銀行融資

2018/04/20

国金とは?実は中小企業の心強い味方

 

はじめに

今回は、中小企業経営者にオススメする資金調達手段の一つ、国金について詳しくご紹介していきます。国金では独立時の資金調達から経営中の運転資金、設備資金など、様々なタイミングでの資金調達が可能です。

国金のことをよく知ることで、他の資金調達手段と比較しながら最適な資金調達の選択に役立ててください

独立時の資金調達手段として

起業、独立時には自己資本の出資が大前提になります。しかし、自己資本だけで運転資金や設備投資をまかなうことができるケースはほとんどないのが実情ではないでしょうか。自己資本だけで当面の運転資金を賄おうと思えば、それだけ起業、独立のタイミングが遅くなってしまいます

 

国金は独立時の資金調達手段として大変オススメな方法です。そもそも国金とはなんなのか。独立時の資金調達手段として優れている部分はどういう部分なのか。詳しくご紹介いたします。

 

1-1 国金とは?

国金とは日本政策金融公庫のことです。平成20年10月1日に国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫が統合して作られた、政府系の金融機関です。100%政府出資の金融機関のため、国の政策に則った運営を行っており、安心して利用できる金融機関です。国金というのは統合前の略称の名残で、日本公庫などと呼ばれるケースもあります。

 

国金の主な役割は、民間の金融機関の補完をすることです。民間の金融機関では行きどどかない部分への融資を行うことで、個人事業や中小企業の経営など、小規模な経済活動を支える役割を担っています。

 

現在も、国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3つとともに、危機対応円滑化業務、特定事業等推進円滑化業務と、5つの分野に別れた融資業務などを行なっています。事業の資金調達に対して融資を行なっているのは、国民生活事業と中小企業事業です。

 

平成29年3月31日現在のデータによると、融資残高は、国民生活事業が7兆597億円。中小企業事業が5兆6856億円。全体の融資残高は18兆3911億円となっており、国民生活事業と中小企業事業の残高が全体に占める割合は約70%にものぼります。国金の小規模事業者への融資は、これだけ多くの金額、多くの割合を占めているのがよくわかると思います。

(データは日本政策金融公庫HP参照 https://www.jfc.go.jp/n/company/profile.html)

1-2 銀行融資は第2の選択肢

独立時の資金調達手段としては、出資を除けば融資を受けることになるでしょう。エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資を受けるためには、そこへの繋がりを作ることやピッチコンテストへの出場、市場性や差別化要素など、タイミングや様々な高いハードルがあります。

 

国金は、独立時の資金調達手段として一番オススメの方法です。融資というと一番に思い浮かびやすいのが銀行からの融資ですが、銀行からの融資はあくまでも第2の選択肢として考えておく方がいいでしょう。

 

まず、独立時に銀行へ融資を申し込んだ場合、審査が通らないケースがほとんどです。独立時には信用がないため大手銀行では、まず融資の審査は通りません。地方銀行なら地域密着スタイルで地元での起業を応援していこうという方針のため、大手銀行よりは審査が通りやすい傾向にありますが、創業時の融資となればなかなか審査が通らないというのが現状です

 

先ほどもご説明したように、そういった民間の金融機関が融資を行えないケースに対応するために国金があります。国金には国民生活事業の中に新企業育成貸付というものがあり、新たに事業を始める方や事業開始後7年以内の方向けに新規開業資金の融資を行なっております。また、女性や若者、シニア起業家に対しても同様に融資を行なっております。

前者は、貸付金が1000万円以内であること、またはその他の要件を満たすこと。後者は女性であること、または35歳未満か55歳以上であることの要件が満たされていれば利用対象者となります。

 

もちろん、事業計画書などの必要な書類を揃える必要はありますが、独立時のための融資制度が整っているので銀行融資よりもはるかに審査が通りやすくなっています

 

1-3 国金のメリット

国金での融資には様々なメリットがあります。

 

メリット1 保証人と担保が不要

新創業融資制度を利用することで、原則として保証人と担保が不要で融資を受けることが可能です。新創業融資制度は、先ほどご紹介した新規開業資金や女性、若者、シニア起業家資金などで利用できる制度です。

自己資金についても創業資金の総額の10分の1あれば利用可能。また、現在勤めている企業と同種の事業をい始める場合などには、その他の要件を満たせば自己資金の要件を満たしたものとして扱われます。

