ベンチャー企業向けの助成金・金融
起業を考えている人やベンチャー企業を経営している人は助成金について、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
助成金は返済をする必要がないので資金集めとしては強力な方法です。事業にかかるお金を全て自己資金で足りているのであればいいのですが、そうでない人も多いとおもいます。
そこで今回は、起業を考えている人やベンチャー企業を経営している人のために、助成金について詳しく解説していきます。
この記事では以下の内容について検証しています。
・助成金とはなにか
・ベンチャー企業におすすめの助成金
・助成金の手続きの手順
・助成金コンサルのメリット・デメリット
・スピード感を求める人ファクタリング
助成金について詳しく知りたい人、資金集めに困っている人は是非読んでみてくださいね。
助成金とは
助成金とは、国や厚生労働省から支給される返済不要な支援金のことです。雇用の増加や新規事業のサポートなどを目的としたもので、直接的または間接的に公益上有益だと判断される行為に対し支給されます。
雇用保険に加入していて、かつ条件を満たしていれば必ず受け取ることができるので、資金調達の手段としても利用することができます。また返済する必要がないというメリットもあります。
例えば以下のようなものに使えます。
・自社ホームページの作成費用
・新商品の開発費用
など
助成金と混同しやすいものに補助金があります。補助金とは、経済産業省や地方自治体から支給される、事業を活性化するためのお金です。
補助金は、助成金と同じく返済義務はないのですが、
・審査がある
・必ずしも支給されるわけではない
・もらえる金額が大きい
・申請期間が短い
などの違いがあります。
起業するとき・ベンチャー企業におすすめの助成金の種類
起業するときやベンチャー企業を経営する際に利用しやすい助成金・補助金をいくつか紹介します。
・創業補助金
創業補助金は、起業促進、地域活性化、女性進出などを目的とした経済産業省系の補助金です。それぞれの補助金の要件を満たした上で審査に通過しなければいけません。審査通過率は数%〜80%と幅広くなっています。
・小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、折り込みチラシやWEB広告などの販促活動に使える使い勝手の良い補助金です。ホームページ制作や販売パンフレットなど自社を宣伝する際に有効に使えます。
計画を立てる際には商工会議所のサポートが受けられるのもポイントです。
・ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が「試作品の開発」や「設備投資」などのものづくりをする際にかかる経費を支給してくれる補助金です。
・キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、雇用促進や労働意欲の向上、労働能力の向上などのために使用できる助成金です。補助金と異なり審査に落ちることはないので、これから助成金を使いたいと思っている人には最も使いやすいのではないかと思います。
・自治体独自の補助金・助成金
市区町村など、自治体単位で行われる補助金や助成金があります。自治体によって温度差があります。自分の自治体の補助金や助成金が利用できそうか調べてみましょう。
キャリアアップ助成金
起業したい人や、ベンチャー企業を経営している人におすすめのキャリアアップ助成金についてもう少し詳しくみていきましょう。
キャリアアップ助成金とは、アルバイトや非正規雇用で現在働いている人を、正社員として採用した人場合に支給される助成金です。非正規雇用を減らすことを目的として厚生労働省が力を入れています。
非正規用労働者とは次のような人です。
・有期契約労働者
終身雇用が前提の正社員とは異なり、一定期間の雇用契約を交わした雇用関係。パート従業員のように企業と直接契約をかわす「直接雇用」と、人材派遣会社を介して契約を結ぶ「間接契約」の2種類に分かれる。
・短時間労働者
正社員と比べて1週間あたりの労働時間が短い労働者のこと。
・派遣労働者
企業と直接契約を結ぶのではなく、人材派遣会社などの仲介の役割を果たす会社と契約し、派遣される形で就労する労働者のこと。
正社員化コース
キャリアアップ助成金には「正社員化コース」と「処遇改善関係コース」の2種類があり、正社員化コースのほうがより利用しやすくなっています。
正社員化コースは、次のようなことを考えている際に向いています。
・新しく社員を雇う
・有期契約労働者から無期雇用労働者へ切り替える
・アルバイトを正社員として採用する
・派遣労働者を直接雇用へ切り替える
どのくらいの助成金がもらえるのか
キャリアアップ助成金の正社員化コースで条件を満たした場合にどのくらいの助成金がもらえるのでしょうか。詳しく調べてみました。
有期契約労働者から正規雇用労働者になった場合
→1人あたり57万円(72万円)
有期契約労働者から無期雇用労働者になった場合
→1人あたり28万5000円(36万円)
無期雇用労働者から正規雇用労働者になった場合
→1人あたり28万5000円(36万円)
キャリアアップ助成金の対象となる事業主(条件)
キャリアアップ助成金の正社員化コースを受給するための事業主の条件として、以下のようなものがあります。
1、有期契約労働者を正規雇用労働者に転換する
2、有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する
3、無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する
4、派遣労働者を正規雇用労働者として直接雇用する
5、派遣労働者を無期雇用労働者として直接雇用する
キャリアアップ助成金の対象となる労働者
キャリアアップ助成金の対象となる労働者には条件があります。具体的な条件を示すと、以下の4つのうちいずれかの条件を満たしていなければなりません。
