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2020/03/30

東京オリンピック延期でどう動く?企業への影響と今後の対策とは

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はじめに

東京オリンピックが来年7月まで延期されたことにより、企業への影響はかなり深刻化しています。新型コロナの影響から外国人観光客が減少して、なおかつ国内での消費抑制に拍車がかかり日本国内では実際に中小企業が倒産するまでになってきています。
開催まで一年という長い期間が空いたことに加えて新型コロナが急速に蔓延していることで、日本経済はかつてない冷え込みを見せていることも確かです。ただそんな状況であればこそ企業として対策を打つ必要があります。この記事では東京オリンピック延期による影響と、企業として考えるべき今後の対策について解説します。
また東京オリンピック関連の記事として以下の記事もおすすめです。東京オリンピック中止による経済損失について深く知りたい場合には、目を通してみるといいでしょう。

東京オリンピックは中止だけで済むのか?その経済損失に備えた対策とは

1.東京オリンピック中止による企業への影響とは

世界規模で新型コロナのパンデミックが発生していることを受け、東京オリンピックは一年程度の延期を余儀なくされました。それにより損失を被ったとされる企業もあります。この章ではまず、東京オリンピック中止が企業に与えた影響について確認していきましょう。
東京オリンピック中止が企業に与えた影響について知る手がかりとして、「リスクモンスター株式会社」が実施した「第1回 東京オリンピック・パラリンピック延期の影響アンケート」の調査結果を引用しながら見ていきます。
同企業が実施した調査によれば、75%の企業が「自社の業績は変わらない」としながらも、サービス業を中心とした約21%の企業が「今後自社の業績は悪くなると思う」と回答したと言います
この結果については新型コロナの影響により業績が悪化すると考える企業は多数あれど、東京オリンピック延期により業績悪化が見込まれると判断した企業が少なかったことが起因しています。また新型コロナの影響で業績悪化するとした企業と、東京オリンピック延期で業績悪化するとした企業とでは業種が違う点も挙げられます。
例えば新型コロナの影響により消費抑制に拍車がかかったことで、深刻な影響を受けたとするのが小・卸売業および製造業です。しかしその一方で東京オリンピック延期により深刻な影響を受けたとするのが、サービス業や人材派遣業、運輸業でした
後者に関しては特に、東京オリンピック開催により外国人観光客が増えることを見越した特需を狙っていたことがうかがえます。また企業によっては東京オリンピックを見据えた経営方針をとっていた場合、今回の延期を受けてその実施の見直しをせざるを得なくなりました。
例えば東京オリンピックの開催により公共交通機関の混雑が予想されたことで、早期のうちから時差出勤やテレワークを実施していたところもあったはずです。
テレワークについては新型コロナの感染防止対策として有益であるため継続すべきでしょうが、時差出勤についてはオリンピック中止が決定した時点で改めて必要になる時期まで中断しても特に問題ないかもしれません。
オリンピックの影響により自社の業績が悪化すると答えた企業では、「腫瘍の先送りによる景況悪化」や「訪日外国人観光客の減少による消費減退」などの回答があったようです。またあるいは「オリンピック需要を見込んでホテル事業に進出していた」などの回答もあり、オリンピック特需を狙ってこの時期に新規事業の立ち上げをしていた企業もあることが分かります。
またオリンピック需要が失われたことで、企業はイベントや各種プロモーションの見直しや商品の仕入れおよび販売計画など多方面にわたり見直さなければならない状況に追い込まれています

2.東京オリンピック延期により大打撃を受けた企業の対応とは

東京オリンピックが来年7月まで延期されたことにより、国内企業の一部が大打撃を受けてしまいました。この章では次に、東京オリンピック延期により大打撃を受けた企業の対応についていくつか紹介します。

2-1.ホテル各社の場合

東京オリンピックでは世界各国から代表選手や大会関係者が集まることが想定されていましたが、オリンピックが延期されたことで宿泊予約が一気にキャンセルされてしまう可能性があります。
例えば帝国ホテルの場合では、大会関係者の宿泊用に数百室を確保していただけでなく、一般の予約客の宿泊もあり、この時期だけでほぼ満室に近い状態だったと言います。そのため東京オリンピックの延期によりこの期間中に予約で確保していた部屋の扱いはどうするか、また新しい日程が決定した後の部屋の確保はどうするかなど、しばらくは延期後の対応に追われることになりそうです。
また例えば京王プラザホテルやプリンスホテルでも大会関係者用にと数百室確保しており、東京オリンピックの期間中の予約がなくなったことで、帝国ホテル同様に対応が問われることになりました。
この具体例からも分かるように、東京オリンピックではこの時期に宿泊予定だった予約客が非常に多かったことが分かります。新型コロナの感染拡大により予約がキャンセルされた直後にもかかわらず東京オリンピックで見込んでいた予約客までキャンセルされるとなると、これらのホテルはかなりの痛手を被ることになりそうです。
現に東京都ホテル旅館生活衛生同業組合の須藤茂実事務局長曰く、「組合員からはこの1年間耐えられるかどうか不安だという声があがっている」とのことです。

