ファクタリング
2020/01/29
プライベートカンパニー設立による誰でもできる節税術とは
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はじめに
近年では年金問題がニュースで大々的に取り上げられたこともあり、個人での資産運用の重要性を改めて実感したという方も恐らくいたはずです。効率的にお金を貯める方法として資産運用が注目される一方で、高所得層の方ではとりわけ節税対策に力を入れる方も増えているように思います。お金を貯めるための節税術の一つとして知っておきたいのが、今回紹介する「プライベートカンパニー」の利用についてです。
この記事ではプライベートカンパニーでの節税方法について紹介するとともに、そのメリットやデメリットについても併せて解説します。
1.プライベートカンパニーとは何か
プライベートカンパニーという響きを聞くと、「お金を貯めるために、本格的な会社経営をしなければならないのか」と感じてしまう方もいるかもしれません。ただ実際には少し違います。
個人で会社を設立することは事実であるものの、プライベートカンパニーでは個人で所有する株式や不動産などの価値ある資産を管理することが主となります。プライベートカンパニーを利用して節税対策を行うことは芸能人の方でも多く取り入れられており、決して難しいことではありません。
もちろんプライベートカンパニーを設立して、自身が取り組んでいる事業で稼ぎつつ自己資産を管理するのも一つの方法です。プライベートカンパニー自体はサラリーマンの方でも設立できるため、所有する資産に関して少しでも節税したいと感じている方におすすめの方法となります。
2.プライベートカンパニーの設立方法とは
プライベートカンパニーの設立方法自体は簡単で、法人登記さえ済ませてしまえばいいだけです。現在では資本金1円からでも会社を設立できるように法律が改定されており、会社設立そのものについてはそれほどハードルが高くないと言えます。
芸能人の方まで含めると、国内の実に半数以上の企業がプライベートカンパニーであるとも言われています。これはプライベートカンパニーを設立すると節税効果が高いことの証明でもあります。
法人としてプライベートカンパニーを設立するにあたり、まず会社の形態をどのようにするかについては事前に考えておく必要があります。これは例えば株式会社として設立するのか、あるいは持分会社にするのかといった部分のことです。
法人を設立するためには設立者が会社の株式全てを引き受ける「発起設立」と、株主を募集してから設立する「募集設立」のいずれかを選択しなければいけません。ただプライベートカンパニーとして設立する場合であれば、発起設立を選択しておけば特に問題ありません。
発起設立する前提として、法人としてプライベートカンパニーを設立するにあたっての方法について以下で確認しておきましょう。
①どういった会社を設立するか決める
プライベートカンパニーを設立するにあたり、まずは会社の基本的な内容について決めておく必要があります。例えば「商号」として登録するための社名や本社所在地、事業内容、資本金などです。本社所在地をどこに決めるかによって管轄の法務局が変わるため、今後の手続きのやりやすさを考慮すれば自宅の近辺にしておくのが無難かもしれません。
②同一の所在地がないかを事前確認する
プライベートカンパニーを設立する場合でも会社法に則って行う必要があるため、同一の所在地に会社がすでに設立されていないかを事前に確認しなければなりません。
③事業目的を明確にする
会社の基本的な情報として事業内容を登録する訳ですが、この事業内容が漠然としたもの、あるいは違法な内容を含むものであってはいけません。日本の法律を守りかつ自ら実践できるもので事業内容をあらかじめ練っておきましょう。
④法人用の印鑑を作る
プライベートカンパニーであれ法人登記をするにあたり、会社として「法人実印」を作っておく必要があります。長期間にわたりプライベートカンパニーを利用して節税することを考慮すれば、法人実印を作ると同時に銀行印や社印、会社の基本的な情報が記載されたゴム印などを作っておくとベターです。
⑤印鑑証明書を取得する
また法人実印が必要になるとともに、法人登記では印鑑証明書も併せて提出しなければなりません。取締役会を設置する場合では代表取締役の印鑑証明書だけで十分ですが、そうでない場合には取締役全員分の印鑑証明書が必要になってきます。その点は間違いやすいので十分注意しましょう。
⑥会社の定款を定める
法人として会社を設立する上では、会社の規則とするべき定款を事前に定めておく必要があります。定款では「絶対的記載事項」として、以下の項目について明記しておかなければなりません。
・商号
・本社所在地
・設立時に出資した資産の価額(あるいは最低額でも可)
・発起人の氏名および現住所
・会社として掲げる目的
