銀行融資

2018/05/23

プロパー融資の意味とは? 分かりやすく解説

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はじめに

事業者の方、またこれから事業を起こそうとされている方。

資金調達のため、何かしらの融資を検討されているかと思います。

今回は、経営者の方が選択肢として持たれるいくつかの融資の中で、

プロパー融資というものをご紹介していきたいと思います。

全く知識がない方でも分かりやすく解説していきたいと思います。

 

まず、一般的な経営者の方は以下の融資を選択することができます。

 

◎身内からの借入れ

◎国などの公的機関による融資

・政府系金融機関

・信用保証協会を利用した際の融資

◎銀行からの融資

プロパー融資

・ビジネスローン

◎ノンバンク融資(銀行以外の金融機関による融資)

 

この中で、ご自分の事業計画、融資計画に合った融資を選択します

とはいえ、融資を受けるには、審査が必要ですし、簡単に審査が通るものは基本的に高い利息になります。どのような融資が最適か、またどのような融資だと受けることができるのかを知る必要があります。

それでは、銀行融資であるプロパー融資というものを詳しく説明致します。

 

1章プロパー融資とは

プロパー融資とは、銀行へ融資の申し込みをし、審査が通れば、銀行から借入れ行うものです。

そもそもプロパーという意味は、「固有の、本来の」という意味になります。なので銀行オリジナルの、事業者に合った個別のものという意味合いとして理解すると分かりやすいかと思います。

(これに対し、ビジネスローンというのは企画”された融資形態で、審査基準や、金利、融資額などがある程度画一的に決まっており、審査や、融資決済がとても早く簡易的に済むものと理解すると分かりやすいと思います。)

どの形態が自分たちに合っているかしっかりと見極め、事業プラン、融資プランを考えてみて下さい。

 

1-1 プロパー融資とは

プロパー融資とは、簡単に言いますと、保証会社を通さず、銀行にのみ審査をしてもらい、融資を受けられるかどうかが決まります。

銀行による審査とは、保証会社による保証をせず、会社の決算書による経営状況(2期連続黒字であること)、自己資本の資産状況(プラスの資産は良い評価、マイナスの資産も悪い評価とみなされる)、不動産などの担保が可能かどうか、あとは割合としてはだいぶ低くなるかと思いますが経営者のお人柄で決まります。銀行の融資担当者との相性もあるかと思いますが、貸出しを行う際、返済をちゃんとしてもらえるのか、信頼できる経営者かどうかを見るのは当然のことだと思います。割合としてはかなり低いですが、お人柄も審査対象だということ必ず忘れないで下さい。

 

1-2 プロパー融資の特徴

プロパー融資の最大の特徴は

・審査がとても厳しい

・保証料が不要

どちらも、保証会社による保証がないゆえのこととなります。

以下に詳しく説明致します。

プロパー融資の特徴は、保証会社による保証がないことです。

保証会社による保証がないということは、銀行にとって、とてもリスクのあることです。

銀行が一番懸念する、融資先の企業が倒産した場合などは、ほぼ融資金の回収ができなくなるからです。

そのため、融資の際の審査はとても厳しいですし、時間がかかります。

またもう一つの大きな特徴は保証会社による保証がないということによって、保証料を支払う必要がないということです。

保証付きの融資を受けますと、毎年保証料を支払わないといけません。高額な融資を依頼すると、その分保証料も高額になります。例えば、1000万円の借入れをすると、年間10万円~15万円ほどの保証料を支払うことになります。

経営者さんは、なるべく保証料の無い、プロパー融資を望むかもしれませんが、銀行としてはリスクが高いため、その分審査がとても厳しいということです。融資を受けてからも、経営状況などは随時チェックされ、銀行員による指導もあり、経営者にとってはあまり気分の良い事ばかりではないかもしれません。

また、保証がないという意味合いで、プロパー融資の一種と考えられる融資があります。

それが、ビジネスローンです。(有担保、保証付きのビジネスローンもありますが、一般的に無担保、無保証で利用できるローンとして広く認知されているため)

ビジネスローンの特徴は、無担保・無保証にて、かつ審査がとても簡単で、早ければ即日融資を受けることができます。プロパー融資と同様に、無保証であるため銀行にとってハイリスクに感じますが、こちらはとても高金利です。(年率10.0%~15.0%)

一時的な利用プロパー融資の審査の間の資金ショートを防ぐために利用するものとしてとても便利に使える融資の一つだと理解して下さい。長期的にはプロパー融資、または保証付き融資が金利も低いので、一般的になります。

 

 

1-3 保証付き融資との違い

保証付き融資は、銀行にとってはとても安心できる融資になります。

というのも、融資先の企業が倒産しても融資金は信用保証協会から返済されるからです。なので、融資の際の審査もプロパー融資に比べると、基準が非常に平易になります。

ここで信用保証協会とは、どういった機関かといいますと国による公的機関です。

日本の多くの企業は中小企業や個人事業主です。信用や、実績のあまりない中小企業などの方がお金を借りるのに、プロパー融資のような融資方法しかなければ、国の中小企業は育ちません。

企業の大半を占める、中小企業や事業者が発展しないと、国の経済も当然発展しません。その為、国が経済を発展させるため、中小企業の方や、個人事業主の方が資金調達し易いように、保証協会というものを作りました。そして、保証協会が、銀行に保証することによって、銀行は安心して融資をすることができ、また中小企業の方たちも安心して事業を運営、発展させることができるようにしています。

銀行に融資を受ける際に、銀行の審査同様、保証協会による審査があります。そちらを通過することで、銀行の融資が受けられるという仕組みになっております。

 

こういった、保証付き融資はこれから事業を始めるという経営者の方や、資産が無い方などにはとても有難い融資になります。しかし、先にも述べましたが、保証付き融資の大きな特徴は、毎年保証料を払わないといけないということです。

