銀行融資

2019/02/28

銀行融資審査に落ちた後に取るべき行動のススメ

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はじめに

会社の資金調達の方法の一つとして銀行融資が挙げられますが、銀行融資を申し込む方の多くが必ずしも融資を実施してもらえる訳ではありません。現実的には大半の会社が審査落ちを経験します。銀行側には確固たる理由がありその会社を審査落ちさせているはずですが、落とされた会社側がいくら聞いたところで詳しい情報が開示されることはまずありません。仮に銀行融資に落ちてしまったなら、その後にどのような行動を取るべきなのでしょうか。
この記事では銀行融資審査に落ちた後に取るべき行動のススメと題して、銀行融資に落ちた後にこそ実践してほしい方法について解説します。銀行融資の審査に落ちたということは自分の会社に何らかの落ち度があったのだと真摯に受け止め、確実に改善していく必要があるのです。

1.銀行融資の審査に落ちる理由とは

銀行融資そのものが通過することも厳しい現状であることは周知されていますが、銀行側にとって確固たる理由があるからこそ結局は審査落ちさせられてしまうのです。ただ何故落とされたのかは具体的に教えてもらえないため、別の銀行で融資を検討する場合であってもまずは改善点を見つける必要があります。
具体的には以下のポイントに沿って、自分の会社が大丈夫だったかどうかを確認してみてください。

1-1.事業の収益は右肩上がりだったか

銀行側は慈善事業として融資をする訳ではないため、融資を希望する会社があれば真っ先に見るのが会社の収益についてです。融資希望額を貸した場合にきちんと返済できるだけの収益が確保できているのか、何よりもこの点を重視します。
仮に業績が落ち込んでいる状態であることが分かる決算書類を提出してしまったなら、その時点で審査落ちさせられたことは明白です。また収益は着実に上がっているものの借入金の返済額が多い場合には、新規融資をしたところで返済できる財源を確保できないだろうとみなされやすくなります

決算書類を作成するにあたって自己資本比率を高め借入金は可能な限り返済しておく、これだけでも返済に対する財源の確保が可能な会社として評価してもらえる可能性があります。

1-2.融資を受ける目的を明確にしていたか

会社の資金繰りに困り銀行融資を希望する方の多くが、「理由なんてどうでも良いからお金を貸してほしい」と思っている節があります。実際に融資希望額を明確にしていない会社の経営者はとにかくお金が欲しいため、希望金額を漠然と答えてしまう場合があります。
ただ銀行側すると何の目的もなくお金を貸してほしいと訴える会社を信用できるはずはありません。融資を受ける目的について明確にできていなかったのであれば、例えば以下のように今一度融資を希望する目的について見直すべきです。

・返済実績を作り会社としての信用度を高めたい
・新たな事業を展開するための資金が欲しい
・会社の成長促進のためにお金を借りたい
・現状の窮状を乗り切るためのお金が欲しい など

会社によってお金を必要とする理由はさまざまでしょうが、大切なのはどれだけ熱意を持って銀行側にお金の必要性とその目的を説明できるかということです。

1-3.融資希望額は妥当な金額であったか

お金の使い道を明確にするとともにもう一つ大事なのが、その融資希望額に妥当性はあったかということです。例えば適切な融資希望額を算出するためには、以下の計算式に当てはめてみると分かりやすいです。

融資希望額=設備資金+運転資金-自己資金

また適切な融資希望額を算出したもののどのタイミングで必要になるのか、この点を伝え漏れると銀行側もお金の必要性を疑わざるを得ません。融資希望額の妥当性を訴える際にはいつのタイミングでお金が必要になるのか、その点についても説明しておかなければなりません。

1-4.銀行融資を希望する時期は適切だったか

銀行も会社として経営している以上、より多くの利益を上げたい時期というのが存在します。銀行が利益を上げたい以下の時期を覚えておいて融資を希望することで、審査落ちしにくくなります。

①3月:多くの会社が年度末決算月にあたり、銀行もまた業績拡大のチャンスを狙っている
②9月:銀行の決算月にあたる
③12月:ビジネスローンへの需要が高まる時期なので、その需要に応えるべく融資を通そうとする

融資を実施してもらいやすいのは年3回と絞られるため、事前に把握しておけば審査のための準備を抜かりなく行えます。

1-5.税金を滞納していなかったか

他行からの借入金の返済を滞納していることともに問題視されやすいのが、税金の滞納です。税金とは会社が果たすべき社会的な義務の一つであるため、税金の滞納=信頼性の欠如につながります。種々の税金は納付期限がそれぞれで異なるため、日頃から納付期限を遵守することが社会的な信用の獲得にも役立ちます。

上記のポイントに従って自社の問題点を見直すことで、何が問題点となって審査落ちさせられたのかが理解しやすくなります。
ただし自社にだけ問題が存在するとも限らず、場合によっては銀行側との付き合い方の部分で問題が生じていた可能性もあるかもしれません。次章では銀行側との上手な付き合い方について解説していきます。

