助成金
2019/03/28
女性起業家が利用したい助成金まとめ。公的融資からクラウドファウンディングまでを比較
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はじめに
最近では学生やシニア世代の方でも起業して会社を設立する時代になりました。起業するのに年齢が関係ないのと同様に、最近では男性だけでなく女性の方でも起業して会社を経営することが増えています。女性ならではの目線での発想を生かして起業して成功を収めた女性起業家もテレビなどで取り上げられ、「女性だから男性よりも収入が低くても仕方がない」と諦める必要はありません。
この記事では女性起業家の社会進出を援助する助成金などと、起業に役立つ支援制度について解説します。「起業したいけどお金が用意できるか心配」という方はこの記事の内容を参考にして、助成金や融資制度の利用を検討してみるといいかもしれません。
1.助成金の概要とは
これまで起業した経験のない方であれば助成金という言葉を聞いてもいまいちピンとこないかもしれません。この章ではまず助成金とはどういった制度であるのかを確認しておきましょう。
助成金とは国や地方公共団体が受給資格のある方に対して支払うお金のことです。助成金を支給されるためには審査を通過する必要がありますが、要件を満たせば基本的には誰でも受け取ることができます。また助成金は支給されるまでに時間がかなりかかるというデメリットはありますが、返済不要なお金であるため支給された金額については自分の思うように最大限起業のために役立てることが可能です。
助成金と類似するものとして補助金もありますが、こちらは申請しても審査の結果によっては支給対象に選ばれない可能性もあります。補助金と助成金はどちらも後払いという特徴があるため、必要な費用については自力でお金を調達する必要があることには変わりないので注意しましょう。
助成金について大まかにその特徴を確認したところで、次章では女性起業家が受け取れる助成金の種類について紹介していきます。
2.助成金の種類とは
女性起業家に限らず会社を起業する上で最も困るのが、会社設立のための資金調達についてです。最近では資本金1円から会社を設立できるように会社法が改定されてはいるものの、やはり会社の資本金は多ければ多いほど会社の成長スピードを上げやすくなります。
起業を志す方が利用可能な助成金の制度はさまざまですが、この章では女性起業家が利用しやすい助成金および融資制度をいくつか紹介しておきます。
2-1.女性、若者/シニア起業家支援資金
女性起業家として会社を設立したいのであれば、日本政策金融公庫の融資制度について知っておいて損はありません。日本政策金融公庫とは国が100%出資している金融機関であり、日本経済の発展を援助する意図から中小企業に対する融資制度を実施しています。日本政策金融公庫が実施する融資制度にはいくつか種類がありますが、女性起業家であれば受給要件を満たしやすいのが「女性、若者/シニア起業家支援資金」です。
これは助成金とは違い融資であるため返済の必要性はありますが、以下の要件を満たせば利用申請することができます。
・35歳未満か、55歳以上の女性の方
・新規事業を開始する、もしくは開始から7年以内の方
女性、若者/シニア起業家支援資金では融資限度額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)とかなりの高額です。また日本政策金融公庫が実施する融資制度については低金利であるため、金利の負担が抑えられていることも特徴的です。
2-2.新創業融資制度
日本政策金融公庫が実施する融資制度の中でも起業家向けなのが、この「新創業融資制度」です。もちろん融資なので借りたお金については返済する必要はありますが、無担保かつ無保証で借りられる点は非常に魅力的と言えます。
新創業融資制度は新規事業を開始する、もしくは事業を開始してから2期事業年度を終えていない方であれば利用申請することができます。融資限度額は女性、若者/シニア起業家支援資金よりも低く、3,000万円(うち運転資金1,500万円)までとなっています。また最低でも創業資金のうち1/10以上は自己資金で賄えるかなどの要件がいくつか存在します。要件全てを満たすことはなかなか難しいかもしれませんが、気になる方は一度全ての要件を確認してみてもいいかもしれません。
▼外部リンク▼
日本政策金融公庫公式サイト
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
2-3.ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金
全国にある中小企業団体中央会では「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」という制度を実施しています。これは経済産業省が管轄する補助金となるため、返済不要な点が魅力です。
この補助金の場合では一般型と小規模型とがあり、一般型では1,000万円(うち2/3以内であればサポート可能)、小規模型では500万円(うち1/2以内であればサポート可能)とそれぞれ定められています。補助金については毎年のように募集時期や細かな要件の変更もあるため、情報収集は随時行うべきでしょう。