また株式会社の場合で必要になる定款というのもいくつかありますが、ここでは省略しておきます。プライベートカンパニーを株式会社として設立したい方は、必要な定款についてインターネットで別途検索してみるといいでしょう。
それ以外の項目については会社ごとに自由に決められるので、規則にしたい内容があれば随時追加してください。ただしこの定款は会社の規則とするための手順として、公証役場から定款の内容について承認を受ける必要があります。
公証役場での費用としては認証費用の5万円、1枚あたり250円の謄本交付手数料が別途必要です。
⑦資本金を銀行口座に振り込む
公証役場で定款を承認してもらったら、後は銀行口座に資本金を振り込み、「払込証明書」を作成して法人実印を押すだけです。また払込証明書には以下のコピーを貼りつけておく必要があります。
・通帳の表紙
・口座名義人や口座番号が書かれたページ
・資本金の入金が確認できるページ
そして忘れてはいけないのが捨印を押すことです。捨印を押印していない場合、書類の内容に不備があると一から作り直さなければならなくなります。書類に誤りがあった時にもすぐ対応できるよう、書類を作成した際には必ず捨印を押しておくよう十分注意しましょう。
また自身が所有する不動産や自動車を現物出資したい場合であれば、定款にその旨を書き加えた上で、現物出資する際に必要となる「財産引継書」および「調査報告書」もあらかじめ作成しておく必要があることを知っておいてください。
⑧法務局へ登記申請する
ここまでの下準備が終わったら、最後は管轄の法務局へ行き登記申請をします。書類の内容に不備がなければ、1週間から10日程度で法人登記は完了します。実際に法人登記するにあたり、以下の書類が全て揃っているか確認しておきましょう。
・設立登記申請書
・定款
・登録免許税納付用台紙
・発起人決定書あるいは発起人会議事録(発起人が複数になる場合)
・代表取締役等の就任承諾書
・取締役の印鑑証明書
・印鑑届書
・払込証明書
ここまでの書類を揃えられたら、後は法人設立の申請を実際に行うだけです。
3.プライベートカンパニーを設立するメリットデメリット
この章では最後にプライベートカンパニーを設立することのメリットとデメリットについて順に紹介しておきます。
3-1.プライベートカンパニーを設立するメリット
まずプライベートカンパニー設立のメリットについては以下の通りです。
①税金を分散させられる
プライベートカンパニーとして法人を設立した場合であれば、自身の収入を会社の利益として扱うことができます。法人の場合では金額が上がるほど個人にかかる税金よりも安く抑えられるため、それだけ手元にお金が残りやすくなります。また自身の家族や親類を従業員とみなし雇用している形にすれば、従業員に支払う給料として分散できるため、結果的に所得税や住民税などの総額をより安くすることも可能です。
②会社に利益が残らなければ課税されない
日本の会社のうち約半数以上がプライベートカンパニーであることを前述しましたが、その多くが赤字経営になっています。これはつまり従業員への給料や会社経費の支払いにより会社の利益が残らなかった場合、会社そのものには税金が課税されないことが起因しているのです。これもまたプライベートカンパニーならではのメリットと言えます。
③サラリーマンと経営者両方の節税対策ができる
プライベートカンパニーを設立すれば経営者としてさまざまな費用を経費計上できるだけでなく、サラリーマンとして給与所得者控除を受けることもできます。税法上では経営者になったからといってサラリーマンの控除がなくなる訳ではないので、プライベートカンパニーを設立すれば両方のメリットを享受することが可能です。
3-2.プライベートカンパニー設立のデメリット
それに対するプライベートカンパニー設立のデメリットとしては、諸費用が余分に発生してしまうことが一つ挙げられます。
法人設立時点で設立費用がかかることはもちろん、赤字決算の場合でも法人住民税の均等割については毎年支払わなければなりません。また法人の場合では決算公告する義務があるため、そこでも一定の費用がかかってきます。
また法人を設立するにあたり、現在就業している会社が副業OKかどうかを事前に確認しておく必要があるでしょう。そしてお金だけでなく法人を維持するための手間や時間を割く必要性があることも考慮し、プライベートカンパニーを設立するべきかどうか検討しなければなりません。
まとめ
近年では終身雇用制が破綻したことで、個人での資産形成を自ら考えなければならない時代に突入しました。人生のさまざまなステージにおいてお金は要りようになるため、節税術としてプライベートカンパニーを活用できることは知っておいて損はありません。
しかし自分一人でプライベートカンパニーを設立する場合では、その手続きや費用面について悩むこともあるかもしれません。そうした場合では資金調達マスターの無料相談サービスがおすすめです。あなたのお悩み解決に最適な専門家の紹介サービスもあるため、興味のある方は下記フォームよりお問い合わせください。