1、助成金を受ける事業主のもとで通算6ヶ月以上雇用されている有期契約労働者
2、助成金を受ける事業主のもとで6ヶ月以上雇用される無期契約労働者
3、6ヶ月以上同じ派遣先で働いている派遣労働者
4、助成金を受ける事業主が実施した有期実習型訓練を受講し、修了した有期契約労働者
この4つの条件のいずれかを満たした上でさらに8つの条件を満たしている必要があります。
詳しくは厚生労働省の公式ホームページ「キャリアアップ助成金」のページをご覧ください。
→http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
申請できる時期
正社員化コースの条件の対象となる労働者を転換または直接雇用し、賃金を6ヶ月分支給した翌日から2ヶ月以内に支給申請をしなければいけません。
申請の手順と支給される時期
キャリアアップ助成金正社員化コースを受給するため手続きを解説します。
1、キャリアアップ計画を作成し、提出する
2、就業規則、労働規約その他これに準ずるものに転換制度を規定する
3、転換・直接雇用の際に、就業規則の転換制度に規定した試験を実施する
4、正規雇用などの転換・直接雇用を実施する
5、転換後6ヶ月分の賃金を支給・支給申請する
6、審査、支給決定する
もっと詳しいことは公式のホームページをご覧ください。
→http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html
キャリアアップ計画とは、転換や直接雇用をするにあたっての大まかなイメージを作成したものです。誰を対象に、何を目標とするのか、目標を達成するためにどんな措置をするのか、ということをあらかじめ記載しておきます。
キャリアアップ計画書に記載する内容を箇条書きにすると以下の6つです。
1.キャリアアップ計画期間
2.期間中に講じる措置の項目
3.対象者
4.目標
5.目標を達成するために講じる措置
6.キャリアアップ計画全体の流れ
助成金コンサルのメリット・デメリット
助成金の申請をサポートする助成金コンサルというものがあります。助成金コンサルを受けることにはメリットもデメリットもあるので紹介していきます。
助成金コンサルのデメリット
まず助成金コンサルを受けることのデメリットから見ていきましょう。一番のデメリットはコンサルにかかる料金です。月額1万円前後でサポートサービスを行っている会社もあります。
助成金コンサルのメリット
助成金コンサルを受けることによるメリットは、時間と手間が省けることです。
助成金コンサルであれば、難しい手続きのサポートをしてもらうことができるので、スムーズに手続きを完了させることができます。事業に集中したいときに、助成金のことで頭がいっぱいになってしまっては元も子もありません。助成金のことは専門家に任せられると心理的にも楽ですよね。
また、自分が行っている事業に合わせた様々なアドバイスを受けることができます。自分では申請するつもりのなかった助成金にも、コンサルタントのアドバイスによって申請できる可能性があります。利用者の声を見ると、「自分が助成金の支給対象であることを知らなかったが、コンサルを受けて助成金の対象であることを知り、支給金額が増えた」というものが多いです。
今必要性を感じていなくても、もらえる助成金を申請していなくて、気づかないうちに損をしている可能性があります。助成金の支給対象であることに気づけることもコンサルを受けるメリットです。
助成金を受け取るときには、手続きが必要です。手続きには法律の知識が多少必要な部分もあるので、コンサルタントに相談できるというのは心強いです。
また、助成金を受け取るための手続きに手間取って無駄な時間を過ごしてしまうということもありますが、実は単純なところでつまづいていたなんてこともよく聞きます。知っている人が見れば簡単でも、素人から見ると複雑に見えるものです。そんなときに相談できる相手がいるとすぐに解決できるので、時間が無駄になりません。
スピード感が求められるときにはファクタリング
事業を行っていく上で資金繰りに困ったときの手段として助成金を使うのも有効な手ですが、もっと即効性のある解決策としてオススメなのがファクタリングです。
ファクタリングとは、まだ未回収の売掛金をファクタリング会社が買い取るサービスです。売掛金とは、商品の納品やサービスの提供を完了しているものの、支払い期日が来ていないために未だ支払われていないお金のことです。
たとえば売掛金が5月に発生して、その売掛金が7月に振り込まれる予定だとします。でも資金繰りが厳しいときには今すぐにでも資金を調達したいですよね。
「7月まで売掛金が入らないのは困る」「もっと早く売掛金を受け取りたい」というときにはファクタリングを使いましょう。ファクタリングを使えば、ファクタリング会社が取引先からの売掛金を買取り、即日でお金を振り込んでもらうことができます。
ファクタリングはどんな人に向いているのか
ファクタリングが向いているのは、すぐに資金がほしい人です。ファクタリングであれば即日で資金を集められる可能性があります。なぜ即日で対応できるのかというと審査がないからです。銀行の場合、融資する際に必ず審査があります。しかし、ファクタリングの場合は売掛金を買い取るだけなので審査をする必要がなく、すぐに入金してもらえるのです。
また、資金繰りが厳しく、銀行からの借り入れができない際にも、ファクタリングは有効です。審査がないので資金調達の方法としては確実です。
売掛金が溜まっていて入金までの期間が長い人にもファクタリングはオススメ。ファクタリングで売掛金を前もって支払ってもらうことができれば、その資金で事業を加速させることができるからです。ファクタリング手数料を支払ってでも事業を加速させることを優先させたいときには検討してみてください。
自社が各条件でどれに当てはまるのか、はっきりと答えられない経営者のために、資金調達マスターでは無料でご相談を受け付けています。
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