2-2.観戦ツアーの場合

東京オリンピックでは大会のオフィシャルパートナーであるJTB、近畿日本ツーリストを傘下に持つKNTーCTホールディングス、東武トップツアーズの3社が、去年7月には観戦ツアーのチケットを販売していました。今回の延期を受け観戦ツアーの募集が打ち切りになっただけでなく、すでに支払いが済んでいるツアー客への返金対応をどうすべきか、組織委員会に観戦チケットの取り扱いについて確認の上で対応せざるを得ない状況になっています。

2-3.選手村跡地に整備予定のマンションの場合

選手村の跡地に整備予定だったマンションの話は、この延期を受けて購入者の入居時期が遅れることになりそうです。当初の予定では選手村として活用した後の土地は、周辺の土地も活用して23棟のマンションを整備することになっていました。分譲と賃貸併せて5,600戸程度が供給される予定で、すでに一部販売分の940戸のうち893戸まで購入が決まっています
本来であれば2023年3月以降に順次入居予定でしたが、東京オリンピック延期により入居時期が遅れることも懸念されています

2-4.エアウィーヴの場合

大会スポンサーのエアウィーヴは、選手村用に特注品としてベッドなどの寝具を生産していました。現に今年6月までに2万セット程度を納品する予定でしたが、延期になったことで大量の特注品を持て余す結果となりました。組織委員会からの連絡が特にないことからエアウィーヴは生産を中断することなく、予定通りのセット数を生産する方針を固めています。

3.企業としてとるべき今後の対策とは

東京オリンピックが延期されたことで業績悪化すると感じた企業の割合こそ少ないものの、オリンピック特需が失われたことによる経済損失はかなり大きいと考えられます。ただ国内での感染がこのまま収束しなければ、東京オリンピック自体が中止になってしまうリスクも残っています。
東京オリンピックを無事開催するために、またこの苦境を何とか乗り切るために企業としてどのように対策すべきなのでしょうか。

3-1.感染拡大に配慮して活動する

当面の間は新型コロナの収束を最優先する必要があるため、まずは感染拡大に配慮した企業活動を行うべきです。
例えば今まで通り大規模イベントは自粛し、イベント開催は可能な限りライブ配信を利用するのもいいでしょう。またあるいは新型コロナの感染者を増やさないように従業員の健康チェックを定期的に行い、万が一社内から感染者が出た際にはしばらく休業することも必要かもしれません。その期間中に社内清掃や従業員の教育など、今まで時間がなくてできなかったことをやっておくというのも一つの方法です。

3-2.セールやキャンペーンを積極的に打ち出す

新型コロナの感染拡大が起こっている現状ではありますが、利用客が途切れてしまえば経営破綻につながるのも時間の問題です。
そのため集客して売上をとる業種の会社であれば、この時期にあえてセールやキャンペーンを積極的に行うことで売上の落ち込みを少しでも抑制することができます。東京オリンピック開催に合わせてのイベント開催は当面できなくなりましたが、開催予定だったイベントを延期するのではなく縮小してでも開催するなど、延期になったから全面中止という選択肢でなくてもいいはずです。

3-3.新型コロナに関する支援制度を利用する

新型コロナの感染拡大に伴い、政府は無利子・無担保での融資を実施しています。とはいえ企業の中には、新たに借入を増やすことに抵抗を覚えるところもあるはずです。
そうした場合には例えばクラウドファンディングのような資金調達方法を活用し、返済不要の資金を集めるのもいいでしょう。また新型コロナが収束するまでは、今後とも新型コロナに関する支援制度が充実していく可能性が高いので、情報収集を随時行いながら企業としてとるべき方針を決めていくことも必要かもしれません。

まとめ

WHOの見解では、今回の新型コロナの蔓延により数百万人規模で死者が出ることも懸念されています。実際に毎日のように新型コロナ感染者は増加しており、いよいよ他人事では済まされない状況まで追い込まれています。
東京オリンピックを無事開催するためには私たち一人ひとりが危機管理意識をしっかりと持ち、その上で生活する必要があります。感染拡大を防止しながら企業活動を行うことは非常に難しい側面もありますが、先が見えない現状だからこそ能動的に動くことで活路が見出せるはずです。