助成金

2020/04/30

新型コロナを乗り切るために!コロナ禍対策として活用したい助成金まとめ

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はじめに

新型コロナの感染予防の観点から、さまざまな業種が深刻な被害を受ける事態になっています。いわゆるコロナ禍が長期化することにより資金的に余裕のない中小企業では資金繰りが悪化しているところも多く、このまま続けば多くの中小企業が倒産してしまうことも懸念されます。そうした事態に陥らないよう、政府は異例となる支援措置を実施しています。ただ深刻な状況で経営している経営者の方からすれば支援措置となる各種制度の種類が多すぎるために、どのような制度が自社で利用可能か判断できないと悩むこともあるかもしれません。
この記事ではコロナ禍対策として活用できる助成金について紹介します。また記事の最後では資金調達に関してのお役立ち情報も紹介しています。こちらも併せて参考にしてみてください。

1.コロナ禍対策として活用可能な助成金とは

国が実施する支援措置の中にはさまざまな種類のものがありますが、その中の一つである助成金は条件さえ全て満たしていれば誰でも受給可能なものとなっています。助成金と類似するものとして補助金も挙げられますが、こちらは条件を全て満たしていたとしても必ず受給できるとは限りません。ただ一度受給した金額については返済の必要性もないため、その性質自体はほぼ同じと考えていいでしょう
この章ではまずコロナ禍対策として活用可能な助成金および補助金の種類について順に紹介していきます。

1-1.雇用調整助成金

厚生労働省は4月1日から、会社および個人事業主が支払う休業手当額の一部分を負担する雇用調整助成金の特例措置を実施し始めました。この助成金自体が従業員に直接支給されるものではありませんが、会社や個人事業主の金銭的負担は緩和されます。また休業手当を支払いながら雇用は維持できるため、通常営業を開始する際に人材不足で会社側が困らなくて済みます。
また今回の特例措置では通常の条件よりも緩和されており、以下の条件を満たせば受給できます。
・対象事業者:雇用保険が適用されており、かつ新型コロナの影響を受ける会社および個人事業主
・対象従業員:6ヶ月未満、被保険者でなくても可
・助成率:中小企業は4/5、大企業は2/3
・経営状況:直近一ヶ月の売上などが5%以上減少している
・手続きのタイミング:事後提出でも受給可能
本来であれば前年度の同時期と比較して、売上が10%以上減少していなければ受給できないことになっています。しかし特例措置の場合では直近一ヶ月で売上が5%以上減少していれば、経営状況の条件は満たすことができます。また上記の助成率もかなり高いと考えられますが、従業員を解雇しない場合であれば中小企業では9/10、大企業では3/4相当の金額を受給可能です。
雇用調整助成金の特例措置については、会社を開設して1年未満の経営者であっても助成金を受け取れます。また緊急対応期間であれば風俗業も含めて助成対象に含まれます。
ここで言う緊急対応期間とは4月1日から6月30日までのことを指します。
ただし今回の特例措置については6月30日までの申請となるため、期間中に忘れず申請するようにしましょう

1-2.ものづくり補助金

このものづくり補助金はその正式名称を、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言います。新型コロナの影響を受ける会社や個人事業主に対して「特別枠」を設けており、中小企業を対象として最大1,000万円まで補助されます
3次締切の条件はまだ公開されていませんが、参考までに2次締切の募集条件を以下で抜粋しておきます。
・新型コロナ禍対策として、経費の1/6以上を以下のいずれかに投資すること
①サプライチェーンの毀損の対応
(製品供給継続のための設備投資など)
②非対面型ビジネスモデルへの転換
(非対面、遠隔サービスに必要な投資)
③テレワーク環境の整備
(テレワークに必要なシステム構築のための投資)
このものづくり補助金の特別枠では、補助率が従来の1/2から2/3まで引き上げられています。また従来のものよりも申請要件が緩和されており、営業費用も補助対象として含まれる点は特別枠ならではのメリットと言えるでしょう。
2時締切はすでに締め切られていますが、次回の3時締切の公募開始日は5月20日からとなっています。こちらも忘れずに申請しておきましょう。

