

ただ最近では少額から始められる資産運用もあるので、資産運用で不労所得を得る方法はハイリスクハイリターンもあればローリスクローリターンもあるということを覚えておくといいでしょう。

また貯蓄できるほど家計に余裕がないという方では、収入を増やすのではなく支出を減らすことに焦点を置いてみてもいいかもしれません。

例えば外食は控えてなるべく家でご飯やお弁当を作る、一日もしくは一週間で使う食費をあらかじめ決めておくなどの工夫をすれば、食費を多少なりと抑えることができます。また洋服や電化製品など食費以外での買い物があれば、その買い物は本当に今の生活で優先的に必要な物なのか、買う時期を遅らせることはできないかなど考えてから購入するかどうかを検討することもできるかもしれません。

老後の生活に現役で働く時代から備えることもできますし、老後になってからアルバイトやパートタイムで働くことで不足分を補うという選択肢もあります。自分が老後をどのように過ごしたいのか、あるいはどこまでなら妥協できるのかを一度考えてみると、老後までの人生設計がしやすくなるはずです。老後に支えてくれる年金が不足することも考慮した上での判断が迫られているとも言えそうです。

 

まとめ

年金2000万円問題は現状収束しましたが、早ければ2025年には再度取り上げられるはずです。もう一度ニュースになるまで忘れてみたところでいずれ自分に関わる深刻な問題として、将来直面することは免れません。

そうであるならば一刻も早く老後に向けての対策をし、自分の生活をより豊かなものにできるよう努力することが最善の選択と言えそうです。