 

メリット2 金利が安いこと

新創業融資制度を担保なし、保証人なしで利用した場合、利率は最高でも2.75%です。指定の支援機関からのアドバイスを受けている場合など、特定の要件を満たせば特別利率が適用され、利率は2%以下になる可能性もあります。

もちろん、保証人がいれば利率はさらに下がりますし、担保を提供することで利率を1%以下に下げることも可能なケースがあります。銀行の融資に比べてかなり金利を下げることが可能です。

 

メリット3 審査が通りやすい

国金は国民一般や中小企業の資金調達を支援する役割を担っています。そのため、圧倒的に審査が通りやすいです。創業融資も積極的に行なっていますので、銀行などで融資の審査が通らないケースでも国金なら審査が通るケースが多いです。

 

メリット4 融資や事業のアドバイスをもらえる

国金は創業支援を一つのサービスとして行なっています。融資を受ける際に事業計画や創業計画書などの作成が必要になりますが、国金で作成のポイントなどの相談にのってくれるようになっています。

これまでの事例をもとに専門家からのアドバイスが受けられるので、融資や事業の成功率を高めることが可能です。

 

平日はもちろん、休日の相談も受け付けており、特定の日には19時や20時まで夜間の相談も行っています。休日と夜間は予約制なので、事前の連絡が必要です。

 

メリット5 金融機関の審査が通りやすくなる

今後の資金調達を考えたときに、国金での融資を受けた実績が残っていることで銀行の融資審査に通りやすくなります。審査を通ったこと、返済を重ねた実績が貯まることで事業としての信頼度が高まります。長期的な目線で考えたときには、融資を受けて返済をしていることがさらなる資金調達を可能にしてくれます。クレジットカードを長期間使っていると限度額を引き上げてくれるのと同じ考え方です。

国金についての基礎知識

では、実際に国金での借入れをする際に必要なことはどういうことがあるのでしょうか。国金で借入れをするにあたって必要なことをご紹介いたします。

2-1 国金からの借入について

国金の融資制度は普通貸付から地域活性化、食品貸付、IT資金、ソーシャルビジネス支援資金など、様々な業態に対応するものが用意されています。これも国金ならではの特徴です。

 

国金で融資を受けるには、それぞれ所定の書類が必要になります。

創業融資であれば、創業計画書、所定の借入申込書が必要になります。他にも、設備投資に当てる資金であればその見積書、法人の場合は登記簿謄本または履歴事項全部証明書。担保を入れる場合や生活衛生関係の事業を営む場合などはさらに書類が必要になります。

 

個人事業ですでに開業しており経営改善をしたい場合などは、申告決算書、企業概要書などを提出。

中小企業の場合にはより詳細に、会社案内や最新の決算書、納税証明書など、多くの資料が必要となります。

必要な書類については窓口で相談することで対応してくれるので、まずは必要となりそうな書類を持って窓口へ相談に行くことです。相談を受けることで審査が通りやすくなります

 

書類が揃えば、事業計画について国金の担当者との面談を行います。事業計画について様々な質問をされるので、それに根拠を持ってこたえられるだけの資料の準備も必要です。もし、店舗や工場があれば担当者が訪問してきます。

面談が全て終わると審査に入ります。

 

無事に審査に通り融資が決まると、契約に必要な書類が契約センターや支店から送付されてきます。契約書類を全て記入することで契約が完了。

 

返済は原則月賦払い。返済方法は元利均等返済や元利均等返済などがあり、2年以内の範囲で金利のみを払う据置き期間を設けることも可能です

 

2-2 審査基準

国金は民間の金融機関よりも審査が通りやすいというお話をしました。では、審査基準が民間の金融機関と違うのでしょうか。結論からいうと、審査基準は民間も国金も大きく変わりません。

 

一番重要とされているのが事業計画の内容です。創業時であれば創業計画書です。いかに利益を上げ続けられるかということが具体的に書かれていることが重要です。

例えば、創業計画書に記載するのは、創業の動機、経営者の略歴、商品やサービス、取引先、従業員、借入状況、必要資金と調達方法、事業の見通し、その他自由記入欄があるのみです。

 

創業動機はたったの4行。商品やサービスについても記載できるのは、セールスポイント3行、ターゲットと販売戦略3行、市場などの外的環境3行。事業の見通しについては、売上高の推移や経費の推移など簡単な数字を書くのみです。

