借り入れ
2019/03/28
個人借り入れを資本金にできない?役員借入金って何?
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はじめに
会社を経営したいと考える方の中にも、もしかしたら資本金を自力で用意するのが難しい方もいるかもしれません。そういった方であれば個人借り入れをすることで資本金を増やせないかと考えてしまいがちですが、実際には個人借り入れによって得たお金を資本金に充てることはできません。
この記事では個人借り入れを資本金にできない理由と、資本金に関する注意事項について解説します。会社を経営するために必要となる資本金ですが、なぜ個人での借り入れ金を資本金として活用できないのでしょうか。
1.個人借り入れを資本金にできない理由とは
以前であれば会社を設立するのに最低でも1,000万円程度の資本金が必要だと言われていましたが、近年では会社法が改定された影響により資本金1円でも会社を設立できる時代になりました。そのため資本金自体が少なくても会社を設立すること自体は可能ではありますが、現実的に考えれば資本金は多ければ多いに越したことはありません。
そう考えれば個人借り入れをすることで資本金に充てられるお金が実質的には増えるため、個人借り入れもまた資本金とみなしていいのではないかと思われる方もいるかもしれません。ただそれを認めてしまうと融資の金額に関して明らかに問題が生じてしまうことは否めません。
一般的に融資の金額は資本金のおよそ2倍が限度とされており、例えば100万円の資本金が用意できている場合には200万円程度の融資額が妥当と判断されることになります。仮に個人借り入れを資本金に充てることを認めている場合を想定すると、100万円の資本金と200万円の個人借り入れを用意した際には、融資金額はその2倍の600万円が妥当と判断されかねません。
ただこれが現実に認められてしまうと個人借り入れを利用すれば、融資金額を無尽蔵にいくらでも増やせることになってしまいます。際限なく借りられたところで、その経営者に返済能力がなければいずれは債務超過になるだけです。そうした事態を未然に防ぐためにも、経営者本人のお金以外を資本金とみなすことは禁止されているという訳です。
2.本人のお金でも資本金とみなされない場合がある?
前章の内容で経営者個人のお金だけが資本金とみなされることを述べましたが、仮に本人のお金であった場合でも資本金とみなされない場合があります。
例えば銀行口座に定期的に貯金した訳ではなく、高額が一括で振り込まれたそのお金については個人のお金であることを認めてもらいにくい傾向にあります。またこれと同じ理由でタンス貯金していたお金は記録がないこともあり、本当に自分で用意したお金であることを証明することが難しい部分があります。
あるいは親戚や知人からお金を貰った場合も資本金とみなされにくい可能性が高いです。これは記録がないイコールお金を借り入れた事実を偽っているという可能性も考えられるためです。そのため個人で用意したお金を貯金するのであれば、専用の銀行口座を開設して定期的に振り込んで記録を残していくことが大切です。
3.個人借り入れの会計上の科目とは
ここまではこれから会社を設立したいと考えている方を前提として話を進めてきましたが、会社をすでに設立している経営者の方の場合でも個人借り入れを資本金にできないことは同様です。そのため個人借り入れを会社の資金源として充てたい場合には、そのお金は「資本金」としてではなく「借入金」として会計処理するのが適切です。
4.個人借り入れを資本金とするには
大手企業の場合ではあまりないかもしれませんが、中小企業の場合だと経営者や役員クラスの方が個人のお金を会社に貸し付ける場合が割と多く存在します。この場合だと経営者(役員)が会社に貸し付けたお金は「役員借入金」として計上されることになります。
この方法ならば会社と貸し付けた当人の双方にとってメリットがありますが、役員借入金を長期にわたり残したままだと銀行のような金融機関から低い評価をつけられることにもなりかねません。ただし一度役員借入金を計上したからといって、その計上した科目を決算書から消去する方法がない訳ではありません。
4-1.役員借入金のメリット
役員借入金を計上することで会社と役員の双方にメリットがあることは前述しましたが、具体的には以下のようなメリットがそれぞれに存在します。
会社:役員報酬としてではなく役員借入金の返済とすることで、会社の経費を削減することができる
役員:役員借入金の返済分としてお金を受け取ることで、所得税が課税されずに済む
この役員借入金は実質的には役員からの会社への出資であることはまず間違いないのですが、実際に出資としてその役員が解除に対してお金を支払ってしまうと書面上での手続きがかなり煩雑になります。その一方で役員借入金として計上しておけばメリットが多いことは事実です。ただし銀行からの評価が低くなるデメリットもあるため、銀行融資を希望する会社では役員借入金として計上したものを決算書から消去する方法を利用することになります。
4-2.役員借入金を消去する方法とは
役員借入金を消去する方法としてはいくつかありますが、順に確認していきましょう。
①役員報酬を減額して返済に充てる