2-4.小規模事業者持続化補助金
日本商工会議所が実施する補助金としては「小規模事業者持続化補助金」というものがあります。こちらの場合は個人事業主として申請するよりも、従業員を雇用する予定のある方だとより高額の補助金を受給できる可能性があります。
・個人事業主の場合:最大50万円
・従業員20名以下の場合:最大500万円
代表者の年齢が60歳以下であれば利用可能なため、小規模事業者として起業したい方は検討してみるといいでしょう。
▼外部リンク▼
日本商工会議所公式サイト
2-5.女性起業家支援制度
女性起業家が利用可能な助成金の中でも少し変わっているのが、化粧品メーカーのちふれが実施する「女性起業家支援制度」です。これは対象となる事業者であれば資本金として100万円を支給してもらえるだけでなく、貸付を希望する場合には限度額900万円で利用することも可能です。
ただしちふれ化粧品から資本金を受け取った場合には株式会社を設立し、その株式のおよそ35%をちふれ化粧品に渡さなければならないという条件も存在します。無担保かつ無保証で貸付制度を実施する貴重な存在ではあるため、株式上場を視野に入れて起業したい方にはうってつけです。
▼外部リンク▼
ちふれ公式サイト
https://www.chifuregrp.co.jp/woman_support/
2-6.若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
こちらは東京都のみに限られた助成金となりますが、中小企業振興公社が実施する「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」というものもあります。最近では多くの店がシャッターで閉まった状態になっている「シャッター街」とも呼ばれる、商店街の現状は国内の至る所で散見されます。東京都では都内の商店街にて起業する場合に限り、以下の条件で助成金を支給しています。
・助成限度額:最大580万円
・事業所整備費:250万円(うち店舗改装工事、宣伝広告費、設備・備品購入費を含む)
・実務研修受講費:6万円
・店舗賃貸料:1年目15万円/月、2年目12万円/月
東京都で自分の店舗を開きたいという夢のある方には有用な助成金の制度と言えるでしょう。
▼外部リンク▼
東京都中小企業振興公社公式サイト
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/wakatejosei.html
女性起業家を目指す方が利用できる助成金としていくつか例を挙げて紹介しましたが、この他にも受けられる可能性のある助成金は各都道府県や市町村によっても異なってきます。また助成金のような国や地方自治体が実施している制度に関しては、定期的な情報収集をしなければ最新の情報を入手できない可能性も十分考えられます。
自力でそれらの情報をすべて集めることは現実的にかなり難しくなってくるため、各種助成金の情報については専門家の方に教えてもらうのが一番の近道ではあります。
3.女性起業家が利用したい支援制度とは
ここまでは女性起業家でも利用しやすい融資制度や助成金などについて紹介してきましたが、会社を設立する上で必要となるのは何もお金だけとは限りません。この章では最後に、女性起業家が利用したい支援制度をいくつか紹介しておきます。
3-1.クラウドファンディング
起業を目指す方の資金調達の方法と言えば銀行融資や公的融資などが主流でしたが、近年ではクラウドファンディングによる資金調達も注目を集めています。クラウドファンディングは不特定多数の方に向けて自分のアイデアを発信して資金調達できる方法のことを指します。
クラウドファンディングでは専用サイトを介して不特定多数の方の中から自分のアイデアに賛同してくれる支援者を募れるため、資金調達に役立つことはもちろん起業前から自社のファンを作ることにも一役買ってくれます。魅力的なリターンや需要のある事業計画を立てられれば、目標金額以上の資金を調達できる可能性もある点は非常に魅力的です。
クラウドファンディング専用サイトとしてはプロジェクト数最大手である「CAMPFIRE」や、日本で初めてクラウドファンディングを手がけた「Readyfor」などいくつかの選択肢があります。サイトによって取り扱うプロジェクトの傾向や特徴が微妙に異なるため、それぞれの専用サイトの特徴を調べた上で登録するかどうかを検討してみてもいいかもしれません。
▼外部リンク▼
CAMPFIRE公式サイト
Readyfor公式サイト
3-2.起業家サポートサイト
女性起業家として会社を設立する予定だとしても、自分一人だけで会社を成功させられるのか不安を覚える方もいるのではないでしょうか。そうした方であれば起業家向けのサポートサイトを利用することで、会社の事業を軌道に乗せるまでの道筋を立てやすくなります。