 

事業の継続性と利益を上げる可能性を見るためには見通しの記載が重要です。見通しの記載欄にはその根拠を記入する欄があります。その欄にいかに具体的な事業の見通しを書いているかが一つのポイントになります。

 

また、競合との戦いになるので、取り扱い商品やサービスについてのセールスポイントも重要になります。基本的に全く新しいビジネスというのはそれほど多く存在しません。自分が新しいことをしていると思っていても、すでに同じようなサービスを展開している競合がいます。本当に競合がいないというのであれば、国金から創業融資を受けずとも、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資が可能です。

 

ここでは競合をしっかりと把握して、他社との差別化や優位性を語れる状態になっていなければいけません。例外としては、市場の伸びによっては、競合との差別化が図れていなくても市場全体が大きくなることで必然的に利益が増加していくケースはあります。

 

さらに資金の調達方法や自己資金についても重要なポイントです。自己資金によって事業への取り組み姿勢が判断できることも一つですし、自己資金の比率が融資の限度額に影響を与えることもあります。無担保で融資を受ける場合、自己資金が少なすぎては経営者の本気度が疑われかねません。

 

ここでは他にも、運転資金についての見通しもチェックされます。運転資金欄には「商品仕入、経費支払資金など」と記載されていますが、ここもできるだけ具体的に記載できていることが必要です。

事業の中では商品の仕入れだけでなく、事務所費、光熱費、事務用雑費、交通費や情報収集・交換のための交際費など、様々な費用がかかります

ここを具体的に書いていることで、事業の具体的な見通しが立てられているという判断がされやすくなります。

 

最後に、書類の具体性とともに経営者の人柄や信頼性が重要なポイントになります。

創業計画書にも経営者の略歴や創業の動機などを記載しますが、経営者がどんな人物かを判断されるのが面談の場です。計画書が詳細に書かれていて、実際の面談でも詳細な説明や資料の準備など、しっかりと準備がされていることで担当者へ好印象を与えることができます。

 

特に、無担保で保証人なしという場合にはどれだけ本気で事業を成功させようという熱意があるのか。また、計画を確実に実行に移していけそうか。そのための資質を持ち合わせているか。担当者は面談の場で。これまでの経験に照らし合わせて経営者の資質をチェックしています。

 

創業融資を例にご説明しましたが、これは他のケースでも同じです。事業計画書の具体性やこれまでの活動の推移、実際の面談の場で与える印象によって審査がなされます。

 

2-3 国金審査に落ちたときには

国金審査に落ちた場合、創業融資を受けるのはかなり厳しいと言わざるをえません。国金以外で創業融資を受けられる可能性があるとすれば制度融資や個人のビジネスローンなどでしょう。

 

制度融資であれば、民間の金融機関からの融資に信用保証協会の信用保証をつけることによって融資を受けられる可能性があります。制度融資は自治体によって内容が異なり、行政が金利を一部負担してくれる制度があったりと様々な優遇がされているケースも。まずは自治体の相談窓口で内容を確認して申請することです。

 

ビジネスローンは個人の信用ですぐにでも資金調達をすることが可能です。ただ、金利がかなり高く、どうしても急用で必要な資金以外に利用するのはあまり現実的ではありません。

 

創業融資ではなく、経営中の運転資金や設備投資への資金調達であれば銀行の融資も検討するのがいいでしょう。地銀や信用金庫などは、大手の銀行よりも審査が通りやすいです。

また、急いで資金調達が必要な場合にはファクタリングという手段もあります。売掛債権を利用することでスピーディに資金調達を行えるのがファクタリングの魅力です。ファクタリングは、融資を申請するよりも早く資金調達できるのがメリットです。

 

もう一度、国金へ融資の申請をしたい場合、国金に国金の審査に落ちてから原則として6ヶ月を経過することで再度申請をすることが可能です。もし、どうしても国金からの資金調達をする必要があれば、審査基準を意識して書類の準備、面談に臨みましょう。

他にも資金調達の方法はさまざまですが、企業のおかれているフェーズや時期的なタイミング、業種、企業の規模など、多くの条件が最適な方法を選べるか否かに関わってきます。 

自社が各条件でどれに当てはまるのか、はっきりと答えられない経営者のために、資金調達マスターでは無料でご相談を受け付けています。 

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