2.銀行側との上手な付き合い方とは

銀行融資の審査に落ちてしまうと、多くの経営者の方が「銀行は会社の味方になってくれることはないんだ」と誤認しがちです。しかしそれは明らかな勘違いであり、銀行に対して敵対心を抱いてしまったならまずはそこから是正する必要があります
この章では「助っ人」の「銀行との交渉をうまく進めるには?金融機関と上手く付き合うための心構え」から内容を抜粋し、銀行との上手な付き合い方について考え直してみましょう。

2-1.融資実施のカギは信頼関係の有無にあった

例えばあなた自身が銀行の融資担当者であると仮定してみます。もしもあなたの元に二人の経営者が融資を希望してきたなら、今回が初対面の経営者か、それとも以前から交流のあった経営者のどちらの話を真剣に聞こうとするでしょうか。よほどの例外がなければもちろん後者の方を選ぶはずです。
銀行側とて融資の実施を決めるのはあくまでも人間です。つまり信頼関係を構築している銀行の方が融資を前向きに検討してくれる可能性が高いということなのです。

2-2.銀行のニーズを優先して応える

あなたが経営者として融資の審査に臨む時、基本的にはあなたの会社のことを何とか良く思ってもらおうと自分が知ってほしいことを優先して説明してしまうかもしれません。しかしそれは大きな間違いで、銀行は既存のモノサシを利用してあなたの会社を測ろうとします。しかも銀行自身の思惑を優先して測ろうという傾向が強く、融資を希望した会社に対してかなり疑り深く保守的です。
銀行融資で審査落ちしないためには銀行のニーズを知る必要があり、なるべくならば銀行側の質問に絞って正確に答えることが望まれます。仮に融資担当者から質問されたもののその意図が分からない場合には、あえて担当者に質問の意図するところを逆に質問してみてもいいでしょう。銀行と上手に付き合うコツは、銀行のニーズに応えることを優先することにあると言っても過言ではないでしょう。

2-3.バリアフリーな銀行に融資を希望する

インターネット上の多くの記事が、融資を希望するならメガバンクの大きな支店を選択すべきだと書いています。確かに規模の大きい支店であれば融資の限度額も高い傾向にあり、高額の融資を希望する方にはうってつけとも言えるでしょう。ただそうした大きな銀行ほど精神的なバリアを強く肌身に感じる可能性は高いです。精神的なバリアがあると場慣れしていない経営者の方は萎縮しやすくなり、面談でもなかなか思うように話せなくなってしまうかもしれません。こうなっては本末転倒です。
行によってはこうした精神的なバリアフリーに取り組んでいるところもあり、それを見抜く基準としては「主語が「お客様」と感じられる行動が行員や職員にどれだけ見られるか、感じられるかで、バリアフリーの程度がわかる」ようになっています。銀行に実際に足を踏み入れた時の感覚で銀行を選択するのも一つで、身の丈に合った銀行からチャレンジしたい場合には、地域密着型の地方銀行や中小企業銀行がおすすめです。

2-4.銀行は会社にとって最良のビジネスパートナー

行に直接出向き現状の財務状況や収益の推移などをこまめに伝えておくことで、銀行側としても会社の動向をより細かく把握しやすくなります。銀行側と懇意にすることで融資を受けやすい土台も出来ますし、仮に資金繰りがショートしてしまい返済が遅れる場合にも連絡しておけば柔軟に対応してくれる可能性が高くなります。また銀行側から融資の相談を持ちかけられた場合、自分にとってもメリットがあるのであれば融資を受けておくのも一つの方法です。銀行が持ちかけた融資を受けることで銀行側に恩を売ることもできるからです。

会社に必要な資金を調達する流れで、銀行とはさまざまな部分で密接に関わることになります。銀行が会社に対して何を求めているのかを知り付き合い方について考えることは、「金融機関があなたの事業をサポートしてくれる大切な取引先なんだ、という意識を持つ」ことです。銀行も営利目的で動きますが決して会社にとっての敵ではありません。まずは銀行のニーズを優先して付き合いを始めゆくゆくは双方の理解を深めていくことこそ、銀行との上手な付き合い方と言えるでしょう。

まとめ

銀行融資の審査は確かに狭き門と言えますが、敷居の低い銀行と長期にわたって付き合いを続けることで信頼関係を構築することができます。銀行融資の審査に落ちたらまずは自分の会社に改善点がないかを確認しつつ、特定の銀行と長く付き合うことも視野に入れてウマの合う銀行探しから再開してみてもいいかもしれません。各銀行の特徴について、業界に詳しい人から話を聞きたいという経営者の方は、資金調達マスターに相談してみるのはいかがでしょうか。融資に強い士業との提携もありますので、無料相談フォームからお問い合わせいただければあなたに合わせたご提案をさせていただきます。ぜひお気軽にお申し込みください。