例えば女性起業家のための起業家サポートサイトとして有名な「女性社長.net」では、女性起業家の事業継続サポートはもちろん、女性起業家同士が交流できるイベントやセミナーを開催しています。また例えば起業に関する総合サイトとして知られる「ドリームゲート」では、専門家に会社の起業および経営に関して無料相談できるサービスや、起業セミナーの開催に開業マニュアルの公開など多岐にわたるサポートを実施しています。ドリームゲートについては男性起業家の方も参加するサイトではありますが、起業について真剣に考えたい方は一度こうしたサイトを利用してみるのも一つの方法です。
▼外部リンク▼
女性社長.net公式サイト
ドリームゲート公式サイト
3-3.よろず支援拠点
よろず支援拠点は経営に関する相談内容であれば、どんな内容であっても相談することができます。また国が設置した無料の経営相談所であるため、無料で何度でも相談することが可能です。よろず支援拠点を利用する場では、以下のメリットを受けられます。
①さまざまな分野の専門家が在籍しているため、経営に関する相談では総合的かつ多角的なアドバイスを貰える
②それぞれの会社に合った経営課題を設定した上で、自社専門の課題解決チームを編成してもらえる
③ワンストップサービスで会社の課題を解決することができる
よろず支援拠点では電話やメールでの相談にも対応していますし、直接近隣の支援拠点まで出向いて相談することも可能です。専門知識を持ったコーディネーターに相談内容をヒアリングしてもらえるため、実現可能な範囲で解決方法を提案してもらえます。
そして解決方法の提案後では課題解決チームが編成され、あなたの会社の課題解決を全力でサポートしてくれます。その途中で新たな経営課題が見つかった場合でも、その課題のことも含めて引き続き対応してくれます。
よろず支援拠点では全国での相談対応件数が年々増加しており、また相談する会社の業種や相談内容も実にさまざまです。無料で経営サポートまでしてもらえる貴重な存在であるため、興味のある方は以下の公式サイトから情報を確認してみてください。
▼外部リンク▼
よろず支援拠点公式サイト
無料で相談できる支援機関としてよろず支援拠点を紹介しましたが、資金調達マスターでも無料相談サービスを実施しています。記事のまとめ部分で詳しく紹介するのでここでは割愛しますが、こちらも併せて検討してみるといいでしょう。
3-4. 女性新ビジネスプランコンペティション
政府系金融機関である日本政策投資銀行では、起業後5年以内の女性起業家を対象とするコンペを毎年開催しています。このコンペの受賞者として選ばれれば、最大1,000万円の事業奨励金を受給することができます。また受賞した場合には向こう1年間の事後支援も受けられるため、非常にメリットの多い支援制度となっています。
▼外部リンク▼
日本政策投資銀行公式サイト
https://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2018/html/0000030550.html
女性起業家を支援する制度はこの他にもいくつかありますが、独創的なアイデアを活用して新規事業を立ち上げる場合であればクラウドファンディングが利用可能です。クラウドファンディングを利用したからといって希望通りの金額が集まるかどうかは分かりませんが、挑戦してみるだけの価値はあります。
今回紹介した支援制度は女性起業家として会社を設立するためにも役立つので、いずれかの方法を実際に試してみることであなたが女性起業家として活躍するための第一歩を踏み出せるかもしれません。頭で考えてばかりでは何も変わらないため、女性起業家になることを決めたのであれば後は行動あるのみです。
まとめ
女性起業家では活用できる助成金や融資制度も種類があり、資金調達の方法は決して少ない訳ではありません。しかし国や地方公共団体が実施しているため審査が厳しい側面もあり、創業計画書の内容が薄いと審査を通過できない可能性もあります。また自力で操業計画書の内容を充実させることはハードルが高く、この準備段階で心が折れてしまう方も実際に少なくありません。
女性の場合では家事や育児、親の介護などに時間を取られてしまい、思うように自分の時間を確保できないことが多いです。そうした場合では独学で女性起業家になるための方法について勉強しなければなりませんが、一人で勉強できる内容にも限度はあります。
「女性起業家を目指そうにも何から始めればいいのか分からない」という方におすすめなのが、資金調達マスターが実施する無料相談サービスです。無料相談サービスでは女性起業家になるための資金調達の方法や各種手続きなどについて、細かな点まで専門家に相談することができます。
もちろん今回紹介した助成金の申請に関する相談に対応可能な専門家の方もいます。資金調達に関する専門家に無料で相談できる機会というのもあまりないので、お試しででも利用してみない手はありません。
また資金調達マスターでは、あなたのお悩みを解決するのに最適な知識を持った各士業の紹介サービスも同様に実施しています。起業するための資金調達を確実に行っていきたいという方は、この機会に一度資金調達マスターで無料相談してみてはいかがでしょうか。
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