1-3.IT導入補助金

新型コロナの影響による被害を緩和するべく「臨時対応」として実施されたのが、IT導入補助金の1次公募です。今回の公募についてはすでに締め切られていますが、今後とも新型コロナによる不況が継続するようなら2次公募が実施される可能性はないとは言い切れません。
ここでは参考までに、1次公募の情報について確認しておきましょう。
・申請時点で日本において登録されている会社もしくは個人事業主である
・補助事業を通して取得したソフトウェアなどを重要な資産として保護および管理するとともに、セキュリティおよび個人情報保護の観点から、適切に情報を取り扱っている
・交付申請の際に、一事業者につき一つの携帯電話番号を登録してある
・生産性の向上に資するITツールを導入する会社および個人事業主である など
この他にも条件はいくつかありますが、対面型ビジネスモデルやテレワークへの転換を支援するのが主な目的となります。またものづくり補助金では通常の場合よりも補助率が引き上げられ、1/2から2/3まで拡大されていました。
今回はコロナ禍対策としてものづくり補助金を紹介しましたが、ITを活用した事業モデルの転換を図る場合にはぜひ利用しておきたい補助金と言えます。

1-4.小規模事業者持続化補助金

新型コロナの影響を受けながらも販路開拓や経営力の向上などに取り組む事業者に対して、それらの投資に支援する補助金がこの小規模事業者持続化補助金です。
第2回受付締切が6月5日までなので申請するための猶予はまだありますが、その募集条件は以下の通りです。
・対象事業者: 商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」及び、一定の要件を満たした特定非営利活動法人
・新商品を陳列するための棚の購入 (①機械装置等費)
・新たな販促用チラシの作成、送付 (②広報費)
・新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告) (②広報費)
・新たな販促品の調達、配布 (②広報費)
・ネット販売システムの構築 (②広報費)
・国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加 (③展示会出展費)
・新商品の開発 (⑤開発費)
・新商品の開発にあたって必要な図書の購入 (⑥資料購入費)
・新たな販促用チラシのポスティング (⑦雑役務費)
・国内外での商品PRイベント会場借上 (⑧借料)
・ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言 (⑨専門家謝金)
・新商品開発に伴う成分分析の依頼 (⑫委託費)
・店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む/⑬外注費)
 ※「不動産の購入・取得」に該当するものは不可。
 
・補助対象条件:(1)使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
    (2)交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
    (3)証拠資料等によって支払金額が確認できる経費 の全てを満たすもの
この補助金では補助対象経費のうち2/3の金額分を補助してもらえることになり、上限額は50万円までとなっています。また新型コロナによる売上の減少が見られる場合には、売上減少に関する証明書が別途必要になります

2.コロナ禍対策として活用可能な給付金とは

条件が合致すれば必ず受給できる給付金は、金額が少額ではあるものの受け取っておいて損はありません。この章では次に、コロナ禍対策として活用可能な給付金について紹介しておきます。

2-1.持続化給付金

前年同月比にして50%以上売上が減少している事業者が対象となるのが、この持続化給付金です。基本的には資本金10億円以上が大企業を除く会社や個人事業主が対象となります。
またこの給付金では以下の計算式を用いて売上減少額をあらかじめ計算します。
前年の総売上 – 前年同月比で50%減となった月の売上 × 12カ月
売上が減少している中小企業では200万円、個人事業主では100万円まで受給することも可能です。新型コロナの影響で売上が急速になくなってしまった場合には、併せて申請しておくといいでしょう。

2-2.休業協力金

新型コロナの感染防止のために4月16日から全国区で発令された緊急事態宣言により、時短営業や休業要請などが相次いで発表されています。自治体次第では協力金を支給してくれる場合があり、東京都を例にとると休業などの指示に協力的な事業者については、「東京都感染拡大防止協力金」という名目で50万円(複数の事業所で休業などに取り組む場合は100万円)が受給可能です。
ただしこの給付金については、会社の所在地である都道府県で実施しているかどうかを事前に確認する必要があります

2-3.10万円の現金給付

4月27日時点で住民基本台帳に登録されている全ての国民を対象に、10万円が給付されることがすでに決まっています。現住所のある地方自治体に所定の申請書を提出すれば、家族分の給付金が一括して振り込まれる仕組みです。
5月中には受け取れる見込みであるこの給付金は、生活費の補助としてはもちろん会社経営の資金に補填することも可能です。直近でお金がいるという方は会社の資金としてこの給付金を充てるのも一つの方法です。

まとめ

新型コロナにより国内全体の会社や個人事業主が異例の不況に苦しむ中、政府はさまざまな支援策を講じています。そのため自身の会社で活用できる助成金や給付金に対しては、積極的に申請して活用していくことが望ましいです。
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