役員に本来渡すはずだった役員報酬の金額を減額し、その差し引いた金額を役員借入金の返済に充てるという方法です。借入金の返済については経費という扱いにならないため、役員報酬を差し引いた分だけ結果的に利益が増えることになります。利益が増えるということはその分課税額も増える可能性があるためその点は注意が必要です。
②役員借入金を役員本人に免除してもらう
役員借入金を全額分消去する方法として、役員本人から借入金の返済を免除してもらうというものもあります。ただこの方法では役員借入金をまず時価評価して、さらに貸借対照表に計上された簿価と比較する必要が出てきます。この時に時価と簿価との間で差額が生じた場合にはその金額分を「債務免除益」とみなさなければならず、その差額については利益という扱いになるため課税されることになります。そのため役員借入金を免除してもらう際には課税額が増えることを考慮した上で、会社の資金繰りに余裕のある時に実施するよう心がける必要があります。
③役員借入金を資本金に振り替える
役員借入金を決算書から消去する方法として最も用いられるのが、役員借入金を資本金として振り替える方法です。これは役員からの借入金を現物出資とみなし資本金に振り替えるという方法になりますが、負債として計上されていたお金が全額資本金として計上されるため、自己資本比率の数値が一気に高くなります。ただし資本金へと振り替える際の手続き次第では債務免除益や贈与税の課税といった問題も出てくるため、その点は注意が必要です。
こうした負債の株式化をデット・エクイティ・スワップと呼び、その頭文字をとって「DES」と略称されます。DESを行うとその役員借入金は株式として評価されることになり、銀行からの評価をより良いものにできる可能性があります。
中小企業の場合では社長や役員の私財を会社の経営に補てんするということも割と多く、役員借入金として計上される金額も長期的に見ればそれなりの金額になることもしばしばあります。銀行側としても役員借入金を実質的な資本金とみなし評価する場合もありますが、長期的に役員借入金が計上されたままである場合にはその会社をあまり良く評価しないという話もあります。
役員借入金として計上しておけば会社と役員にとってはメリットが多いですが、融資の際の評価に響くこともあるので審査に申し込む前に決算書から消去しておくことをおすすめします。
5.資本金を増やす方法とは
この記事では個人借り入れを資本金にできるかどうかという内容を中心に解説してきましたが、負債を増やすという方法だけが会社の資金調達の方法ではありません。この章では最後に負債という形以外で資本金を増やす方法について、今一度確認しておきましょう。
5-1.株式を発行する
自己資本比率を上げる方法として多くの会社が取り入れているのが自社株式の発行です。株式を発行して株主らから募ったお金は株主資本という扱いになるため、もちろん自己資本比率の数値が高くなります。また株式を発行するということは株式市場に上場するという側面もあるため、それだけでも知名度が上がる可能性もあります。
ただし株式を発行して資金を募る場合には、その株主らに出資した金額分だけ議決権が渡る点に考慮する必要があります。議決権は経営権とも言い換えることができるほど重要なもので、仮に資本金の半分以上を株主らに出資されてしまうと経営者の方の経営権は半分以下になってしまいます。場合によっては経営を乗っ取られる事態にもなりかねないため、資本金については少なくとも半分以上は自社で負担する形になるよう注意しましょう。
5-2.ベンチャーキャピタルに出資してもらう
中小企業でなおかつ新規事業を手がける会社であれば、ベンチャーキャピタルに出資してもらうという方法もあります。ベンチャーキャピタルでは株式上場の際に利益回収を目指すことが一般的であるため、株式上場するまでの期間については多角的なサポートや経営に関するコンサルティングを受けることができます。
ただしベンチャーキャピタルは利益重視でかつ短期間での成長を要求されるため、時として会社の意にそぐわない経営を強いられる可能性もあります。
それ以外にも最近ではクラウドファンディングで出資者を募るという方法もありますが、この方法では魅力的なリターンと斬新なアイデアさえあれば誰でも出資者を募集することができます。負債を増やす以外にも色々な資金調達の方法があるので、資本金をどうにかして増やしたいと考える場合には負債を増やさない方法での資金調達を検討してみるといいでしょう。
まとめ
個人借り入れを原則として資本金にはできませんが、役員借入金という形であれば実質的な資本金として使うことも可能は可能です。ただし役員借入金を資本金として使うことは原則できないため、あくまでも会社の負債を増やす形になることは事前には把握しておいた方がいいかもしれません。
会社の資金繰りがどうしても改善されない場合では役員借入金は有効な手段ではあるものの、あまり多用しすぎると金融機関からの評価が悪くなる可能性は十分考えられます。また現時点で資金繰り改善までにある程度時間がかかりそうである場合には、別の資金調達の方法を実行してより多くの資金を調達した方がいい場合もあります。
役員借入金の場合では無利息でお金を活用することもできますが、新たにお金を借りるとなるとその月々の返済についてまで頭を悩ませなければなりません。「負債以外の方法で資金調達したい」、そんなお悩みを抱える経営者の方におすすめなのが資金調達マスターの無料相談サービスです。
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