保証料は融資額と比較するとそれほど高くはありませんが、毎年支払わないといけないことと、銀行にも利息を返済することになりますから、負担が軽いとはいえません。

起業当初から、プロパー融資を利用できると返済金額としては、とても負担が少ないのですが、現実的には、ほぼ融資が行われることはありません。

事業を始めた際は、こちらの保証付き融資を利用し、しっかりと返済を続け、実績や信用を構築した後プロパー融資をトライしてみるといいでしょう。

しかし、保証付き融資を利用し、しっかりと返済を続けてきたからといっても、いきなり高額のプロパー融資を申し込んでも、銀行に対していい印象ではありませんプロパー融資を始める際は、まずプロパー融資にて少額の借入れの実績を積んでから、高額の融資の打診を行うのがいいプランだと言えます。

 

2章 プロパー融資のメリットデメリット

自分の会社に、どの融資が最適か判断するには、その融資のメリットデメリットをしっかり理解しないといけません。やみくもに、自分の会社の状況を無視して、条件のいい融資を望んでも、それが自分の会社に合っているかはわかりません。また、経営者の返済プランにもあっているかどうかわかりません。

まずは、どの融資が、自分の事業や会社の状況に最適かを判断しましょう。

それでは、プロパー融資のメリットデメリットを見ていきましょう。

2-1 プロパー融資のメリット

プロパー融資のメリットは大きく分けて4点あります。

・保証がいらない

・金利が低い

・借入れ可能額の上限がない

・会社の信用力が格段に上がる

プロパー融資のメリットは、保証を付ける必要がないということです。

先にも述べましたが、企業が事業を運営していくなかで、長期的な事業資金としての融資にはプロパー融資、もしくは、保証付き融資がいいと言えます。

その他の融資は、金利が高くなり、長期的に運営資金として借りるには向いていません。というのも、その他の融資は、比較的簡単に融資を受けることができますが、高金利ですので、短期的な利用が前提となります。事業資金や運営資金として融資を受けても、返済が間に合わなければ、また別の融資を受けることになり、あっという間に自転車操業になります

ご自分の企業を発展させたいのなら、しっかりと資金調達のプランをもち、しっかりと信用や実績を積んでいくことが一番です。

 

そして、次のプロパー融資のメリットは、借入可能額の上限の設定がありません。

一方、保証付き融資には上限の設定があります。無担保保証ですと8,000万円、有担保保証だと2億8,000万円までです。起業当初ですと、それほど高額な資金を要しなかったとしても、事業を発展させ、事業規模を大幅に拡大していきたいとなると、運転資金や設備資金が一気に増え、プロパー融資が必要になるかもれません。その為にも、最初は保証付き融資で始めたとしても、しっかりとプランをもち、実績や信用を積み上げていくことはとても重要になります。

最後のメリットは、最大のメリットといっても過言ではない、企業の信用度が格段にあがるということです。

これだけ厳しい審査を突破して、プロパー融資を受けている企業となると、どこの会社もとても信用できる会社だと判断することができます。多くの大企業はプロパー融資を受けて事業を行っていますが、中小企業もこのプロパー融資をうけているとなると、大企業並みの信頼度があるということです。また、一度プロパー融資さえ通過すれば、再度融資を受けたいときも、返済を滞ったりしなければ、プロパー融資が受けれると言われています。

企業にとっては、一番有利な融資が受けられるとなると安心して、事業の拡大を行うことができますね。プロパー融資が受けられるとなると、企業が大きくなるお墨付きを頂いたようなものかもしれません。

このように、プロパー融資は、審査にさえ通れば保証も必要なく、また上限無く、融資を受けることができ、かつ金利も圧倒的に低く借りることができます。そして、企業の発展のお墨付きまでもらえます。

事業を運営するならプロパー融資が一番有利だということはお分かり頂けますね。

起業当初は難しいかもしれませんが、いつかプロパー融資を利用することができるよう、融資計画をもつことは重要です。

 

2-2 プロパー融資のデメリット

何度も申し上げてきましたが、プロパー融資だと無保証の融資となり、銀行にとって、リスクはとても大きいです。その為、審査はとても厳しいものとなります。起業したての会社が融資を受けられることは、まずありません

さらに、当然ですが、融資された金額で実行される事業計画書も綿密にみられますし、融資後も計画通り進んでいるかなど、銀行のチェックや指導もよくあります。事業を行っている最中に、色々と言われるのは結構苦痛なものです。

また、プロパー融資は、返済期間が短い設定になります。ということは、月々の返済額が多くなってしまいますし、保証付き融資よりも返済期間は短くなってしまいます。

借入金の返済金額は、損益計算書に元本は載らないため、毎月黒字になっているのに手元にお金が残らないということがよくあります。そして、黒字なのに倒産してしまうケースもあります。なので、プロパーは確かに、保証料もかからず、信用度も上がるので、受けたいと思うのですが、月々の返済額が大きくなってしまうということが自社に合っているかどうか、しっかりと判断しなければなりません。

 

まとめ

ご覧いただいてお分かり頂けたと思いますが、プロパー融資を受けることはとてもメリットが多く、企業の経営も安定していくと思われます。何より企業の信用度が上がることは、企業が大きく発展していく印籠を手にしたようなもので、とても経営者としては安心して事業の拡大を図っていけるでしょう。

しかし、保証料を払ってでも、期間が長く設定され、毎月の返済金額が企業の経営にとって有利な場合も多いです。全ての企業で、全ての経営者にとってプロパー融資が有利とは絶対に限りません。

必ず、ご自分の企業やご自身のケースを考え、事業計画、融資計画をしっかりと考えて、どの融資が合うかの判断をしましょう。

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